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矢崎仁司監督作「風たちの午後」デジタルリマスター版の予告編が公開

ナタリー

19/2/10(日) 20:00

「風たちの午後」

矢崎仁司が監督を務めた「風たちの午後(デジタルリマスター版)」の予告編が、YouTubeにて公開された。

矢崎の監督デビュー作として1980年に発表された本作。アパートで同居する美津と夏子を軸に「女の子が女の子を好きになる」というテーマを描いた。綾せつこ、伊藤奈穂美らが出演。矢崎と長崎俊一が共同で脚本を執筆した。

映像には美津と夏子が気だるげにアパートで過ごす様子や、相合い傘をしながら笑い合う場面が収められた。矢崎は本作について「この映画を作ったことで、デレック・ジャーマン監督、侯孝賢監督、楊徳昌監督に出会えた、思い出深い作品です」と回想し、「ストーカーやLGBTなどの言葉すらなかった頃、人が人を愛することを、愛が動機ならやっちゃいけないことは、何一つないと信じて作った作品を、今の人たちに観てもらいたいと強く思います」と語っている。

「風たちの午後」は3月2日より東京・K's cinemaほか全国で順次公開。

※楊徳昌の徳は旧字体が正式表記。

矢崎仁司 コメント

正確に覚えていないけど「映画は人と同じで歳月とともに死んでいく」という鈴木清順監督の言葉が好きだ。だからリマスターを作るより、新作を生み続けていたいと思っていた。凡そ40年前、日本大学の学生だった頃、この「風たちの午後」を自主制作した。聞こえてくる音を幽かに残し、「観る」ことの映画を作りたかった。上映中の音量を下げるために、すべての上映に付き添った。だから日本中の各地を旅して、この映画の観客に出会った。初めての海外は、エジンバラ国際映画祭だった。また、ニューヨークでは、矢崎が女性なら、シャンタル・アケルマンやマルグリット・デュラスに匹敵すると言われ、表現者の性別を超えた記念すべき作品と評価されました。
この映画を作ったことで、デレック・ジャーマン監督、侯孝賢監督、楊徳昌監督に出会えた、思い出深い作品です。今も、ロンドン、香港などのゲイ・フィルム・フェスティバルから上映を熱望されているのに、フィルムの劣化と音楽の問題などがあり、皆さんに観て頂くチャンスがなくなってしまったのが残念でした。
この度、映画24区やABCライツさん、皆さんの力を借りて、もう一度、世界のスクリーンに映すことが出来ることは心から嬉しいです。また、世界中のこの映画の観客に会え、新たなエネルギーを、新作に注ぎこみたい。ストーカーやLGBTなどの言葉すらなかった頃、人が人を愛することを、愛が動機ならやっちゃいけないことは、何一つないと信じて作った作品を、今の人たちに観てもらいたいと強く思います。

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