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第二次世界大戦下に生きる日系人家族の葛藤を描く、ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』 注目の日本版が開幕

ぴあ

ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』

「スタートレック」シリーズなどで知られる日系アメリカ人俳優のジョージ・タケイが、自身と家族の戦時中の実体験を語り継ぐべくミュージカル化した『Allegiance』。トライアウトを経て2015年に実現したブロードウェイ公演は、レア・サロンガ(『ミス・サイゴン』キム役オリジナルキャストで知られる)やタケイ本人らアジア系のスター俳優が多く出演し、クリエイティブ部門もほぼアジア系の才能が担ったことで大きな話題を呼んだ。本日3月12日(金)、その日本版『アリージャンス~忠誠~』が東京国際フォーラム ホールCにて開幕する。

物語の主な舞台は、第二次世界大戦下の米カリフォルニア。真珠湾攻撃によって、日系アメリカ人は敵性外国人扱いされるようになり、キムラ家の面々も強制収容所に移送されてしまう。“おじいちゃん”(上條恒彦)から日本文化を教わりながら、厳しい生活のなかでも希望を失わずに暮らす一家。そんな彼らにある日、アメリカへの“忠誠”を問う質問票が配られ、家族それぞれの考え方の違いが露呈する。父タツオ(渡辺徹)はNOを貫き、姉ケイ(濱田めぐみ)は収容所で出会ったフランキー・スズキ(中河内雅貴)と共に日系人の人権を求める運動に参加し、弟サミー(海宝直人)はアメリカに忠誠を示すため、恋仲になった米軍看護婦のハナ(小南満佑子)を家族に託して軍に志願するのだがーー。

日本人と肌の色が同じだというだけで、アメリカで生まれ育ち英語しか喋れない日系人でさえ、収容所送りになっていたという重い事実。それをアメリカで伝えるのと日本で伝えるのとでは、全く意味が変わってくるだろう。日本人が日本語で日系人を演じる難しさも含め、本作を日本で上演することはかなりチャレンジング。だが手がけるのは、『ビリー・エリオット』や『パレード』など、日本での上演は難しいとされてきたミュージカルをいくつも成功させてきたホリプロだ。2作のような、心に深く沈殿する日本版の誕生を期待したい。

文:町田麻子

ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』
劇作・脚本:マーク・アサイト / ジェイ・クオ / ロレンゾ・シオン
作詞・作曲:ジェイ・クオ
演出:スタフォード・アリマ
共同演出:豊田めぐみ
出演:濱田めぐみ / 海宝直人 / 中河内雅貴 / 小南満佑子 / 上條恒彦 / 今井朋彦 / 渡辺徹 / 照井裕隆 / 西野誠 / 松原剛志 / 俵和也 / 村井成仁 / 大音智海 / 常川藍里 / 河合篤子 / 彩橋みゆ / 小島亜莉沙 / 石井亜早実 / 高橋莉瑚

【東京公演】
2021年3月12日(金)~2021年3月28日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC

【愛知公演】
2021年4月17日(土) ~2021年4月18日(日)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール

【大阪公演】
2021年4月23日(金)~ 2021年4月25(日)
会場:梅田芸術劇場 メインホール

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