幼馴染みのマティアスとマキシムは、友達の妹が撮る映画に出演した際にした男同士のキスがきっかけで、隠していた自分の気持ちに気づき…。 『たかが世界の終わり』ではゲイの劇作家の孤独な内面を劇的に綴り、前作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』も自らの体験をもとに映画化するなど、最近自らの経験やセクシュアリティを前面に出している感があるドラン。キスから始まるという恋愛の王道が、男性同士の恋愛に当てはめられると、こんなにも初々しく、胸がドキドキするものになるのか、という驚き。誰もがかつて持っていたであろう青春の一頁がセクシュアル・マイノリティのカップルによって開けられる、今までにないときめきで胸がいっぱいになる傑作。