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大阪アジアン映画祭受賞、男子禁制の村を舞台に母娘の愛描く「クシナ」公開

ナタリー

20/4/26(日) 15:00

「クシナ」ポスタービジュアル

大阪アジアン映画祭2018でJAPAN CUTS Awardを受賞した「クシナ」が、7月24日より東京・UPLINK渋谷ほか全国で順次公開決定。特報とポスタービジュアルが到着した。

速水萌巴の長編監督デビュー作となる本作は、山奥に人知れず存在する男子禁制の村を舞台に母娘の愛を描く物語。村では村長である鬼熊(オニクマ)のみが山を下り、必要な物を買って来ることで、娘の鹿宮(カグウ)や鹿宮の娘・奇稲(クシナ)らを守っていた。しかし、その閉鎖的なコミュニティを人類学者の風野蒼子と後輩の原田恵太が探し当てる。

ヒロイン・奇稲を本作で映画デビューを果たした郁美カデールが演じ、母の鹿宮に廣田朋菜、人類学者の蒼子に稲本弥生、鬼熊に小野みゆきが扮した。YouTubeで公開された特報には蒼子が奇稲を観察する様子などを収録。蒼子の「小さな集団にはそこに根付いた強さや信仰があって、そのもとで暮らす人の中に美しいって思う瞬間がある」というセリフも収められた。

本作の物語が自身と母親とのものに近すぎるという理由で2年前に一度オファーを断ったという速水。彼女は「世界中の人々が真っ向から、そして多くの人が息を潜めコロナと戦っている今、劇場が閉鎖、新作の公開が延期と悲しい知らせが飛び込んできます。この映画の公開を決断した理由のひとつ、世界に飛び出したいと思っていた矢先でした」と述べ、「タイトルにもなっているクシナは未だ外の世界を知らない少女です。私たちが安心して外出できる頃には、きっとみなさんの心は改まった気持ちでいっぱいだと思います。ぜひ、その足で劇場にいらしてください。劇場で会える日が待ち遠しいです」とコメントした。

速水萌巴 コメント

私たちはいろんなカタチの愛情をもっていて、それぞれ進み方も違えばベクトルも違います。愛情表現の仕方が分からない人もいれば、愛情を受け入れることができない人もいて、それが愛情とすら気づけないこともあります。この映画では、それぞれにとっての真っ直ぐな愛を描きたいと思いました。

JAPAN CUTSには映画祭ファンがたくさん来て、「クシナ」の上映もほぼ満席、質疑応答も活発で刺激的でした。「私の母を見ているようだった」と人種も文化も異なる女性が物凄い血相で伝えてくれたのが印象に残っています。

わたしのはじめての映画づくりは勇気ある素晴らしいキャストとスタッフに囲まれて、人生の中で最も愛おしく、楽しい瞬間の連続でした。世界中の人々が真っ向から、そして多くの人が息を潜めコロナと戦っている今、劇場が閉鎖、新作の公開が延期と悲しい知らせが飛び込んできます。この映画の公開を決断した理由のひとつ、世界に飛び出したいと思っていた矢先でした。タイトルにもなっているクシナは未だ外の世界を知らない少女です。私たちが安心して外出できる頃には、きっとみなさんの心は改まった気持ちでいっぱいだと思います。ぜひ、その足で劇場にいらしてください。劇場で会える日が待ち遠しいです。

郁美カデール コメント

「クシナ」の撮影に参加した当時、私は9歳、小学4年生でした。ヘアメイクの林さんに誘われて
撮影に参加する事になったのですが、お芝居は全くの未経験でした。
当時の私は、映画の内容や役を全く理解していませんでした。スタッフや共演者の皆さんが遊んでくれたり、褒めてくれる事が嬉しくて、お菓子を貰う為に頑張っていた記憶があります。
あれから4年が経ち、私はクシナと同じ歳になりました。今の私とクシナを重ね合わせると、複雑な気持ちになります。進路や将来について考える歳になったからこそ色々な事を考えさせられます。
今思えばクシナは、9歳の私だったから演じる事が出来たのかもしれません。この映画を一人でも多くの人に観て頂き、一緒に多くの事を感じて貰えたら嬉しいです。

廣田朋菜 コメント

一見とても不可思議な映画だなと観た人たちはどんな印象を持つのだろうと思いました。とても光栄なことに大阪アジアン映画祭とJAPAN CUTSにて対面して感想が聞けたことはとても貴重な体験でした。土地が違えどもふたつの上映で共通していたのは速水監督が描いた美しく偏った設定にうずうずし興味津々でした。そして監督や私たちの思惑と意図を新たな見解で臆せずぶつけてくれました。ああ、そうかこの映画はある意味私たちの手を離れたのかと嬉しくもあり、戸惑ったのを今でも覚えています。さて、また新たな地点に着きました。是非囚われず自由にこの映画を観て下さい。

(c)ATELIER KUSHINA

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