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嵐とブルーノ・マーズ、国境を超えた夢のコラボはなぜ実現したのかーー寄り添うことで共鳴した、2組による配信番組を観て

リアルサウンド

20/12/22(火) 6:00

 嵐から一足早いクリスマスプレゼントが届いた。12月17日~20日に配信された『Behind the Scenes of “Whenever You Call”』だ。ブルーノ・マーズ×嵐のスペシャル対談に加え、国立競技場で収録された特別なパフォーマンス、さらにはスペシャルボーナストラックも披露され、貴重で贅沢な内容となった。今回は同配信で語られた、ブルーノ・マーズが嵐に楽曲を提供するまでの経緯や、嵐に対する思いなどについて振り返りたい。

ブルーノマーズ×嵐 – Behind the Scenes of “Whenever You Call” [OFFICIAL TRAILER]

「ブルーノ・マーズとか……」ーー松本潤の言葉が現実に

 番組冒頭、松本潤は「Whenever You Call」の制作について「嵐にとって素敵な時間になりましたね。モノを作っている時間を含めて」と告白。豪華な対談はブルーノの「What’s up ARASHI!」と賑やかな挨拶からスタート。番組は楽曲のレコーディングに至るまでのドキュメンタリーと、ブルーノと嵐による対談にて構成されていた。

ARASHI – Whenever You Call [Official Music Video]

 当初のミーティングでは楽曲制作にあたり「全世界の人が聴いて全ての人に伝わりやすい曲がいい」と話す松本の姿があった。スタッフから「誰を考えてる?」と聞かれると「ブルーノ・マーズとか……」と返す松本。この一言は、その後現実のものとなって動き出すことになる。

全編英語詞にこだわった理由

 ブルーノ・マーズの楽曲提供の話を聞いた時、「無理だろうと思った」と話すのは大野智。相葉雅紀も「信じられないという気持ち」と当時を振り返る。また今回の全編英語詞について、メンバーそれぞれが苦労したエピソードについても明かされ、クオリティの高い発音を意識し、テイクを重ねる櫻井翔のレコーディング風景の映像からもその難しさが伝わってくる。普段は器用に何でもこなす印象の二宮和也でさえも、英語詞をメロディに乗せる難しさを口にしていた。また、相葉は全て歌詞をカタカナに起こしレコーディングに臨んだそうで、「先生に“それはカタカナだ”と指摘されたけどそりゃカタカナだよ! 」と笑顔で明かすシーンは、緊張感だけでなく、制作する上での楽しさも感じながら音楽と向き合っていることを観て取ることができた。

 話題となった美しいコーラスワークに関して櫻井は「ここまで5人でコーラスを重ねたことは過去になかったし、大きなチャレンジだった。メンバーが5人いる嵐だからできることを(ブルーノが)届けてくれたんだな、と思いましたね」と、感慨深い表情で答える。大野は振付について「力を入れ過ぎず、大人の柔らかさの中にも強い部分があるように表現した」と、嵐としての見せ方にまで気を配っていたようだ。

ブルーノ・マーズ「嵐をプロデュース出来て光栄」

 「Whenever You Call」が完成し出来上がった経緯について、「どんなことをイメージして曲を作ったの?」と松本がブルーノに質問すると「もし俺たちが嵐の活動休止を知ってライブを観に行ったら、こんな曲を聞きたいなと思うものを作った」と、正直な心境を語る。いつのどの時代に聴いても響く普遍的な曲、世の中がこういう時代だからこそ、曲を聴いて少しでも心が明るくなり、一筋の光が射すような曲を、という嵐からのリクエストに応えたブルーノ。そんな要望を伝えてはいたが、実際彼から届いたのは意外にもミディアムバラードであった。

 ある程度要望もしていたのに、なぜブルーノは嵐にミディアムバラードを書き下ろしたのか。番組内ではこの理由について「嵐の動画を見て、楽曲にはアップテンポなものがたくさんあったけど、今回は違う楽曲を贈りたいと思った」とブルーノは答えている。あくまで嵐自身でも熱狂的なファンでもない、いちクリエイターとしての判断のもと湧き上がってきた楽曲がミディアムバラードであったのだ。真のコラボレーションとは、単に互いの要望を叶えるだけではないことを、このやり取りから感じた。

 「Whenever You Call」の制作は、プロデューサーとしても共同参加したD’Mileがコードを弾き始め、ドラムを重ね、ブルーノがギターを弾いて行なわれたという。ブルーノは仕上がりについて「嵐の声でこの曲が戻ってきたときはもっと感動した」と告白し、D’Mileは「嵐のみんなは上手くハーモニーを重ねていて相乗効果が出ていた」と双方が絶賛。嵐5人のこだわりと、そんな嵐のために書かれたブルーノの楽曲は、まさにこの瞬間「嵐の曲」として完成したのだ。

ARASHI – Whenever You Call [Dance version]

 対談の最後、ブルーノは「嵐の歌声はとても良かった。プロデュースできて光栄だよ」と5人に向けて最高の賛辞を贈る。世界最高峰のアーティストにかけられた最高の言葉を前に、5人も終始舞い上がっていたように見えた。

美しいコーラスで届けられる歌詞「Promise」に込められた想いとは

 「Whenever You Call」というタイトルには「君が必要な時には、いつでも駆けつけるよ」という意味合いが込められている。1番のAメロで「たとえ遠く離れていたとしても、僕は君を闇から連れ出す光であり続ける」、Bメロには「時間も場所も関係ない僕たちを邪魔するものは何もない」と語られ、強い繋がりや絆を感じることができる楽曲だ。続くサビでは「君が必要な時には、いつでも駆けつけるよ。君への愛は変わらないんだ」と嵐とファンの関係性を象徴するかのようなメッセージが込められている。歌詞にある「Promise=約束」という言葉からも、ファンが求める時には必ず僕らはそばにいるよ、という嵐との“約束”を受け取ることができるのだ。

 サブスクやデジタル配信も開始し、活動休止後もファンはいつでも嵐の音楽やパフォーマンスに触れることができる。これからも、辛い時や悲しい思いをした時、嬉しい時、どんな時も嵐が楽曲やパフォーマンスを通じてファンに寄り添っていてくれるはずだ。ファンが嵐を想う時、きっと嵐もあなたの側にいてくれるはずだ。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。

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