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コロナ禍に揺れる時代におくる「自称病人」のドタバタコメディ SPAC『病は気から』

ぴあ

21/1/15(金) 11:00

『病は気から』

静岡県を拠点に活動を重ねる「SPAC」が、フランスの有名喜劇『病は気から』を上演する。一般公演は1月23日(土)と24日(日)。

静岡県の文化施策の一環として、1995年に発足した「SPAC」。国内外における数々の不朽の名作に、現代ならではの息吹を吹き込んだ舞台作品を、意欲的に上演し続けてきた。今回上演されるのは、17世紀にフランスで活躍した劇作家・モリエールの最後の戯曲『病は気から』だ。SPACの人気演目となっており、今回が3演目となる。

主人公のアルガンは大金持ち。自分のことを重病人だと思い込んでおり、娘の婿として医者を迎えようと画策する。すでに恋人がいる娘のアンジェリックと、その恋人のクレアント、結婚に向けた挨拶にやってきた医者のトーマら、個性的な登場人物が入り乱れて、あれやこれやのドタバタ劇を展開する。

演出を手掛けるのは、劇団「はえぎわ」を率いるノゾエ征爾。2016年にはさいたまスーパーアリーナで、高齢者1600人が出演した「1万人のゴールド・シアター」の脚本・演出を手掛けた他、最近では新国立劇場『ピーター&ザ・スターキャッチャー』の演出で好評を博すなど、目覚ましい活躍ぶりを見せている。

「SPAC史上、最も笑いに執着した作品」と銘打って、フランス喜劇をノゾエ流にポップに味付け。ありとあらゆる古典劇で鍛え抜かれたSPACの俳優陣が、「病」を気に病む主人公の物語を、世界中が「病」に疑心暗鬼なコロナ禍に届ける。感染予防策が徹底された劇場で、演劇人たちの矜持を浴びよう。静岡市民文化会館 中ホールにて。



文:小川志津子

SPAC公演『病は気から』
潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール (「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
出演:
阿部一徳、石井萠水、大高浩一、加藤幸夫
榊原有美、富川一人、本多麻紀、牧山祐大

2021年1月23日(土)・24日(日)
会場:静岡市民文化会館 中ホール

※記事初出時、出演者名が誤っておりました。訂正してお詫び申し上げます。

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