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『東京独身男子』高橋一生の“こじらせ男子”ぶりが露わに 早乙女太一との対比から見えてきたもの

リアルサウンド

19/4/21(日) 12:00

 高橋一生、斎藤工、滝藤賢一の3人がアラフォーの“AK男子=あえて結婚しない男子“を演じる『東京独身男子』(テレビ朝日系)の第2話が4月20日に放送された。

 メガバンクの企業リサーチ部門に所属する石橋太郎(高橋一生)が、物語後半にアジェンダとして掲げる「相手が何考えているかわからない時=お前に気がないだけ」。これは誰しもに実感を伴った経験があるであろう残酷な真実だ。

 舞衣(高橋メアリージュン)の一挙手一投足に自身の脳内コンピュターをフル回転させていた太郎が、この真理にどのようにして辿り着いたのか。

 3年前に別れた元カノ舞衣とカフェで会う約束をして思いを伝えるも、舞衣の元婚約者で彼氏の糸井(早乙女太一)に乗り込まれてしまい、はっきりとした返事は聞けずじまい。糸井がラーメン店の店主だと知った太郎はお得意の解析能力で、自分の方が圧倒的にスペック面で舞衣にふさわしいと密かに心の中で祝杯をあげる。第1話から見てきた通り、太郎は職業柄頭脳明晰、抜群の分析力を持つ。あらゆる事象に対して「傾向と対策」を練り、「リスク管理」も怠らない。

 そんな中、突然舞衣から温泉に誘われ浮き足立つ太郎。急展開に戸惑いながらも「舞衣の何考えてるかわからない、ミステリアスなところが好きだ」とこぼす。二つ返事で「行く」と返すも、それは舞衣が仕事で携わっている旅館の営業だったことがわかる。

 舞衣から「太郎ちゃん、何人で来る?」と聞かれた時に、真意を汲み取った太郎だが、そこでのガッカリを素直に舞衣には伝えられない。

 仕方なく太郎は、三好(斎藤工)と岩倉(滝藤賢一)のAK男子3名で温泉旅行を決行。三好の計らいで、自身が院長を務める審美歯科の受付の女子と妹のかずな(仲里依紗)も合流した団体旅行に。

 するとなんとそこには打ち合わせ中の舞衣の姿が。これはチャンスの女神が自分に微笑んでいるのでは? とソワソワし始めた太郎だったが、その淡い期待はすぐに打ち砕かれる。「近くに来たから立ち寄った」と糸井が現れるのだ。

 糸井が人気ラーメン店をグローバル展開する起業家だと知りいじける太郎。三好や岩倉の輪からも外れて、彼が自身の店舗戦略について話すのを遠巻きに見ているだけだ。得意と自負する卓球でもことごとく負け、1人射的場にいると、糸井がやって来る。

 「さっきは悪かった」と謝りながら、「舞衣が初めて将来を考えた人だって言うからムキになって、嫉妬して」とどこまでも素直で実直な糸井。婚姻届の提出を直前でやめたのは、様子が変な舞衣の様子を気にした糸井の計らいだったことが知らされる。

 糸井は「舞衣はわかりやすいから。今何考えてるか、元気があるかないかがすぐわかる」と言い、最後には「なんつっても舞衣の幸せが一番だから」とも。舞衣が太郎を選ぶなら自分は身を引くと潔く言い残し、その場を後にする。

 舞衣の言動を「何を考えているかわからない」と自分の都合の良いようにばかり解釈していた太郎と、「舞衣はわかりやすいから」と言い切る糸井。目に見えている断片的な事象をかき集め「自分が傷つかなくても良いように」と勝率ばかり計算していた太郎と、「舞衣の幸せが一番だから」と身を引く覚悟も辞さない糸井。太郎、圧倒的敗北の瞬間である。

 そして気付くのだ。これまで事あるごとに、太郎が決定的な行動に移ろうとする寸前で糸井が出現し、それを阻止してきたかのように見えていた。だが、糸井は自分の気持ちに忠実で体裁も大義名分も関係なく、まず思いを行動にきちんと移してきていた。

 それに対して太郎のように「タイミングが悪い」「今、良いとこだったのに……」などと言って外部要因のせいにしているばかりでは、本当に欲しいものは手に入れられないのだ。

 ただ、一つ救いだったのは、たまたま同じタイミングで温泉に入っていた太郎と舞衣が、壁一つ隔てて話すシーンでのことだ。舞衣から「彼についてどう思う?」と聞かれた太郎が、打算なしにこれまでで最も本心で話せていた。そこには太郎自身の「舞衣の幸せを一番に願う気持ち」が純粋に滲み出ていた。

 太郎の恋が一旦収束に向かいつつある中で、かずなからのアプローチが始まったり、岩倉が気になる部下が三好にとっての狙っている女性・透子(桜井ユキ)と同一人物であることが発覚したりと、3人の恋模様の全貌が見え始めた第2話。今回のアジェンダの発案者である岩倉が、この事実を自身の恋にも上手く転用できるのかも今後の見どころとなりそうだ。(文=Yoshika Umeda)

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