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LUNA SEA J×西川貴教、KID×lynch. 葉月、Migimimi sleep tight…コラボが生む新たな魅力

リアルサウンド

19/9/25(水) 7:00

 9月15日放送の第3話で、ついに解禁された『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)の主題歌「REAL×EYEZ」。この曲を歌うのは、西川貴教とLUNA SEAのベーシスト・Jである。

(関連:西川貴教は情熱を背負って音楽で挑戦し続けるーー『SONGS』で語った自身の原点と今後の夢

 バンドを始めて間もないころからの旧知の仲である西川貴教とJは、歳も同じで、いわば“戦友”のような間柄だ。その2人によるコラボレーションがようやく実現した。令和ライダー1作目となる『ゼロワン』は、人工知能が物語のキーであるが、本曲は、生楽器による骨太なロックだ。ドライブ感のあるサウンドにのる両者の歌声は、まるで、ロックに目覚めたばかりのキッズのような高揚感と、キャリアを重ねた今もなお、進化を止めずに闘い続けている同志だからこそ生まれる、張り詰めた緊張感がある。

 ここ最近、このような盟友同士だけでなく、少し離れたシーンで活動するミュージシャンたちの共演など、意外なコラボレーションが目にとまる。

■潜んでいた一面を引き出した、彼女 IN THE DISPLAY featuring 葉月(lynch.)
 彼女 IN THE DISPLAY(以下、KID)は、ラウド、メタル、エレクトロなどの音楽要素だけでなく、アニメ、漫画、ファッションなど、自分たちを育てたあらゆるカルチャーを楽曲に取り込んできた福岡のバンドだ。そのKIDが、2019年9月をもって解散する。先頃リリースされたラストEP『WILD ONES NEVER DIE』には、V系バンド、lynch.の葉月(Vo)がゲストとして参加しており、しかも、葉月のTwitterによれば、歌のみでなく、作詞を含む曲作りにも関わったそうだ。

 「FAST feat.HAZUKI lynch.」と題されたその曲は、一聴すると、高速ツービートにシャウトが炸裂する、曲名通り、激しく駆け抜けていく1曲。しかし途中、葉月が歌い上げるメロディアスなパートになると、ガラリと空気が変わる。歌詞の内容こそ、解散していくバンドを送り出すニュアンスが感じとれるが、葉月特有の流れるような歌唱と、その後に続くRYOSUKE(Vo)の、ファルセットを駆使した歌声は、どことなくバンドが持つ揺らぎや不安定さを醸し出しているようでもある。そしてそれは、強さも弱さも正直に吐き出し、脆さを受け入れ、それでも固い意志で、周りをも奮い立たせる曲を歌ってきた、これまでのKIDのイメージとは少し異なるものであった。だが、そういう不安定さも持っているのが、バンドというものであることも、この曲からは感じさせられる。葉月の参加により、いつも“無敵感”に溢れていたKIDの、これまで表に出なかった一面を見ることができた。

■独自の感性がより浮き彫りになったMigimimi sleep tight
 一方、コラボレーションにより、元来持っていた魅力が増すこともある。Migimimi sleep tightは、V系シーンのど真ん中で活動していた元メガマソの涼平(Vo/Gt/Pf)と、the telephonesの松本誠治(Vo/Dr/Per)という意外な組み合わせの2人を中心に、NEXTRADEの宮川依恋(Vo)、元FUNKISTのJOTARO(B)の4人で結成されたバンドだ(JOTAROは2018年に脱退)。

 このバンドには、結成当初から“君の人生で一番泣けて、一番踊れるバンド”というテーマがある。7月にリリースされた、全曲気鋭アーティストらとのコラボレーションによるミニアルバム『CONTINUE TO LOVE』は、主にサウンド面で、そのテーマに挑戦した作品と言えよう。

 例えば、表題曲では、鍵盤のトロピカルな音色と、ゲストボーカルのおのしのぶ(Her Ghost Friend)のウィスパーボイスが甘さを、マイナー調の旋律が胸に迫る切なさを表現している。V系バンド・マルコのギタリスト、akiraをフィーチャーした「GUITAR GARDEN」は、エレクトロミュージックと、歪んだギターが掛け合わさり、そのピーキーなサウンドにのる宮川依恋の歌声は、泣き出しそうな情感がこもっている。このバランス感覚が絶妙だ。コラボレーションによって、もともとバンドの強みであった、異なるジャンルのものをうまく共存させる感性が、より研ぎ澄まされているように思う。

 共作やコラボレーションにより、思わぬ一面を垣間見ることができたり、もともと持っている魅力が浮き彫りになったりと、他のミュージシャンとの関わりによって生まれる化学反応は、リスナーの予想はもちろんのこと、当人たちの想像をも超えることがある。これも、音楽がみせてくれる魔法のひとつなのかもしれない。(小川あかね)

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