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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」に西日暮里・森田畳店の畳112枚が使用された経緯とは

ナタリー

「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」。ラミ・マレック演じるサフィンの背後に見えるのが森田畳店の畳。

10月1日に封切られた「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」に、東京・西日暮里にある森田畳店の畳112枚が使用されている──そんな情報を聞き付けて、森田畳店の森田隆志氏に取材を実施した。

すでに映画を観た人はピンと来たかもしれないが、同店の畳が使われているのは、ある重要なシーン。森田畳店が選ばれた経緯とは?

取材・文 / 小澤康平

メールにあった「007」、ずっと「なんの番号だろう?」と

──本日、以下のツイートがすごい勢いで拡散されました。ご存知でしたか?

いえ、知らなかったです。すごい……。

──今も拡散され続けています。まずは、112枚の畳が使用されることになった経緯を教えていただけますか?

「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の美術担当の方から、畳と、障子などの建具を使いたいとメールが来ました。畳はうちで用意できるんですけど、障子を日本で作ると高額になってしまうので、20年くらい取引しているイギリスの業者さんに連絡しました。その業者さんは比較的安く障子を作ることができるので、そこを通してやり取りしましょうという話になって。畳は、その業者さんを経由して「007」の製作スタジオに送りました。

──なぜ森田畳店の畳が選ばれたんでしょうか?

うちは1999年から畳を輸出しています。2017年公開の「ゴースト・イン・ザ・シェル」では、冒頭の会食シーンでうちから送った畳のへりが使われていて、確か500畳分くらい送ったと思います。採用はされなかったんですが、過去には「ラスト サムライ」の美術担当者が店に来て話をしたこともあって。

──過去にも映画関係のお話が来ていたんですね。

はい。2018年のH&Mのコレクションでも当店の畳が300枚使われているんですが、それを公式サイトに載せたあとに「007」の方からメールがあった気がします。英語版のサイトがあるので、輸出実績なども見て依頼してくださったのかなと。監督のキャリー・ジョージ・フクナガさんは日系の方なので、もしかしたらそれも関係しているのかなと想像しました。

──メールを読んでどう思いましたか?

「007」と書いてあるのは確認したんですが、ずっと「なんの番号だろう?」と思っていました。でもあるとき、「あれ、これジェームズ・ボンドか!」と気付いて。映画のお話をいただくのは初めてではなかったですが、さすがにそのときは驚きました(笑)。

──まさかボンドとは思わないですよね。

はい(笑)。送り先のスタジオなどを確認して、これは本物だなと。

しばらく会っていない「007」仲間に連絡します

──「007」はお好きですか?

好きです。ショーン・コネリー版とロジャー・ムーア版はたくさん観ていて、それ以降もちょこちょこ観ています。

──そんな映画と畳を通してつながるとは、すごい縁ですね。

そうですね。中学生のとき、「007」が公開すると一緒に観に行っていた友達がいて。しばらく会っていないんですが、久しぶりに連絡したいと思います。

──「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」はもう観ましたか?

仕事があって、まだ観ていないんです。

──畳、すごく重要なシーンに使われていました。

本当ですか! 必ず観に行きます。取引先の会社の方は、公開延期前の去年から前売り券を握りしめていましたね。映画に出てくる畳には、熊本県産の天然い草が使用されていて、昔から日本で使われてきた畳と同じです。注目して観てくださったらありがたいです。

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