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kolme MIMORI、“憧れのボカロP”DECO*27に初対面! 楽曲制作の裏側や音楽観を語り合う

リアルサウンド

19/7/31(水) 12:00

 kolmeのメンバーがアーティスト/クリエイターと楽曲制作やパフォーマンスについて語り合う対談連載。第3回目はkolmeのソングライティングを担当しているMIMORIをフィーチャー、5月に最新アルバム『アンドロイドガール』をリリースしたDECO*27を迎えての対談をお届けする。

 DTMを始めるきっかけとなり、様々な影響を受けてきたという憧れのアーティストを前に緊張しまくるMIMORIだったが、お互いの音楽観から恋バナまで多岐にわたる話題で現場は大きく盛り上がり、ラストには未来に向けた期待高まる約束も……! シンパシーを感じ合う2人のクロストークを堪能して欲しい。(もりひでゆき)

DECO*27さんの「エゴママ」に衝撃を受けた(MIMORI)

――MIMORIさんはDECO*27さんから影響を受けてDTMを始めたそうです。

DECO*27:ホントですか!?(笑)

MIMORI:ホントなんです(笑)! 中学3年生くらいの頃にボカロの曲をいろいろ聴いていた中でDECO*27さんの「エゴママ」に出会い、その曲調や歌詞、MVの雰囲気に「はーこれはヤバい!」って衝撃を受けたんですよ。そこから自分でも曲を作りたいって思うようになって。そういう意味でほんとに影響を受けているので、今日はめっちゃ緊張してます。基本、引きこもりのコミュ障なので(笑)。

DECO*27:あははは。うれしいですね。そういうきっかけになれたっていうのは。ただ、今回kolmeの曲を聴いてきたんですけど、どこに僕がいるんだろうっていう疑問が(笑)。

DECO*27 – エゴママ feat. marina

MIMORI:ホントに影響は受けてるんです。DTMを始めたきっかけっていうところと、あとは歌詞! DECO*27さんの歌詞って韻の踏み方がめちゃくちゃ素晴らしいし、普通じゃない単語の組み合わせをするじゃないですか。自分で作詞するときに迷ったらDECO*27さんの歌詞を見て刺激をもらうことも多くて。いつもどんなふうに作詞されてるんですか?

DECO*27:僕は曲先だからメロディの乗ったトラックを流しながら、母音だけで鼻歌を歌ってみるんです。そうするとメロディごとにハメたい母音が見えてくるから、それに合わせて歌詞を書いていく感じですね。単語の組み合わせに関しては、普段使いする言葉ではあるけど日常会話では組み合わせないっていうところをイメージして。僕はあんまり直接的で具体的な表現をしないことが多いので、そういう手法がちょうどいいというか。

MIMORI:耳心地はいいんだけど、「これってどういう意味なんだろう?」ってめっちゃ考えさせられます。いつも曲ごとに自分なりの歌詞の解釈を立てながら聴いてます。それがすごく楽しくて。

DECO*27:ガチな聴き方じゃないっすか(笑)。MIMORIさんは歌詞書くときどうしてます?

MIMORI:私の場合はアレンジまで出来上がったトラックに歌詞をつけていくんですけど、まず最初に曲から浮かんだイメージをイラストにするんですよ。ひとつの物語として。で、今度はそのイラストから見えてきた言葉を歌詞としてメロディにハメていく感じですね。言葉選びに関しては、私も一回聴いただけでは解釈できないようなものにするのがけっこう好きで。そこもDECO*27さんをはじめとするボカロ曲からの影響のような気がします。ただ、その歌詞を歌うのは基本、他のメンバー2人なので、解釈を共有するのがけっこう大変で。毎回、「ここどういう意味?」って聞かれるから、その度にLINEで説明したりしてます。

DECO*27:ちゃんと説明するんですね。

MIMORI:はい。めっちゃ長文になるから怒られますけど。「これどこまでスクロールすればいいの?」みたいな(笑)。DECO*27さんのように、響きにこだわりつつ、サウンドとしっかり一体化してる歌詞を書けるようになるのが今の目標ですね。

歌詞は見るものじゃなく聴くもの(DECO*27)

DECO*27:僕の場合、歌詞は見るものじゃなく聴くものだと思ってるんですよ。だからこそ曲に合った言葉じゃないといけないなって。メロディと歌詞がセットで、ひとつのフレーズとして聴き手の頭に残って欲しいという気持ちが強いから、そういう感想を言ってもらえるのはめっちゃうれしいです。

――では、DECO*27さんはkolmeの楽曲にどんな印象を受けました?

DECO*27:さっきも言いましたけど、僕の影響がどこにあるのかなっていうのをまず感じたんですよ。それについては今、ご本人に答え合わせしていただいたので全然大丈夫なんですけど、個人的にはむしろそこが見えなかったことにめちゃくちゃ喜びを感じたというか。

――影響を受けつつも、それがわかりやすい形としてそのまま楽曲に反映されていないことがうれしかったと。

DECO*27:そうそう。僕のことが好きで音楽を始めた人の場合、楽曲にそれが出ていることがほとんどなんですよね。それはそれでめちゃくちゃうれしい。ただ、だからこそ音楽の表現がそこまで重なり合っていないことをやっているkolmeのような存在がすごく新鮮でもあって。これからそういうスタンスの人たちがたくさん出てきてくれたらいいなって、ちょっと楽しみな気持ちも芽生えたんですよね。

kolme / The liar

 その上で楽曲に関して言うと、最新アルバム(今年1月リリースの3rdアルバム『Hello kolme』)の1曲目「The liar」と3曲目「Hello No Buddy」がめちゃくちゃ好きで。普段はあまり聴かないタイプの音楽性ではあるけど、サウンドも歌詞もスーッと耳に入ってきた。それはメロディと歌詞が違和感なくきれいにハマってるからだと思うんですよね。自宅でお酒を飲みながら聴いてたら心地良すぎてそのまま寝ちゃいましたから(笑)。

MIMORI:ありがとうございます! その2曲はどっちも私が作詞・作曲したものなんですよ。おっしゃっていただいたように、歌詞は音の一部になるように何度も何度も直して、こだわって書いたものだったのでほんとにうれしいです。頑張って良かった(笑)。kolmeの場合、歌詞や曲を他のメンバーに聴かせたときに、ボツを食らってしまうことも多くって。「これはやりたくない!」みたいな(笑)。だから曲作りはなかなか難しいんですよ。

DECO*27:それはツライ! ヘコむなー(笑)。

MIMORI:ただ、そうやって正直に意見を言い合えるからこそ、kolmeとしての軸をブラさずにいられるところもあって。「そこまで行き過ぎると私たちらしくないよね」とか「そういう曲はもうやったことがあるから違うとこを狙っていこう」とか、他の2人はいろんなアイデアをくれるんです。「こういう音使いはどう?」「このメロディめっちゃいいから聴いてみて」とか言って参考曲のURLが送られてきたりもするし。そこは3人でやっててよかったなって思いますね。

――kolmeは3人一緒に住んでるから、いろいろなアイデアを共有しやすいんでしょうね。

DECO*27:え! 一緒に住んでるの!? イヤになることはないですか?

MIMORI:全然大丈夫です(笑)。もう10年くらい一緒に活動してるから家族みたいな関係なんですよ。1人ずつ部屋があるから、基本的には干渉し合うこともないですし。楽しいですよ、シェアハウスは(笑)。

救いようがないほどの暗い曲は全部お蔵入り(MIMORI)

――DECO*27さんは1人での制作で煮詰まってしまうことはないですか?

DECO*27:メロと歌詞を書いている段階で迷うことはもちろんありますよ。自分ではいい曲だなと思っていても、客観的に聴いてみて一発で覚えられるポイントがなければ、それはすぐにボツにして新しい曲を作ったりとか。僕の曲はニコニコ動画などでカバーしてもらうことが多いので、まずはパッと聴いて瞬間的に覚えてもらえるように心がけていて。なので、そこはいろいろ迷いながら気を使って作るようにはしています。とは言え、逆に言うとそこだけをしっかり意識していれば、あとはもう自分の表現したいことをやればいいだけなんで。それは1人でやってるからこそでしょうね。

MIMORI:キャッチーさみたいな部分はやっぱり大事ですよね。私は根暗だから、つい暗い曲ばっかりになっちゃうんですよ。そこはメンバーやアレンジャーさんによく指摘されますね。「暗すぎるから全然ダメ」って(笑)。

DECO*27:そういうタイプの曲も聴いてみたいですけどね。

MIMORI:いや、もう救いようがないほど暗いんで。全部お蔵入りです(笑)。DECO*27さんは曲作りのためのインプットって何かしてますか?

DECO*27:僕は普段、あんまり音楽は聴かないんですよ。だから漫画とかドラマからインスパイアされたりしますね。例えばドラマには決めフレーズが出てきたりするけど、あれって僕からするとメロディなんですよ。感情を乗せて放った言葉だから、普通の会話とはイントネーションが違ってくるじゃないですか。「愛してる」って言葉にしても、誰が言うか、男か女か、みたいなことで違った聞こえ方、違ったメロディになるっていう。あと、こうやって人と話しているときに曲作りのヒントをもらうことも多いですね。会話の中での印象的な言葉がずっと頭の中に残っていて、それが結果的にメロディや歌詞になったりとか。

MIMORI:えー! 言葉が音になるんですね。すごい! 実体験が曲になったりってこともありますか?

DECO*27:昔は実体験で書いたりしてましたね。恋愛の曲とか(笑)。でも、実体験を元にして書いてばかりいると、だいたい内容が似た感じになっちゃうんですよ。だから世界を広げるという意味でフィクションとしての歌詞も書けるようにならなくちゃなって思うようになって。っていうか実体験って恥ずかしいんですよ(笑)。さすがに年齢を重ねると。「いやいや、これは自分の作家性で出すべきではないな」って、一歩踏みとどまるようになる(笑)。逆に実体験で歌詞を書いたりってことはどうなんですか?

MIMORI:私は歌詞にできるような実体験がないんですよ。ちょっと言うのが恥ずかしいんですけど恋愛が経験ないんです、生まれてから23年間。

DECO*27:はい?

MIMORI:「好きってどういうことなんだろう?」ってところからもうわかんないんですよね。“憧れの好き”と“恋愛の好き”の違いもわからないし。で、そういう部分の実体験として初めて書いたのが「Hello No Buddy」だったんですよね。「恋人がいない」「恋愛がわからない」ということを歌詞にしたんです。

callme / Hello No Buddy -Lyric Video-

DECO*27、MIMORIに恋愛感情を教える?

――じゃ、ラブソングを書くときは必然的にフィクションになるわけですね。

MIMORI:そうですね。インプットは漫画とかゲーム。あとは友達の恋愛話を聞いて、「お、これは使えそうだな」と思ってメモしたりとか。相談にのってるふりして、根掘り葉掘り聞いてネタにするっていう(笑)。ほんとに歌詞にする場合はちゃんと後で報告しますけどね。

DECO*27:恋愛経験がないって部分を根掘り葉掘り聞きたいですけどね、僕は今(笑)。「好きという感情がわからない」という人の気持ちを僕は逆にわからないから、単純に興味があるというか。それを知れたら、僕のフィルターを通してそういう曲が書けそうな気もするし。

MIMORI:中学時代は共学だったんですけど、かなりの中二病を患っていまして。オンリーワンな自分だけが素晴らしいみたいな感じで、全世界の人たちはみんな敵だと思ってたんです。そんなんだったから「あいつはヤバい」みたいな感じで周りから人がいなくなっていって。かなりの黒歴史なんですけど(笑)。

DECO*27:黒歴史が記事になっちゃいますけど(笑)。

MIMORI:あ、でもちょこちょこ話してるから大丈夫です。悲しすぎるから、むしろネタにしていこうみたいな感じなので(笑)。で、まぁ今もその中二病をこじらせているところがあるので、引き続き恋愛感情がまったく分からないという。DECO*27さんの恋愛曲を聴いてキュンキュンしたりすることはもちろんあるんですけど、実体験はゼロなんです。

――ここは人生の先輩として、恋愛感情がどんなものなのかをDECO*27さんからバシッと教えてあげてください。

MIMORI:あ、聞きたいです、ぜひ!

DECO*27:僕の最初のアルバムに入っている曲で書いたんですけど、“恋はするもの/愛はされるもの”(「好きよ好きよも好きのうち」)ってことなんじゃないですかね。愛のほうが余計なものが乗っかってない感じがするというか。

MIMORI:……………。

好きよ好きよも好きのうち

――MIMORIさん、ポカーンとしてますけど(笑)。

DECO*27:恋は不安になるけど、愛は不安にならなかったりするっていうね。

MIMORI:そうなんですか? 愛っていうと結婚とかですよね。

DECO*27:まぁそれも形のひとつ。あと家族愛とか。家族の愛を感じてる瞬間は不安にならないでしょ? でもそれが恋だと不安になる。

MIMORI:不安なんですか? 恋してるときって。

DECO*27:そこからかー(笑)。いやちょっともうやめましょう。僕の底の浅さしか出ない感じになっちゃうんで(笑)。いつかお酒を飲みながら話しましょうか。

MIMORI:はい。でもちょっと勉強になりました。ありがとうございました(笑)。

DECO*27さんのギターを生かした曲を作りたい(MIMORI)

――ここまでの対談でMIMORIさんへの印象はどうですか?

DECO*27:え、このタイミングでそれ聞きますか(笑)。なんかもう試されてる感がすごいんですけど。あははは。いやでも、お会いする前にMVとかホームページの写真を見ていた感じからすると、クールな人なのかなと思ってたんですよ。でも実際は親しみがあって素敵だなと思いました。

MIMORI:うれしいです! クールな人って初めて言われました(笑)。外出るときはメイクと身だしなみをちゃんとしてるからそう見えるのかもしれないですね。家で曲作りしてるときはもう髪の毛全上げでジャージですから。

DECO*27:素晴らしい! 家ではみんなそんなもんですよ。

MIMORI:家に引きこもってるときはポテチとコーラだけで生きてる感じですし。

DECO*27:そんなうまるちゃん(アニメ『干物妹!うまるちゃん』の主人公)みたいな(笑)。

MIMORI:まんまそうですよ。うまるちゃんがほんとの妹に思えるくらい通ずるものがあります。でも、そんな不健康な状態が続いてると、メンバーが心配して手料理を作ってくれたりするんですよ。豚汁とお魚と炊き込みご飯を作ってくれたりして。「ありがてー!」と思いながら食べてます(笑)。でも1人になるとまたポテチとコーラです。

――じゃ、せっかくなのでMIMORIさんから何か質問があれば。

MIMORI:DECO*27さんの曲はイラストを使ったMVも作品の一部になってるじゃないですか。あのイラストに関しては、何かオーダーをしたりしているんですか? 例えば曲の世界観を事前に伝えた上で描いてもらったりとか。

DECO*27:聞かれれば答えはするけど、基本的に僕からは何も言わないですね。それがもし僕の中のイメージと違うことがあったとしても、「あ、こういう受け取り方もあるんだね」っていう感覚が楽しいというか。すべての解釈が正解だと思うし。僕自身が自由に曲を作ってるんだから、動画も自由に作ってよっていう感じですね。MIMORIさんが言ってましたけど、メンバーに長文の説明を送って曲のイメージを共有するって話がけっこう衝撃だったんですよね。僕がそういうことをしないからってだけの理由ですけど。

MIMORI:kolmeはリリースのときに曲に込めた意味とかをライナーノーツとして出しますね。でも、曲の受け止め方、とらえ方は私たちも自由でいいなとは思っていて。セルフライナーで書いた部分以外に関しては、聴いてくれるあなたにまかせますスタイルではあります。kolmeの曲をリミックスしてくださっている方もけっこういらっしゃるので、そういう二次創作に関しても楽しんで見ています。今度は遊びにくい曲を作ってやろうって燃えてくることもありますしね(笑)。

DECO*27:あははは。僕もそうですけど、二次創作の作品から刺激をもらえることもあります。MIMORIさんのように「もっと難しい曲を作ってやろう」っていうのも含めて、どうしたらもっと喜んでくれるかなっていうことを考えるきっかけにもなる。

――今回の対談をきっかけに、DECO*27さんとkolmeのコラボが実現したらおもしろそうですよね。

DECO*27:もうやるしかないですよね。

MIMORI:え!! いいんですか? 私の夢はDECO*27さんと共作することだったので、やりたいです、ぜひ!

DECO*27:それがお互いにとってうれしい到達点だと思うので。例えば僕がメロデイを書いて他の人が歌詞を書くとか、その逆も今までに経験はあるんですよ。だからkolmeとは全部セットで一緒に作っていったりできるとおもしろそうだなって思うんですよね。僕はギターですけど、MIMORIさんは鍵盤ですよね?

MIMORI:はい。

DECO*27:そういう違いも一緒にやることでいい味になるんじゃないかなって。僕は鍵盤を弾ける人に憧れがあるんで、そこら辺の要素をもらえたらいいかなって。とりあえずは23年間こじらせてきた中二病の話をじっくり聞いた上で、どんな曲にするか考えましょうか(笑)。

MIMORI:ほんとにもうこじらせすぎて空想が絡まっているので、いろんな話が出てくると思いますよ(笑)。kolmeはロック調の曲がほとんどないので、DECO*27さんのギターを生かした盛り上がる曲が作ってみたいです。ぜひよろしくお願いします!

(取材・文=もりひでゆき/写真=堀内彩香)

■リリース情報
配信限定シングル「Up all night」
配信中

■出演情報
音楽専門インターネットラジオ局「BackStage Café」
番組名:GIRLS A GOGO
放送時間:毎週木曜日 18時00分~19時00分
公式サイト

■kolme関連リンク
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■リリース情報
6thアルバム『アンドロイドガール』
発売中
初回限定盤(CD2枚組)¥3,000+税
通常盤(CDのみ)¥2,500+税

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