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『おちょやん』天海天海、33歳の若さで他界 序盤から急展開に

リアルサウンド

20/12/9(水) 13:15

 使いで訪れた芝居小屋で高城百合子(井川遥)との運命の出会いを果たした千代(毎田暖乃)。連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)の第8話では、千代が一平(中須翔真)の助けを借りて台本を食い入るように読むのであった。

 天海天海(茂山宗彦)一座の息子・一平は仮病を使い芝居を休んでいた。「芝居の時以外は、ずーっと酒を飲んで、後は、女、女、女!」と父親のことを嘆く一平の言葉から、千代は天海にテルヲ(トータス松本)の姿を重ねる。一平に親近感を覚えた千代は「うちら、親友やな」とうれしそう。かつて担任の先生に「うちは普通の子みたいにはなられへん」と話した千代だが、9歳にして学校に通わず働く一平もまた特殊な境遇の子供と言えるだろう。

 だが2人の楽しい時間も束の間、みつえ(岸田結光)が割って入り、一平と仲良く本を読み出す。字が読めない千代は輪からはみ出してしまう。「字が読めなくても一遍も困ったことなどない」と啖呵を切るものの、字が読めていたなら、お使い先の看板や劇場の案内人の羽織の文字を読むことで、もっと早く「鶴亀座」の場所に気づけたことだろう。

 千代は「鶴亀座」で運よく芝居を覗かせてもらう。ライトを浴びて輝く俳優たちの中でひときわ活躍する高城百合子の様子に釘付けになってしまう。高城百合子を演じたのは、『純情きらり』『半分、青い。』に続き、朝ドラ三度目の出演となる井川遥だ。美しさだけでなく気品も携えており、まさに大女優の風格だ。

 この輝きに圧倒され、すっかり芝居に心を奪われた千代は、まだ見ていたいと珍しく子供らしいわがままで大人を困らせる。だが出くわした支配人の熊田(西川忠志)から、千代は台本を譲り受けるのであった。このことをきっかけに、千代は努力を惜しまず、台本の字を読もうとする。一平が作ってくれたひらがなの五十音表を頼りに千代は、月明かりの中、夢中で台本を読み耽るのであった。千代にとって、ここで芝居と出会ったことは大きな意味を持つだろう。これまで岡安ではお茶子に徹していた千代は、眩しいほどの世界を知る。

 そんなある日、舞台の上で「ワシもっと生きてたいんや」とセリフを叫んでいた天海が、あろうことか33歳の若さで他界。おまけに千代は訪ねてきた小林(烏川耕一)から実家のテルヲらが夜逃げしたことを聞かされる。これまで知らなかった実家の現状を知ってしまう千代。果たしてテルヲやヨシヲ(荒田陽向)はどうしてしまったのか。栗子(宮澤エマ)はヨシヲの面倒をちゃんと見ているのだろうか。心配事は尽きない。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

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