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リトル・ジョー

20/7/17(金)

『リトル・ジョー』 (C) COOP99 FILMPRODUKTION GMBH / LITTLE JOE PRODUCTIONS LTD / ESSENTIAL FILMPRODUKTION GMBH / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / THE BRITISH FILM INSTITUTE 2019

恐怖の対象は動かない。走り出して襲ってくるわけでもない。それなのに、怖い。 「リトル・ジョー」とはバイオ企業で開発された新種の植物のこと。赤い線状の花を咲かせ、香りは人を幸せな気分にするという。研究者のアリス(エミリー・ビーチャム)が遺伝子操作で品種改良し、息子のジョーにちなんで名付けたほどの自信作だった。しかし、同僚のベラ(ケリー・フォックス)は、愛犬のベロが多くのリトル・ジョーが栽培されている温室に閉じ込められた後、自分に懐かなくなったことから、原因がこの新種植物の花粉にあるのではないかと疑念を抱く。そして、シングルマザーのアリスに好意を寄せる同僚のクリス(ベン・ウィショー)や最愛のジョーも花粉を吸ったことで性格に変化が……。 オーストリア出身のジェシカ・ハウスナー監督は、アリスの周囲が新種植物に操られていく過程を、できるだけカメラを動かさない緊迫感あふれる演出で描写した。研究施設という無機質で透明感のある空間の視覚効果もあって、不穏な空気が画面に漂う。 主演のビーチャムは本作でカンヌ国際映画祭の女優賞に輝いた。他にも実力派が揃う。俳優陣の静かで落ち着いた演技も、観る者の恐怖心を引き出す。

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