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『未解決の女』原作から大胆に翻案されたキャラクター像 波瑠&鈴木京香“年の差バディ”の魅力

リアルサウンド

20/8/20(木) 8:00

 肉体派熱血刑事・矢代朋(波瑠)と文字フェチ頭脳派刑事・鳴海理沙(鈴木京香)がバディを組んで未解決事件を捜査する『未解決の女 警視庁文書捜査官』のSeason2がテレビ朝日系で放送中だ。

 考えるよりも行動が先に出てしまう朋と、人が苦手で文書室にこもっているのが好きな理沙という対照的な2人が“文字”を手掛かりに未解決事件を捜査していく本作は、2018年4月期に連続ドラマとして放送、2019年4月にはドラマスペシャルが放送され、今回が待望のSeason2となる。

 朋と理沙が所属する警視庁捜査一課「特命捜査対策室」第6係(文書解読係)には、理沙に密かな思いを寄せており、無口だが口を開くと誰もが認める“いい声”の草加慎司(遠藤憲一)、ドラマスペシャル時には京都府警捜査一課の刑事として登場し、今シーズンから前係長の財津喜延(高田純次)に代わる新係長としてやってきた国木田哲夫(谷原章介)、そしてプライドが高く出世のことばかり考えており、理沙からは「腹黒」と呼ばれている特命捜査対策室室長の古賀清成(沢村一樹)、室長補佐として古賀の腰巾着的存在として仕えている宗像利夫(皆川猿時)といった個性豊かなメンバーが集っている。

 そして捜査をしていく中で、朋がかつて所属していた強行犯第5係とも何かと関わるのだが、前係長の川奈部孝史(光石研)に代わり新係長となり張り切っている、朋の元上司で理沙の同期でもある桑部一郎(山内圭哉)、同期の朋のことを何かと意識しており、その真面目さや容貌から古賀に「スラッとマジメ」と呼ばれることもある岡部守(工藤阿須加)、岡部の後輩でまっすぐだがどこか頼りない多部和樹(飯島寛騎)ら、こちらもクセの強いメンバーばかりだ。そんな特殊な男社会の中でも埋もれる事なく活躍している朋と理沙のバディが放つ魅力について探ってみた。

 まず注目したいのは、2人の年齢差だ。朋は30歳、理沙は50歳という設定になっている。年齢差のあるバディというと、同じテレビ朝日系の『相棒』がまず思い出される。杉下右京(水谷豊)と歴代の相棒の年齢差は大体10~20歳くらいと推察され、杉下が年上の落ち着いた優秀な上司として捜査を牽引し、相棒が翻弄されながらもサポートする、というパターンだ。

 また、唐沢寿明と窪田正孝がダブル主演を務めた『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)も、唐沢演じる京極浩介と窪田演じる望月亮太は親子ほども年齢が離れており、亮太は浩介の娘・結衣(佐々木希)と付き合っている。ちなみに唐沢と窪田は現在放送休止中で9月14日からの放送再開が待たれる連続テレビ小説『エール』(NHK総合)において実の父子役を演じている。

 こうした年齢差バディを見ると、世代が全く違うので持っている感覚や知識にも大きな開きがあり、会話がまったく噛み合わなかったり、ノリやテンションにも温度差を感じられるところが特徴の一つだといえよう。しかし、そうしたジェネレーションギャップも含めて、どこかチグハグで危なっかしいところが視聴者の目を引き付ける要素にもなっているのではないだろうか。

 そしてやはりバディものの最大の魅力は、回を重ねるごとに深まる2人の絆だ。最初のうち理沙は、熱血刑事の朋が6係に異動してきたことをむしろ迷惑だと思っていた。文書室に引きこもって静かに文字と向き合う日々に慣れきっていた理沙だが、朋はそんな理沙を捜査のために強引に外に連れ出したり、理沙の文字に対する類まれな能力をもっと捜査に生かすべきだと熱く語ったり、平穏な日々を壊したと言っても過言ではない。しかしそんな朋のおかげで、理沙は再び刑事として捜査することにやりがいを感じるようになってきて、先週放送の第2話ではついに1人で聞き込み捜査に出かけるほど前向きな姿勢を取り戻しつつある。お互いが違い過ぎるからこそ受ける刺激やそこから生まれる変化が大きいのも、年齢差バディの魅力の一つだ。

 実は『未解決の女』の原作である麻見和史の小説『警視庁文書捜査官』(KADOKAWA刊)では、朋と理沙の設定がドラマ版とは大きく異なっている。そもそも朋は原作では「矢代朋彦」という男性で、理沙の年齢は31歳となっており、矢代より年下だが階級は上という設定だ。このことから、脚本の大森美香が原作のエッセンスを活かしながらも大胆な翻案を行い、ドラマ版ならではの女同士の年齢差バディが誕生したことがうかがえる。

 第2話の最後に国木田係長から「見れば見るほど変わったバディ」と笑いながら言われてしまった朋と理沙。今後の展開の中でどのような“変わったバディ”ぶりを見せてくれるのか、ますます目が離せない。

■久田絢子
フリーライター。新聞ライター兼編集(舞台担当)→俳優マネージャー→劇場広報→能楽関連お手伝い、と舞台業界を渡り歩き現在に至る。ウェブ「エンタメ特化型情報メディアSPICE」等で舞台・音楽などのエンタメ関連記事を中心に執筆中。

■放送情報
『未解決の女 警視庁文書捜査官』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:波瑠、沢村一樹、工藤阿須加、山内圭哉、谷原章介、皆川猿時、高田純次、遠藤憲一、鈴木京香
原作:麻見和史『警視庁文書捜査官』(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:大森美香
音楽:村松崇継
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:大江達樹(テレビ朝日)、西山隆一(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、木川康利(アズバーズ)
演出:田村直己(テレビ朝日)、樹下直美(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

『いよいよ来週から! 連続テレビ小説「エール」再開SP』
9月14日(土)
総合:午前8:00〜8:15
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、日村勇紀
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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