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アメコミファン要注目イベント「DCファンドーム」いよいよ開催 ポイントを杉山すぴ豊が解説

リアルサウンド

20/8/20(木) 12:00

 この夏、アメコミヒーロー映画好きにとって注目のオンラインイベントが開催されます。その名も「DCファンドーム」。タイトルからもわかるようにバットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンのDCコミック陣営によるバーチャルコンベンションです。プレスリリースからの言葉を引用すれば、「DCファンドーム」とは世界初のグローバルオンラインイベント。

 24時間で行われる大規模なバーチャルイベントでは、7つの大陸全てのファンがDCのスーパーヒーローやスーパーヴィランとこれまでにない方法で交流できるようになります。ユーザー参加型のコンテンツや、10月9日に日本公開が決定した『ワンダーウーマン 1984』をはじめとする、DC映画、アニメ、TVシリーズ、ゲーム、漫画、実写を含む、各作品の最新情報、および独占素材を通じて、DCコンテンツの過去、現在、そして未来をファンにお見せする企画が盛りだくさんです。

 DCファンドームは、2回にわけて、第1弾「DCファンドーム:ホール・オブ・ヒーローズ」が日本時間8月23日午前2時より24時間、第2弾「DCファンドーム:ディスカバー・マルチバース」が日本時間9月13日午前2時より24時間開催されます。

 アメコミ映画・ドラマ好きにとっては、まずは第1弾「DCファンドーム:ホール・オブ・ヒーローズ」に注目。『ワンダーウーマン 1984』からガル・ガドット、クリス・パイン、パティ・ジェンキンス監督、『ザ・スーサイド・スクワッド』からはマーゴット・ロビー、ジェームズ・ガン監督、『ザ・バットマン』からロバート・パティンソン、『Black Adam(原題)』のドウェイン・ジョンソン、『The Flash(原題)』のエズラ・ミラー、『シャザム!』シリーズのザッカリー・リーヴァイ、マーク・ストロング、『アクアマン』の監督ジェームズ・ワン、そして『ジャスティス・リーグ』のザック・スナイダー監督や“アローバース”と呼ばれる一連のDCドラマのショーランナー、グレッグ・バーランティが参加。各作品についてのパネル(プレゼンテーション)を配信する予定です。これらはゲストのほんの一部でまだまだあっと驚くスターたちの参加も予定されています。『フラッシュ』については映画版とTVドラマ版の両方のセッションもありますね(詳しくは、https://schedule.dcfandome.com/にアクセスしてみてください。日本からの参加で登録すると日本語・日本時間でのプログラムの案内があります)。

 DCがこのようなイベントに踏み切ったのには2つの理由があると思われます。

 1つは、今年サンディエゴ・コミコンのリアル開催がなかったことです。通常、DCはこうした発表をサンディエゴ・コミコンを通じて行ってきました。しかし今年はコロナウイルスによりリアルなコンベンションが実施されずオンラインのみで展開。しかし、どうしてもスケールは小さい。それならばということでDC独自のオンラインコンベンションに踏み切ったわけです。

 ならばマーベルも同じことをやってもいいわけですが、ぶっちゃけマーベルは今後数年間の重大発表を去年のサンディエゴ・コミコンで実施しており、今年はわざわざプレゼンをする必要はなかったのかもしれません。逆にDCは、昨年サンディエゴ・コミコンでの映画の発表をスキップしていたのですね。というのもDCの親会社であるワーナーは、昨年は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』の方のプロモの場としてサンディエゴ・コミコンを活用。また『ジョーカー』をアメコミ映画売りしたくないとの理由から、あえてサンディエゴに持っていかなかったようです。しかし今年はDCとしてはどうしても今後の展開についてプレゼンしたいことがあったのでしょう。これが「DCファンドーム」を開きたかった2つ目の理由です。じゃあDCはなにをプレゼンしたいのか?

 恐らくこれからのDC映画・ドラマは映画とTV、そしてHBO Maxという新たな配信サービスの3つで展開されていくということの宣言です。

 具体的には、映画は来年公開の『ザ・スーサイド・スクワッド』『ザ・バットマン』の2作を起点に新たなDC映画戦略が始まります。そしてTVドラマの方は、今までのDCドラマをけん引してきた『アロー/ARROW』が終わり、ここもまた新たなステージに突入します。一方、ワーナー・グループとして始める動画配信サービスHBO Maxでは、ザック・スナイダー監督による再編集版『ジャスティス・リーグ』やJ・J・エイブラムスのプロデュースによるオカルト系ヒーローを集めた『ジャスティス・リーグ・ダーク』、グレッグ・バーランティによる『グリーン・ランタン』のリブート、『ザ・バットマン』と連動したドラマシリーズなど、映画とTVドラマの中間となるようなコンテンツが予定されています。

 ちょうど1年前、マーベルがサンディエゴ・コミコンで「今後のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)はフェーズ4という新たな段階に入り、劇場用映画とディズニープラスの両プラットフォームにまたがって展開していく」と発表したのと同じような状況が、今DCにも起こっているというわけですね。だからこの「DCファンドーム」は今後のDCの戦略が見えてくるという意味でも重要でしょう。コロナウイルスのせいで公開が延びてしまっている超大作『ワンダーウーマン 1984』にとっても、仕切り直しのキックオフとして最高の機会です。

 これらに加え、今回の「DCファンドーム」で注目したいのは、アメリカ(本国)だけではなく、世界各国から集められた、その国独自のDCをテーマにしたコンテンツが配信される、第2弾の「DCファンドーム:ディスカバー・マルチバース」です。一方的なアメリカ本国の、DC側からのプレゼンになっていないところがポイントです。だから今回のイベントのタイトルが「DCコンベンション」ではなく「DCファンドーム」なのでしょうね。

 日本からも『DCファンドーム:日本から世界へ!メイド・イン・ジャパンなDCの魅力大解剖!』と銘打ったスペシャル・プログラムが「DCファンドーム」を通じて世界に配信されます。LiLiCoさん、尾上松也さん、FUJIWARA 藤本敏史さん、樋口真嗣監督、そしてわたくし杉山すぴ豊が出演。DCファンドームの<DCウォッチバース>というコーナーで配信(英語の字幕付)です。これは番組をぜひみていただきたいのです視聴スケジュールは日本時間8月23日18時30分からDCファンドームの<DCウォッチバース>というコーナーで配信します。その2時間後には、ABEMAアニメ2チャンネルにて拡大120分SPを配信します。これは番組をぜひ観ていただきたいのですが、僕は日本でDCものに取り組んでいるメーカーさんや関係者を取材、さらに舞台となるニンジャ・バットマン、そしてDCのコスプレーヤーさんたちを集めたZoom座談会(これはなかなか圧巻です!)のMCを担当。この番組の主旨は、日本の皆さんに改めてDCの魅力を伝えつつ、世界に対し日本ならでのDCのアプローチ、そして日本でもこんなにもたくさんDCに熱い人たちがいるということを訴えるものになっています。

 DCを支える、レジェンドなクリエーター、ジム・リー氏(彼は今回の「DCファンドー
ム」のキーマンの一人です)に以前インタビューする機会があった時、彼は「もちろんDCの起点はコミックだけど、DCを好きになるきっかけや愛し方はなんでもいい。映画やドラマ、アニメから入る人。グッズを集めたりアパレルで身に付けたり。好きなキャラのコスプレのコスプレをしてなりきってみたり、それだけDCの世界は広く、深く、楽しめ方は無限にあるのです」と語っていました。まさにこうした様々なDCの楽しみ方を味わえる、至福の24時間になりそうです。

 冒頭に書いた通り、アメコミ好き、DC好きにとって大注目イベントですが、エンタメ業界にとっても、ポスト(With)コロナ時代をにらんだ“グローバルなファン・コミュニティ運営”のショウケースとして大きなヒントをくれそうです。

  最後に、『バットマン・フォーエヴァー』でバットマンことブルース・ウェインを演じたヴァル・キルマーが、自身のSNSでこの「DCファンドーム」について触れています。もしかするとヴァル・キルマーも参加!? 彼のバットマンを好きな人は多いので、もし実現すればこれは嬉しすぎるサプライズです!!

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■イベント情報
「DCファンドーム」
第1弾「DCファンドーム:ホール・オブ・ヒーローズ」:日本時間8月23日(日)02:00〜8月24日(月)02:00まで開催
第2弾「DCファンドーム:ディスカバー・マルチバース」:日本時間9月13日(日)02:00〜9月14日(日)02:00まで開催
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/franchise/dccomics/dcfandome/

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