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劇場版も癒し効果バツグン! 「明日からまたがんばろう」と思える『のんのんびより』の魅力

リアルサウンド

18/9/5(水) 10:00

 のどかな田舎の風景の中でかわいらしいキャラクターたちがゆるゆるとした日々を送る、人気日常系シリーズ『のんのんびより』。テレビアニメ2期の放送から約3年の月日を経て、『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』の上映がいよいよスタートした。一度見るとクセになる『のんのんびより』の魅力と、劇場版ならではの見どころを紹介しよう。

 あっとによるコメディ漫画が原作の『のんのんびより』。物語の舞台となるのは、とある田舎町だ。町には子どもの数が少なく、唯一の学校・旭丘分校には小学校と中学校が併設されている。そこに通う主人公・れんげを筆頭に、年齢もバラバラな生徒たちのほっこりとした日常が、ギャグテイストを交えて描かれていく。

 じわじわと笑えるシュールなギャグは原作由来だが、アニメシリーズ最大の魅力といえば、背景美術や音楽によって描き出される、ノスタルジックな田舎の風景だろう。れんげたちが暮らす田舎町には娯楽施設が乏しく、子どもたちはいつも自然の中で遊んでいる。もちろん近くにコンビニなどあるはずもなく、溜まり場となるのはさびれた駄菓子屋だ。田舎で暮らした経験がある人なら、こうした景色を見ていてしみじみと懐かしさを感じてしまうだろう。そんな環境の中で特に大きな事件が起こることもなく、まったりと時が流れていく。のびのびと生活するキャラたちを見ていると、目まぐるしい日々や都会の喧騒を忘れて、ほっこりとした気分になる。

 劇場版の冒頭でも、そんな田舎の風景が丁寧に描き出されていく。一面の山の緑に日本家屋、蝉の声と風鈴の音。幼い頃、おばあちゃんの家に行った時のような懐かしさで胸がいっぱいになると同時に、3年ぶりに『のんのんびより』の物語が展開されていくさまを目の当たりにするのも、とても感慨深かった。

 映画では、れんげたちの住む田舎から飛び出した沖縄・竹富島がメインの舞台となる。この「沖縄編」は原作コミックスでも描かれたエピソードだが、劇場版ならではオリジナルキャラクターも登場するなど、新たな演出も加えられているのが見どころだ。

 また、これまでのアニメシリーズでは場所が特定できるような演出は避けられていたが、本作では初めて「沖縄」という具体的な土地名が語られている。竹富島には、れんげたちが暮らす田舎の世界観にも合うような、昔ながらの風景が残っている。その風景が丁寧なロケハンによって描き出され、劇中に登場する民宿を含め、建物なども現地の状況がリアルに描かれているという。

 旅先とはいえ、これまでのシリーズ同様、特に大きな事件も起こらず、れんげたちはのんびりと島を観光してまわる。そのため、テレビ版を見て「田舎に行きたいな」と思っていたように、劇場版では「沖縄に行きたいな」と思わせられるような、旅番組的な一面も感じられた。しかし、やはりスローライフな雰囲気はテレビ版から受け継がれており、癒し効果バツグンだ。

 凝り固まった筋肉がゆるゆると弛緩していくかのようなヒーリング効果で、劇場スクリーンからマイナスイオンが出ているんじゃないかと思えるほどの70分間。筆者のそばにいた男性が、上映後に「これで先10年はがんばれる」と言っていたが、思わず「うんうん!」と頷きたくなってしまった。おつかれ気味の人は、ぜひ本作を観て存分に癒されてほしい。鑑賞後はきっと、「明日からまたがんばろう」と思えるはずだ。(まにょ)

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