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“クセ者感が強い”実力派揃い!? 柄本佑、伊藤沙莉ら「アルファエージェンシー」所属俳優

リアルサウンド

21/2/14(日) 8:00

 森下佳子脚本×綾瀬はるか×高橋一生出演のTBS日曜劇場『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)が絶好調だ。正義感や上昇志向の強い刑事・望月彩子(綾瀬はるか)とサイコパスな殺人犯・日高陽斗(高橋一生)が入れ替わってしまう物語で、2人の入れ替わりの演技などが絶賛されている。

 しかし、スルーできないのは、彩子の同居人・陸(柄本佑)の存在だ。第1話では殺人現場で使われたと思われる洗剤から、彩子が日高にたどり着くきっかけを作ったとはいえ、便利屋稼業を呑気にやっている同居人くらいの関わり方だった。しかし、柄本佑を出している以上、単なる同居人のわけがない。

 そう思っていたら、第2話では入れ替わりの舞台となった歩道橋の壁に赤い文字「4」が書かれていることを彩子(心は日高)が発見。「4(し)、そうですか、終わりじゃなかったんですか」と謎の言葉をつぶやき、その後、「バイト入りました」と書置きして家を出た陸がその落書きを消す姿が描かれた。

 また、陸がゴミ袋を開き、彩子(心は日高)が殺人の犯行時に着ていたと思われる血の付いた服を発見。その後も彩子を二重人格だと疑うが、彩子(心は日高)に交わされ、混乱した様子を見せていた。謎はますます深まるなか、多くの視聴者の予想通り、柄本佑の存在感が色濃く浮かび上がってきた。

 昨年は吉高由里子主演の『知らなくていいコト』(日本テレビ系)で主人公の元カレで、大人の色気と包容力抜群の尾高を演じ、「尾高沼」にハマる女性が続出。同時期に放送された『心の傷を癒すということ』(NHK総合)では、震災時に被災者たちに寄り添い、話に耳を傾ける精神科医を好演した。柄本佑が連ドラに出ているだけで、“何かありそう”という心のざわつきや、逆に作品への信頼感を覚える人も少なくないのではないか。

 女優でいうと、それに近い存在が、今最も売れっ子の一人・伊藤沙莉だろう。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』の米屋の娘・安部さおり(本名は安部米子! しかし米子を受け入れず、通称を押し通す)をコミカルに演じ、『獣になれない私たち』(日本テレビ系)、『これは経費で落ちません!』(NHK総合)で立て続けに主人公の同僚として“達者”ぶりを発揮。

 大童澄瞳の原作・湯浅政明監督のアニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)では、一人称が「ワシ」「あっし」で、超絶人見知りながらアニメの話になると唐突にべらんめえ調になる浅草みどりの不思議なしゃべりを、低音ハスキーボイスでリズミカルかつ説得力満点に熱演。原作から想像していなかった「正解」を突き付けられるような快感を与えてくれた。

 さらに、よるドラ『いいね!光源氏くん』(NHK総合)では、源氏物語の世界からタイムスリップしてきて、現代を謳歌するプレイボーイで雅な千葉雄大や桐山漣に振り回されつつも、恋心を育んでいくヒロインをコミカルかつ切なく愛らしく演じた。いまや伊藤沙莉が出ているだけで、その作品を「間違いない」と感じる人も多数いるだろう。

 柄本佑と伊藤沙莉、このクセ者感が強い実力派2人の共通点は、所属事務所がアルファエージェンシーだということ。

 『ひよっこ』で伊藤が演じた「さおり(米子)」の“相方”・三男役も演じていた若きベテランの実力派俳優・泉澤祐希も、やはりアルファエージェンシー所属である。ほのぼのした作風の『ひよっこ』において、同事務所で、同年代で同じ子役出身者の2人のやりとりは、”コントパート“的役割も多く、抜群の安定感があった。

 また、NHK連続テレビ小説『まんぷく』(NHK総合)の“塩軍団”で注目度が急上昇した毎熊克哉も同事務所だ。『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)では穏やかで人気者の医師・来生を、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)では酒吞童子を演じていた。

 しかも、先述の同事務所の泉澤とは、『少年寅次郎』(2019年、NHK総合)で兄弟を演じた仲。毎熊が、遊んでばかりのろくでなしで、荒くれ者風でお調子者だが、妻(井上真央)だけは本気で愛している寅次郎の父をキュートに演じる一方、父に辛くあたられることの多い寅次郎を温かく見守る「おいちゃん」が泉澤だった。ちなみに、泉澤の妻は、別事務所だが、演技巧者が多いことで知られるユマニテの岸井ゆきのだった。井上、毎熊、泉澤、岸井、さらに魅力的な子役たちで完璧な布陣である。

 また、昨年だけでも『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ・フジテレビ系)、『35歳の少女』(日本テレビ系)、『共演NG』(テレビ東京系)、『週末オトコ温泉同好会~温泉オタクと元ヤンの青春温泉物語~』(テレビ大阪)一昨年には『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)、『ミストレス~女たちの秘密~』(NHK総合)、『だから私は推しました』(NHK総合)、『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(日本テレビ系)などなど、多数の連続ドラマに出演した細田善彦。その出演本数の多さもさることながら、地下アイドルオタクや調子の良い元カレ、人体実験された刑事など、クセの強い役で、強烈な引っ掛かりを視聴者の心に残しまくっている。

 現在、『天国と地獄~サイコな2人~』で日高(高橋)の秘書・五木を、昨年の『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)で浜辺美波の母を、『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)では刑事役を演じていた、“クール””薄幸“”闇“の似合うバイプレイヤー・中村ゆりも、やはり同事務所である。

 他に平田満、豊川悦司、甲本雅裕、団時朗、加藤虎ノ介、でんでん、和久井映見、余貴美子、根岸季衣、原日出子、小野花梨、大後寿々花、田島令子などなど、大御所から古今の名バイプレイヤーまで豊富な人材が揃うアルファエージェンシー。

 どのクールの連ドラでも、数々の作品でキーパーソンを担いがちな同事務所の役者を軸に物語を観てみると、また新たな発見があるかもしれない。

※記事初出時、一部記述に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。

■放送情報
日曜劇場『天国と地獄 ~サイコな2人~』
TBS系にて、 毎週日曜21:00~21:54放送
出演:綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹、吉見一豊、馬場徹、谷恭輔、岸井ゆきの、木場勝己、北村一輝
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
プロデュース:中島啓介
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木彩
製作著作:TBS
(c)TBS

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