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深川麻衣、我を通してきた分岐点の選択 上京から乃木坂46卒業まで、決断は“頑固”に

リアルサウンド

21/1/29(金) 16:00

 芸能プロダクション・株式会社テンカラットの25周年企画として制作された映画『おもいで写眞』が1月29日に公開される。『君に届け』『ユリゴコロ』などの熊澤尚人監督がオリジナル脚本で描く本作は、東京で失職した直後に、故郷に住む祖母を亡くし、夢を諦めて帰郷した主人公・音更結子が、ふとしたきっかけから遺影写真の仕事を始める模様を描いた人間ドラマだ。

 そんな本作で主演を務めたのは、テンカラットに所属する深川麻衣。『パンとバスと2度目のハツコイ』以来約3年ぶりの主演映画となった本作の経験や、事務所の先輩である高良健吾、香里奈、井浦新らの姿から学んだことなどを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

深川麻衣、上京から乃木坂46卒業まで我を通してきた“分岐点”の選択 映画『おもいで写眞』インタビュー

「自分で決めたことだったらどういう結果になっても納得できる」

ーー『おもいで写眞』は深川さんが所属している事務所「テンカラット」の設立25周年記念として企画された映画です。

深川麻衣(以下、深川):事務所の先輩である高良(健吾)さん、香里奈さん、(井浦)新さんと同じ作品でご一緒するのが今回初めてでしたし、吉行(和子)さんや古谷(一行)さんをはじめとするベテランの先輩方ともご一緒させていただけるということがすごくありがたかったですし、楽しみもでもありました。でも、『パンとバスと2度目のハツコイ』以来久しぶりの主演映画だったので、緊張感もすごくありました。

ーーなかなかの大役ですよね。

深川:撮影前はものすごく緊張していたのですが、私は緊張感を背負いすぎると空回りしたりダメになってしまうタイプ。なので、そういうことを取り払って、撮影中は何も考えないようにするんです。でも完成した作品を試写で初めて観たときに、エンドロールの一番最初に自分の名前が流れてきたり、テンカラット設立25周年企画という文字を目にしたときに、“プレッシャー”がこみ上げてきました。熊澤(尚人)監督にとっては9年間温めてきた大切な作品ですし、事務所にとっても25周年の記念となる大事な作品。そこに主演として立たせていただく“ありがたさ”と“重み”を、そのときに改めて実感しました。

ーー完成した作品を観て、率直にどう思いましたか?

深川:熊澤監督の映画の世界観と、カメラマンの月永(雄太)さんの撮影が合わさって、どこか懐かしく、暖かい空気感が映画の中にずっと流れているなと感じました。富山というロケーションも相まって、苦しいシーンがありつつも優しい時間がずっと続いている印象でした。

ーー深川さんが演じられた音更結子は、「嘘が大嫌いで融通が利かない、まっすぐな性格」という役どころです。

深川:結子が辿ってきた境遇は、私自身とすごく近いものがあるなと思っていて。年齢も29歳で一緒ですし、夢を持って地元から上京したというのも共通しています。結子はメイクアップアーティストという夢を持って富山から上京しましたが、私も芸能のお仕事を目指して静岡から上京してきたので。だから、結子が東京で感じた挫折や壁にぶつかってしまったときの焦りは、ものすごく理解できました。あと、結子とはちょっとは種類が違うかもしれませんが、私にも頑固な一面があって、たまに人から言われたりもするんです(笑)。全く同じではないけど遠くはない。自分と似たところはたくさんあるなと感じました。

ーー深川さんの“頑固な一面”は具体的にどういうところなんですか?

深川:仕事をしていく上では人の意見をむしろ聞きたいし、教えてほしいタイプなんですけど、自分が上京したタイミングやグループから卒業したタイミングなど、自分の人生の分岐点になるような選択は、誰かに何かを言われたり止められたりしても、我を通して決めてきた部分が大きいんです。そういうときの自分はものすごく頑固なんだろうなと思います(笑)。

ーーそうなんですね。それは結構意外です。

深川:もちろん人の意見やアドバイスも大事だと思うし、自分の思っていることが正しいと決めつけたら危ないことだと思うので、人の意見は聞きたいんですけど……。でも、そういう人生を左右するような大事な選択の場合は、人の意見を鵜呑みにしすぎて、そこに頼りすぎちゃうのはよくないと思っているんです。もしうまくいかなかったときに人のせいにはしたくないですし、自分で決めたことだったらどういう結果になっても納得できると思うので。

ーー結子は上京した後に挫折して地元の富山に帰ります。先ほど、結子の挫折や焦りは理解できるとおっしゃっていましたが、具体的にどういうところが共感できましたか?

深川:やっぱりこの世界には本当にすごい人たちがたくさんいるので、自分にはその引き出しはないなと実力のなさを痛感して壁にぶつかったり、監督の演出に応えられなかったり、自分の思うようにうまくできなかったり、本当にそういうことの連続で……。なんなら毎日ぐらいの勢いでくじけそうになっています。東京ってやっぱり、いろんな都道府県から夢を持って人が集まる場所だと思うので、自分だけじゃなくみんな戦っているんだと思うと、頑張れる気がします。

「全力で楽しむ余裕を持って仕事をしていきたい」

ーー映画の撮影では“苦しいこと”もあったようですね。

深川:ありましたね……毎日ありました。結子みたいに喜怒哀楽がストレートに表に出る役は、自分の中でまた新しいチャレンジでもありました。映画の中で後々響いていくための演出でもあったのですが、今回は熊澤監督が“怒りの感情”にものすごくこだわっていらっしゃったんです。そんな中で、すぐにその演出に応えることができなかったり、そういうシーンが続いてしまうと、落ち込んでしまうことがありました。その日撮影が終わってホテルに戻ってから、「あそこはこうできたんじゃないか」というのを1個1個考えたり。でも、そんなに引きずってもしょうがないので、寝てリセットして、「明日も頑張るぞ!」という気持ちでまた次の日現場に向かい、また……みたいな、その繰り返しでした。ただ、スケジュールがすごくタイトな中で、熊澤監督も本当にこだわって妥協せずに向き合ってくれました。すごく丁寧に撮影してくださったので、それは本当にありがたかったです。

ーー“怒りの感情”を表現することに苦戦したと。でもたしかに深川さんには“怒り”のイメージがあまりないかもしれません。

深川:私自身怒ることもあるんですけど、怒りの出し方って本当に人それぞれじゃないですか。怒ったら無口になるタイプの人もいるし、あからさまに表情や言動に出てしまう人もいる。私は結子と同じくらいの怒りの感情を抱えていても、たぶんそれを誰かに言葉でぶつけたりは比較的できないタイプなんです。なので、その怒りの出し方もそうですし、どこまでの大きさで出したらいいのかなど、そういうことは監督と相談しながら撮影していました。

ーー熊澤監督が脚本を書いたのは9年前とのことですが、作品のテーマ的にはどこかいまの社会状況とリンクするところがありますよね。

深川:そうなんです。撮影中はもちろんこんな状況になるなんて全く思ってもいなかったんですけど……。この映画は、写真を通して人と人とのつながりを描いているお話ですし、2020年になってから一気にいろんな状況が変わってしまったことで、私自身も自分がエンタメのお仕事をさせていただいている意味みたいなことをより考えるようになりました。公開時期的に、まだ心から安心して映画館に行けないという方もきっとたくさんいると思います。でも、こういうタイミングで公開されるからこそ、この映画をきっかけに、ちょっと疎遠になっているおじいちゃんやおばあちゃんに対して、会いに行くことはできないかもしれないけど、ちょっと電話をしてみようとか、話してみようとか、そうやって大切な人とのつながりを少しでも近くしてくれる映画になったらすごくうれしいです。

ーー事務所の先輩である高良健吾さん、香里奈さん、井浦新さんとの初共演はいかがでしたか?

深川:いつかは先輩と同じ作品に出てみたいとずっと思っていたので、すごくうれしかったです。お三方とひとつの作品でがっつりお仕事をさせていただけるとは思ってもいなかったので。もちろん事務所の先輩後輩という関係性ではあるのですが、同じ事務所の先輩だからこそ、近くで見ていてくださる安心感がものすごくあったし、時には兄弟みたいのようでもありました。私が悩んでいるときに、それを察してさらっと声をかけてくださったり、すごく気にかけてくださって。その気持ちがすごくうれしくて。今回は本当に先輩たちの存在に救われた部分が大きかったです。

ーー約3年ぶりの主演映画になりましたが、先輩方のサポートが大きかったわけですね。

深川:そうですね。今回は主演とはいえ、自分のことで結構いっぱいいっぱいになってしまったりもしましたし、本当に頼もしい先輩方に囲まれた中での撮影だったので、甘えてしまった部分も大きかったです。先輩たちの仕事に対する姿勢を見ていて、これからお仕事をしていく上で、自分もこんなふうに力をつけていきたいと思いましたし、もし自分が後輩の子とお仕事をする機会があれば、先輩からしてもらったことを自分もしてあげたいなと思いました。やっぱり自分の中での“主演”や“座長”って、自分の仕事もしっかりするけど、なおかつ周りが見えていて、人をまとめるイメージなんです。なので今回は、もうちょっと楽しむ余裕を持ちたいなと感じました。

ーーこの『おもいで写眞』からスタートしていく2021年、どういう年にしていきたいですか?

深川:3月でちょうど30歳になるんです。なので、この作品が自分にとっては20代最後の映画作品になります。30代に入っていくこれから、どういう作品に出会えるのかも楽しみですし、年齢を重ねていくごとにきっといただく役もどんどん変わったり、求められるものも変わってくるのかなと最近漠然と感じています。そんな中で、尊敬できる先輩を見て思ったように、仕事としてちゃんと向き合いながらも、全力で楽しむ余裕を持って仕事をしていきたいなというのがいまの目標です。

■公開情報
『おもいで写眞』
全国公開中
出演:深川麻衣、高良健吾、香里奈、井浦新、古谷一行、吉行和子
監督:熊澤尚人
脚本:熊澤尚人 まなべゆきこ
原作:『おもいで写眞』熊澤尚人(幻冬舎文庫)
主題歌:安田レイ「amber」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作プロダクション:スタジオブルー
配給:イオンエンターテイメント
(c)「おもいで写眞」製作委員会
公式サイト:http://omoide-movie.com

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