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ROVIN × Buddyが語る、コラボのきっかけとヒップホップシーンに対する思い「ネットにも自分たちなりのストリートがある」

リアルサウンド

20/2/21(金) 18:00

 ポップフィールドからの支持も高いラップユニット、JABBA DA FOOTBALL CLUBのROVIN。映像コンテンツに加えて音楽制作も手掛け、アルバム『old color』をリリースするなど、多岐にわたる活動を展開する大人気グループYouTuber・アバンティーズのメンバー、そらちぃのソロ名義であるBuddy。その2人がROVIN × Buddyとしてタッグを組み、EP『The Outer Worlds』をリリースする。

 JIGG、PARKGOLF、TSUBAME(TOKYO HEALTH CLUB)の3人をプロデューサーに迎えた本作は、ROVIN、Buddyとも所属ユニットでのアプローチとは異なった、ソロや別ユニットだからこその貪欲なアプローチを見せ、3曲、時間にしても10分弱というタイトさながら、新たな可能性を強く模索する作品として完成した。(高木”JET”晋一郎)

コラボのきっかけはTwitterのDM

ーーまずコラボのきっかけを教えてください。

ROVIN:まず僕がソロの作品を作りたいという意思があって、それをTOKYO HEALTH CLUBのTSUBAMEさんに相談したんですね。

ーーTSUBAMEくんのレーベル<OMAKE CLUB>からJABBA DA FOOTBALL CLUB(以下、JABBA)はインディーデビューしていましたね。

Buddy

ROVIN:その意味でも、まず相談するのはTSUBAMEさんだなって。その時に、たまたま頭に浮かんだのがBuddyで、本当に軽い気持ちで何か一緒に1曲やろうかなってことで、TSUBAMEさんのスタジオに行く日に連絡して「来い!」つって。そしたら来て(笑)。

Buddy:いきなり呼び出されましたね(笑)。

ーーその前提として、そもそもの出会いは?

ROVIN:最初はBuddyからのDMだよね。俺がまだその時Twitterやってて。

Buddy:すぐ辞めちゃうんだよね(笑)。

ROVIN:すぐアカウント消しちゃう(笑)。

Buddy:もともと僕がJABBAのリスナーだったので、お会いしたいなと思ってDMを送ったんですよね。

ROVIN:俺もアバンティーズのYouTubeは見てはいたし、ラップしてることも知ってたので、その時は単純に「面白そう!」と思って、それで三軒茶屋のカフェで会ったんですよね。そこで「どうやってラップは書いてるの?」とか「どうやってRECしてる?」みたいな話をして。

Buddy:あとは女の子の話とかね(笑)。

ROVIN:基本的には(笑)。その中で、Buddyがソロとしてもラップをしていきたいって話は聞いてたし、TOKYO HEALTH CLUBも聴いてたっていうから、BuddyとTSUBAMEさんとコネクトを作るっていうのも俺が出来ることかなと思ったんで、一緒にTSUBAMEさんのスタジオに行って。それで、まずは俺のソロ曲の中で客演してもらうイメージだったんですけど、話を進めていくうちに「全部一緒にやるべ」と。結局、ソニーからのリリースみたいに、大ごとにはなってますけど、原点的には結構軽いノリで始まったんですよね。

ROVIN

Buddy:僕もソロとしてもっと動きたいって気持ちがあったので、それが擦りあったのかなって。

ーーソロをやりたいというのはなぜ?

ROVIN:目立ちたいから。もう「俺だけを見てくれ!」っていう(笑)。

ーーJABBAでの4分の1ではなく、1分の1として。

ROVIN:単純にそこです。あとJABBAの曲作りでの、4人のコミュニケーションの仕方だったり、プロデューサーとのコミュニケーションが固まってきていて。それはそれで気持ちのいいことなんですけど、個人的には1人のラッパーとして、そこに手詰まりみたいなものを感じたんですよね。だから、もっと色んな可能性を試したかったというか。

ーーJABBAでのオーソドックスな形としては、BAOBAB MCがトラックを作って、4人でリリックを書いてという流れがありますが、それとは違う方向性をチャレンジしたいというか。

ROVIN:間違いないですね。

Buddy:僕もそれと共通している部分があって、グループの音楽は「グループでの過去や未来」を歌っているので、それを越えて、もっと自分にフォーカスした、自分の音楽を聞いてほしいなって。ラッパーとしての限界も探ってみたいなと思ってBuddyを始めたんで、そういう点でもこのアルバムには、お互いの思惑というか、ユニットとは違う願望が入っているかなと思います。

ーー別の刺激であったり、可能性を考える上でも、もう1個のシステムが必要だったということですね。今作の具体的な制作の話に入る前にBuddyくんのラップの原点を教えていただけますか?

Buddy:ラップを好きになったのは、KREVAから入ってC.O.S.A.とかに流れて……みたいな感じですね。C.O.S.A.のリリックはすごく哲学的で好きだったし、そういうラップがしてみたくて、自分でもラップというアートフォームを選んで。ラップは他のジャンルよりも言葉を聞いてもらえる、リリック自体を見てもらえると思うんです。僕はラップを文学的なものという捉え方をしているので、自分の言葉を聞いて欲しかったということもあって。YouTubeのような映像、マスに向けたコンテンツではコメディを通して笑顔を届けているんですけど、僕自身のまた違った一面を言葉を通して聞いてほしいなと。

ーーなるほど。アバンティーズはこれまでにtofubeatsやTREKKIE TRAXをプロデューサーに迎えた作品を配信し、Buddyくん自身はKick a showとの「So Special  (feat. Buddy)」も制作されていますね。

Buddy:そうですね。もともと音楽好きになったというか、始めるきっかけになったのがtofubeatsさんで。そこら辺の界隈はずっと好きでしたね。

ROVIN:だからPARKGOLFさんの名前はBuddyから出たんですよ。

Buddy:二人の声質というか、乗せ方もPARKGOLFさんのトラックに合うんじゃないかなと思って、謎の自信はあったんですよね。「この人なら大丈夫っしょ!」みたいな。

ROVIN:JIGGさんの名前は制作を進める中で出てきて、TSUBAMEさんはこのプロジェクトの原点なんで、是非お願いします! と。

ーー楽曲について順番に伺うと、「Have a Good Time」の制作はどのように進めましたか?

ROVIN:この曲が実は一番最後に出来たんですよね。

Buddy:それもあって、この曲の制作の段階では空気感はお互いに掴んでて。それで「多分ROVINさん、こうくるだろう」っていうのも想像できたんですけど、実際のRECでは、もっと良いメロが飛び出てきてびっくりしましたね。

ROVIN:「Have a Good Time」のRECには自分のバースしか決めてない状態で入ったんで、録りながら「こっちのメロディの方がいいよね」とか「ハーモニー入れてみようか」みたいに、試行錯誤しつつ作ったんですよ。だから〈Have a good time〉っていうパートも、JIGGさんに「ROVINくん、ブースに入ってそのパートのメロディが出てくるまでひたすら歌ってて」って言われて(笑)。それで俺がずっとメロディを試して、出た瞬間に「これです!」って決まったのが、あのメロディだったんですよね。

Buddy:ROVINさんが録ってる間、JIGGさんに「Buddyくんもやる?」って言われたんですけど、「いや、ROVINさんから出るんで大丈夫です!」って(笑)。

ROVIN:そしたら出ちゃったんですよね〜(笑)。作りながら「あ、これやばい、今日いいレコーディングになる!」って思ったんで、うちのNOLOVとかに「遊びに来い!」ってスタジオに大勢呼んだりもして。それぐらい緊張感とリラックス感が一緒にあるレコーディングだったし、タイトル通りの感じで作った曲ですね。

Buddy:めちゃくちゃ楽しかったですね。

2人から見た「ヒップホップシーン」

ーー2曲目の「Piece of Cake」の制作はどのように?

ROVIN:「Piece of Cake」は完成形のイメージが僕の中にあったんですけど、いざラップを入れてみると、そのイメージにちゃんと近付くのかが分からない、想像していたところに追いつかないかもしれない、みたいな感じが生まれてしまって。それでちょっとモヤモヤしながらRECしてた時に、プロデューサーのPARKGOLFがスタジオに来て、「多分あまり言葉とか入れないで、音として聞かせた方がいいんじゃないの?」みたいなディレクションから、モヤが晴れていったというか。そこからは超スムーズでしたね。

Buddy:僕としては一番時間がかかりましたよね。この3曲の中で、歌詞的には1番自分についての部分にフォーカスして歌ってるんですけど、トラックのいびつさにも寄せないとバランスが悪くなっちゃうんで、そのさじ加減が難しかったというか。

ROVIN:そうだね、それはでかかったね。

Buddy:この言葉を入れたいんだけど、トラックには合っていないし……みたいな。でも、それくらいの威力があるトラックだったし、それとしっかり向き合ったからこそ、いい曲ができたんじゃないかなと思います。あと「ラップなんて朝飯前だよ」っていうメッセージ性もドーンと出てる曲なんで、フロウに対するプレッシャーみたいなのはありましたよね(笑)。下手に乗せたら、そのメッセージがホントにダサくなっちゃうんで。言うからにはちゃんと決めないとなっていう、そういうプレッシャーも大きな作品でしたね。

ROVIN:あとプレッシャーといえば、この曲を録ったスタジオのエンジニアさんの横にいた女の子いたじゃん。アシスタントの。

Buddy:いた!

ROVIN:エンジニアさんは乗ってくれてるんだけど、でも、そのアシスタントの子はずっと助手のスタンスでいるから、全然乗ってくれなくて、「この子、首振んないけど大丈夫かな……?」って(笑)。

Buddy:確かに! 「この曲……嫌い?」って(笑)。

ROVIN:もしかしたら「Piece of Cake」はお互いピリピリしてたのかな? って、後でそれを思い出して考えた(笑)。

ーーそして3曲目の「I’m just me !!」ですが。

ROVIN:制作はこの曲からスタートでしたね。歌詞とかフックで言ってる通りなんですけど、「俺ら2人でこういう曲作りたいよね」って話から始まって。個人的にはJAY-Zの『Black Album』みたいな、トラックは2000年ぐらいのサンプリングなのにゴージャス感ある感じで、ラップはめっちゃスピットするみたいな方向をやりたかったんですよね。

 多分、Buddyも俺もそのスタイルがすごい合うしって話をTSUBAMEさんにしたら、抜群のトラックがTSUBAMEさんから来て、「これっす!」みたいな。最初に出来た曲ではあるんだけど、ラストに持ってくる事によって、この曲の意味合いがさらに深くなるというか、なってくれたら嬉しいですね。

Buddy:この曲でお互いに感覚を掴んだ感じはありましたね。

ROVIN:お互いどんな風にレコーディングするか、どんな歌詞の書き方をするは知らなかったんで、お互いに手の内を読む感じでもあったんですけど、実際に始めたら、まあやりやすくて。例えば、このフックは掛け合いにしたくて、ある程度の雛形を作ってから「こう入れたいんだよね」ってBuddyに提案したんですけど、ラップを乗った瞬間に「全然いけるわ!」って思って。それぐらい話が早かった。

Buddy:リリック自体も空気感が似てたり、RECのスピード感も似てて。あと一番合ってたのは声質ですかね。REC終わってからめっちゃ話をしましたもんね、「マジやりやすかったわ!」って。

ーーあんまり言うと本来やっているグループに不満があるみたいに聞こえるけど(笑)。

ROVIN:それは不満はあります!(笑)。

Buddy:なかったら1人でやんない!(笑)。

ーー一同笑

ROVIN:本当の真ん中にある根本みたいなものは変わりはしないんですけど、曲に対するアプローチみたいなのはガラッと変わってると思います。JABBAでやってないことも満載になったと思います。結構経験値は積めたっすね。

ーー観念的な質問になりますが、いわゆる「ヒップホップシーン」というものは、2人からはどういう風に見えていますか? 2人共、いわゆるヒップホップ的な「ストリート性」は強くないし、ブームになってるようなMCバトルに出場するわけでもない。その意味では、いわゆるクラブを中心にした「現場」ではなく、「ポップフィールド」や「YouTube」をお2人は基盤にされているわけで、そういう人たちからは、いわゆる「シーン」というものはどう見えているんだろうな、と。

ROVIN:すごく難しいですよね。正直、「シーンなんて関係ねえわ」っていう気持ちも、無くはないです。それはJABBAをやっていて、だんだんシーンに対するこだわりというか、目配りというのはどうでも良くなっていってて、それよりも普段遊びに来てくれる子たちとか、聞いてくれる子たちがいれば良いって考えのほうが強くなってきてるんで。そして、その子たちがヒップホップヘッズなのか、バンドヘッズなのか、ポップスリスナーなのかとかも、関係ない。なので「リスナー」としては、シーンをめちゃくちゃ楽しんでますし、昔から聞いていますけど、「プレイヤー」としては、いまはそこからの評価とか、その輪に入りたいとかは、イマイチ気にしないというところがあります。

Buddy:聞いている人はヒップホップであろうと、ロックであろうと、「いいものであれば聞く」という流れはきていると思ってて。今ある不良の文化といわれるヒップホップシーンも僕個人としてはすごく好きだし、そういう人たちの曲も聞くし、マインドもわかるんですけど、僕自体、ヤンキーな訳でもないし、僕がヒップホップのシーンに入ったところで、「リアル」は歌えないなと思っているんですね。

 だから、別にその枠組みの中でやらなくても、新しい枠組み自体を僕自身で作っちゃえば楽だし、その方がかっこいいかなって思ってるので、正直気にしてないですね。ヒップホップシーンの人でも頭の柔らかい人というか、僕の活動を理解してくれる人もいると思うし、それよりももっと単純に言えば、もっともっと勉強して、いい曲が書けるようになれば、何かが変えていけるのかなって。

ROVIN:だから、そういうことを気にしないで、気の向くままに楽しんでやれたらいいなと思う第一歩が、お互いこの作品だと思うんですよね。 

Buddy:路上じゃなくても、ネットにも自分たちなりのストリートがあると思ってるんで。

ROVIN:今の太文字っすよ(笑)。

『Have a Good Time』- ROVIN × Buddy
※2020年2月21日 20:00 1日のみ限定公開

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<応募締切>
2020年3月6日(金)まで

ROVIN × Buddy『The Outer World』

■リリース情報
ROVIN × Buddy『The Outer World』
配信日:2020年2月19日(水)
配信はこちらから
<収録内容>
1. Have a Good Time(Produced by JIGG)
2. Piece of Cake(Produced by PARK GOLF)
3. I’m just me !!(Produced by TSUBAME)

■関連リンク
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