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J.Y. Park、キャリア凝縮した日本初ベストは最良の“餅ゴリ入門盤”に? K-POPというジャンル形成してきた功績を辿る

リアルサウンド

20/10/6(火) 6:00

 今年、日本において一躍“時の人”となったJ.Y. Park。NiziUを輩出した『Nizi Project』での名言や独自の人材育成術を通じ、これまでK-POPや韓国エンタメに興味のなかった層やオトナ世代の男性にも注目されている。一方、韓国では90年代から歌手、パク・ジニョンとして認知されている彼。25年以上にもわたるキャリアをぎゅっと凝縮したベストアルバム『J.Y. Park  BEST』が日本で10月7日に発売される。なお、本国でも2000年以降のヒット曲を含むベストアルバムは発売されていない。今作は日本のリスナーへ向けて特別に作られた“餅ゴリ入門盤”といえよう。

アーティストとしてのプライドが詰まった19曲

 アルバム全体の流れとしては1994年のソロデビュー曲から2020年の最新シングルまで、四半世紀のヒット作が時代順に並んでいる。中には『Nizi Project』で参加者たちがカバーに挑戦したものもあり、違いを聞き比べるのも面白い。個人的にはまず近年の代表曲「YOU’RE THE ONE」からスタートして今年発売の「When We Disco」までを聴くことをオススメする。そして、今のオトナなJ.Y. Parkを味わった後に、1曲目「Don’t leave me」からラストまで聴き直してみてほしい。一貫してブレないブラックミュージックへの愛、そして要所要所で感じられるポップな楽しさ。さらに年月と共に増す色っぽさや音の変化に気づくはずだ。

シンプルにカッコいい正統派R&B「YOU’RE THE ONE」

 「YOU’RE THE ONE」は、『Nizi Project』ではMAKOがオーディションの課題曲に選んだダンスナンバーだ。MVもコミカルさを完全封印、大人の色気とエンターテイナーとしての実力をこれでもかと見せつけてくれる。そしてサビの〈ノプニヤ〜(君だけだ)〉は思わず口ずさみたくなること間違いなし。8年前の曲でありながら歌詞の中に“僕が渡り歩くアメリカと日本”というワードが出てきており、当時から日本市場を重視していたのが窺える(ただ、ここまで自身がブレイクするとは予想していなかったはず)。今回のベストアルバムにはスローテンポのHappy Ending ver.が収録されている。“餅ゴリ”と気楽に呼べないほど、カッコいいJ.Y. Parkを存分に味わって欲しい。

J.Y. Park “You’re the one(너 뿐이야)” M/V

NiziU RIKUのカバーが記憶に新しい「Who’s your mama? feat. Jessi」

 また、韓国を代表する女性ラッパー・Jessiとのコラボも話題に。『Nizi Project』ではピュアで健康的なイメージのRIKUがカバーに挑戦し、J.Y. Parkから「(この曲が持つ)遊び人の雰囲気をうまく表現していてビックリ」と称賛されていた。ひたすら女子のナイスバディを褒め称えるという歌詞が物議を醸しつつ、J.Y. Parkの代表曲であることは間違いない1曲だ。繰り返し聴きたくなる中毒性もある。

J.Y. Park “Who’s your mama?(어머님이 누구니) (feat. Jessi)” M/V

韓国では誰もが知るイントローーデビュー曲「Don’t leave me」

 グループでの失敗などを経て、J.Y. Parkがソロデビューを果たしたのは26年前の1994年。今回のアルバムの1曲目に収録されている「Don’t leave me」で歌手として本格的な活動をスタートさせた。“規制だらけの放送局への反抗”だったという衝撃的なビニールパンツ衣装とセットで、この曲を覚えている韓国人も多いだろう。特にマイケル・ジャクソンの「Man In The Mirror」を彷彿とさせるキャッチーなイントロが印象的だ。去りゆく恋人への想いを歌う失恋ソングでありながら、希望が感じられるのはやはりポジティブな“餅ゴリイズム”ゆえだろうか。今でもライブを盛り上げるテッパン曲として歌い続けられている。

[2019 MAMA] J.Y. Park & HWASA_Don’t Leave Me

愛とこだわり溢れる過去のヒット曲たち

 初期の名曲「Elevator」「She Was Pretty」「Honey」はJ.Y. Parkが幼少期にアメリカで触れた洋楽、特にモータウンサウンドへの憧れがダダ漏れしている。当時の韓国は湿度高めに歌い上げる歌謡曲が全盛の時代。オールドスクールなHIPHOPを取り入れた「Elevator」、ド直球ファンクの「Honey」、そして「She Was Pretty」でのファルセットで囁くような歌い方はかなり斬新だったに違いない。

JYP NO.1 X 50 #38 Honey

 マイケル・ジャクソン、プリンス、ジョージ・マイケル……J.Y. Parkと同じ音楽を聴いて育ったオトナの洋楽ファンには懐かしさと共感が、若いK-POPファンにとっても新たな発見があるはずだ。ちなみに、彼が影響を受けたアーティスト達のエッセンスは、BTSが米ビルボードチャートで1位を獲得した「Dynamite」にも入っている。J.Y. Parkが洋楽の要素を自国の音楽に取り入れ、K-POPというジャンルを作っていく過程が見えるのも今作の聴きどころなのだ。

 『J.Y. Park  BEST』の初回生産限定盤には別冊ブックレット『J.Y. Park語録』も封入される。さらに韓国ドラマ『ドリームハイ』のOST「忘れられない君(IF)」、最新曲「When We Disco」の日本語ver.も収録。コアなK-POPファンも『Nizi Project』から入った餅ゴリファンも一聴の価値ある1枚だ。

박진영 (J.Y. Park) “When We Disco (Duet with 선미)” M/V

■K-POPゆりこ
エンタメ企業で働く会社員ライター。広告会社でメディア編集を経験した後、1年半のソウル生活。
学生時代に映画『猟奇的な彼女』とK-POPにハマって以降、韓国芸能ウォッチャー歴16年。
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