歌麿ならやっぱり美人画、写楽なら当然、役者絵（大首絵）、北斎なら「冨嶽三十六景」や「諸国瀧廻り」など、広重なら「東海道五拾三次」や「名所江戸百景」など、そして国芳の勇壮な武者絵。そんないいとこ取りの浮世絵展があるのかというとあるんですね、これが。以前、浮世絵の特集を作ったとき、「日本人の好きなものはぜんぶ浮世絵に描いてある」というタイトルを付けたけれど、ほんとにそうだ。美人、芝居、相撲、旅…。江戸東京博物館収蔵作品に加え、欧米の有名美術館所蔵作品や個人蔵作品で構成されている。浮世絵を代表する絵師5人、彼らそれぞれの代表作品を選んだのだから、浮世絵入門の人にもマニアにも満足できる展覧会となっているのは間違いない。福岡、愛知にも巡回する。