少し前に『徹子の部屋』に出演させてもらいました。『徹子の部屋』に出るのは2度目。前回出たのは40代前半の頃。収録中、前回出たときの私の画像が紹介されたんですけど、驚きました。たった数年前なのに、はっきりと若いんですよ、私。この頃、前髪がパッツンだったのもあるんでしょうが、肌の張りが明らかに違う。超絶若いイルカさん（アーティスト）みたいな感じ。

やっぱり40代は、顕著に衰えが加速していくんだなと実感。この加速をいかに緩められるかが、これからの課題だなと思いました。

ただ、『徹子の部屋』って、それでもかなり綺麗に映るようにしてくれてるんです。とにかく照明がメチャメチャ良くて、私専用のライトが前方からガッツリ当たってるんです。ライトが強すぎて、目線に気をつけないと光が目に入り何も見えなくなることもあったりしますから。徹子さんの専用ライトがあるから、それに合わせてゲスト用も作ってくれているのだと思うのですがマジ助かります。母親からも「綺麗だったよ」と内容よりも見た目の感想がメールで来ました。

『徹子の部屋』に出演する前、ディレクターやプロデューサーなど番組スタッフの方々とZOOMで打ち合わせをしました。要は「何を話すか？」という内容の相談なのですが、事前に色々と私のことを調べてくれていたみたいで。愛犬パコ美の事も知っていてくれて「パコ美ちゃんと一緒に部屋で遊んでいるシーンを動画で撮ってきてくれませんか？　紹介したいので」と依頼が。パコ美を徹子さんに見てもらいたいので喜んで引き受け、パコ美と遊んでいるところをスマホで撮って提出したんです。

ところが収録中、この動画を見た徹子さんがまさかの一言を。笑いながら「あなた暇そうね」と。いやいや、待ってくださいよ。確かに、部屋の中でおばさんが犬とただただ遊んでるだけのシーンは、暇そうに見えるかもしれないけど、これはあなたの番組から頼まれて撮ってきたものなんですけど。なんなら、仕事して疲れて帰宅した後、撮ったんですから。こういう流れを全く理解していない徹子さんって、ホント無邪気というか面白いです。

あと、徹子さんが「あなた、最近は坐骨神経痛やヘルニア、そしてリウマチまでもお持ちだそうで…」と持病の話を振ってきたんですが、その病名を言っている途中から、なぜか笑い出して。いや、病名を言いながら笑ったら絶対ダメでしょ。この病気で苦しんでいる人、たくさんいるんだから。徹子さんじゃなかったら、絶対炎上してますよ。

昔、光浦さんとコンビで仕事した時も、徹子さん「かつて『光浦さんは笑えるブス。大久保さんは笑えないブス』って言われてたらしいわね」っ爆笑しながら言ってきて。ブスって言葉がツボだったらしく。あの方、かなりブラックな笑いが好きなタイプだと思われます。でも、あのくらい悪気なく楽しそうに言われると、こちらも笑ってしまい嫌な気は全くおこりません。

私もあんな風に、可愛らしくて毒っけがあって天真爛漫なおばあさん、いや、おばあさんでは決してないので、何でしょう？　老女？　いや老女でもないし…、存在？　そう唯一無二の存在になっていたいものです。いや、あんな風になるのは絶対に無理だな。

構成・文：松田義人（deco）

プロフィール

大久保佳代子おおくぼ・かよこ

1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
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