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トロント映画祭:ヴェネチアの女優賞受賞作『Pieces of a Woman』が上映

ぴあ

Courtesy of TIFF

ヴェネチア映画祭で女優賞を獲得したばかりの『Pieces of a Woman』が、トロントでも上映された。主演のヴァネッサ・カービーはもちろんのことながら、彼女の母を演じるエレン・バースティン、恋人を演じるシャイア・ラブーフの実力も光る、ずっしりと重い人間ドラマだ。

2時間強の上映時間の最初の30分は、主人公マーサ(カービー)が出産をするシーンに費やされる。病院でなく、自宅で産むと決めたマーサと、子供の父親であるショーン(ラブーフ)は、陣痛が始まったのを受けて助産婦に連絡するが、別の妊婦が一歩先に産気だったことから、彼女は別の助産婦を寄こした。しかし、出産は悲劇的な結果を迎える。そこでようやく映画のタイトルが出て、その後が本番だ。

陣痛に苦しむ様子を30分も描き続けることは映画において稀ながら、その細かい描写はとても重要だったと、クライマックスが訪れた時にわかる。そして、映画は、どんなに辛くても、真実に正直に向き合わないといけない、感情にまどわされずに正しい判断をしなければいけないということを教えてくれるのだ。

監督は、『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』のコルネル・ムンドルッツォ。ハンガリー人の彼にとって、今作は初の英語作品となる。北米時間12日、世界配給権をNetflixが獲得したと報道された。配信がいつになるのかはこれから発表されるが、おそらく次のオスカーを狙い、資格をもらえるタイミングと方法で公開されるのではと推測される。トロント映画祭でも受賞するかどうかも気になるところである。

文=猿渡由紀

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