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iKON、楽曲の良さを最大限に伝える巧みなライブパフォーマンス 幕張メッセ公演を振り返る

リアルサウンド

19/9/28(土) 10:00

 2019年7月27日の福岡マリンメッセ公演を皮切りに、7回目の日本ツアーを行ったiKON。本稿では、9月7日の幕張メッセ公演レポートをお送りしたい。

参考:iKONからリーダー B.Iが脱退 中心メンバーとしての功績と音楽的才能を振り返る

 『MIX&MATCH』時代から定番となった盛り上がりソング「SINOSIJAK REMIX」からライブがスタートすると、幕張メッセを埋め尽くしたコンバットの赤い光とともにすでに観客の興奮はMAX。続く「BLING BLING」、MCを挟んで「KILLING ME」からロックアレンジの「RHYTHM TA REMIX (Rock Ver.)」と前半は重めながらアッパーな曲が続いた。会場全体が暖まりきった後は「LOVE SCENARIO」「Don’t Let Me KnowDON’T LET ME KNOW」と、少し力の抜けた聴かせるナンバーで緩急をつけることも忘れない。

 デビュー年の1stツアーから通訳なしでMCを行ってきた彼らだが、デビュー4年目のアドリブには余裕が見えた。特にJU-NEは「昨日代々木公園を1時間くらいランニングしたけど、誰にも気づかれなかった」「SONGさんはMCの時いじられると怒るけど、後から裏で『さっき何て言ってた?』ってきいてくる」などのエピソードトークで会場の笑いを誘い、JAYに「もう喋らないで」とつっこまれてさらに笑いを提供していた。

 中盤は2人組ユニット別のステージ。BOBBYのソロアルバム『LOVE AND FALL』から「HOLUP!」や「UP」、夏にぴったりなチルなナンバー「FIREWORK」をDKとのユニットバージョンで披露した。さらに、過去V LIVEでチラ見せしたことがあった2人のコラボレーションソング「SUrF」がこのツアーで初披露された。続くユニットはファンやメンバーから“双子”と呼ばれることもあるSONGとCHANのコンビ。2人バージョンの「PERFECT」「JERK」を歌い、秘めた歌唱力を披露した。

 ユニットステージの最後はJAY&JU-NE。レミオロメン「3月9日」、スピッツ「チェリー」をカバー。韓国のメジャーな楽曲とはまた少し違う、J-POPらしい切なさのあるミドルテンポの名曲を気持ちよさそうに歌い上げていた。

 ユニットステージ感想MCの後は、前半とは打って変わって静かなナンバーが中心のセットへ。「I‘M OK」「DON’T FORGET」「GOODBYE ROAD」と、「LOVE SCENARIO」の大ヒット以降の彼らの新しいシグネチャーとも言える、別れの切なさを歌う失恋ソングが続いた。しかし2回目のVCRの後は、ギターのイントロがアガる「FREEDOM」を皮切りに「B-DAY」「DUMB & DUMBER」「WORLDWIDE」(2018ツアーのセトリには入っていなかったので、今回入っていて個人的に嬉しかった曲)「JUST ANOTHER BOY」と、やはりiKONの本領は“皆で歌って踊って騒げるSHOW TIME”ぶりにあることを再確認させてくれるアッパーな曲が続いた。

 最後のMCの後は、また会う日まで待っていて欲しいという願いをこめたかのような「WAIT FOR ME」。盛り上がる曲と聴かせる曲の両方を堪能できるバランスの良いセットリストだったように感じた。

 恒例のファンによるアンコール代わりの「LONG TIME NO SEE」の合唱から始まったアンコールは5曲。アンコールはセットリストがあらかじめ決まっていることがほとんどだが、彼らのライブではその場でメンバーが歌いたい曲を選んでいく。特にラストの曲は「BLING BLING」か「DUMB & DUMBER」かステージ上で決めており、その日の観客の反応を見て決めるという、「ライブにおける本当の意味でのアンコール」をやっているグループは珍しいかもしれない(ライブ途中でJU-NEとJAYの「アンコールは決まってるけど決まってない」「意味わかるけどわからない」というやりとりもあったが……)。さらに今回はダブルアンコールもあり、何故かJU-NEがウルフルズの「バンザイ」をアカペラで熱唱しだすと観客も一緒に大合唱、という場面もあったりと、大きな盛り上がりの中幕を下ろした。

 今回のツアーで強く感じたことは、やはりiKONの楽曲の「良さ」だ。iKONは自作でなおかつメンバーとスタッフが納得いく楽曲が揃うまではどれだけ期間が開いても新譜のリリースはしないという所属事務所の特性もあり、事務所が計画的に楽曲を揃えてアルバムをリリースしているグループと比べると、デビュー年数に対して楽曲が多くはない。

 故にツアーでも披露できる楽曲の数が限られてはくるが、それでも飽きずに何回も聴ける、いわゆる「スルメ系」の曲が多いのだ。ヒップホップやR&Bがベースにありながら、それぞれの曲の根本にあるメロディやビートはけして新奇性やトレンドの表層のみをなぞったものではなく、クラシックではあるが骨太な柱が通っているからこそ、一回の強烈なビジュアル的なインパクトを超えて普遍性があるのだろう。

 加えて、初披露となったBOBBYとDKの「SUrF」のように既存の楽曲とはまた少し異なるトレンド感のある楽曲を生み出すメンバーも出てきていることは、新たな強みではないだろうか。今回は特にそれぞれのメンバーが均等にライブに全力を尽くす姿が印象的で、やはり「ライブ」に最も強みのあるグループなのだろうという認識を強くした。

 秋にはファンミーティング、さらにクリスマスと大晦日を含む年末にも日本でのライブが決定しているiKON。楽曲には興味があるがまだライブを体験した事がない人も一度味わってみてはいかがだろうか。(DJ泡沫)

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