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22/7(ナナニジ)、無観客配信ライブで体現した“11人が集まった理由” グループの完成形で踏み出す新たな一歩

リアルサウンド

20/11/17(火) 0:00

 22/7が11月13日、無観客生配信ライブ『11』を開催した。新木場STUDIO COASTを舞台に行なわれた今回のライブでは、グループの画期となる飛躍を見て取ることができた。一つは配信ライブに特化した映像演出の進化、そしてもう一点、何より大きいのは「11人編成としての22/7」をあらためて前面に打ち出したことである。

 配信が開始されると、本編上演に先立つ影ナレののち、メンバーたちによるライブ前の円陣が映し出され、ライブ直前の臨場感を届ける。ここで披露されたのは、TVアニメ『22/7』第5話で倉岡水巴演じる河野都を中心にして生まれた、アニメ版の円陣だった。ライブに臨むリアルメンバーの息遣いを伝えながらアニメとクロスオーバーすることで、このグループの特性をさりげなく織り込み、盛り上がりを高めた瞬間だった。

 ライブは9月リリースの6thシングル表題曲「風は吹いてるか?」からスタート。続いて同じく6thシングル収録の「ポニーテールは振り向かせない」、さらに「不確かな青春」「願いの眼差し」と続き、セットリスト序盤では22/7らしいシリアスさと爽快なアイドルソングの両面をタイトに提示してみせる。配信オンリーであることを前提にした豊かで安定したカメラワーク、そしてそのカット割りに綺麗に対応したパフォーマンスからは、ライブに向けた準備の入念さがうかがえる。

 続くパートでは先頃結成されたグループ内ユニットの楽曲、“晴れた日のベンチ”(海乃るり・倉岡水巴・高辻麗・武田愛奈)による「半チャーハン」、“蛍光灯再生計画”(河瀬詩・白沢かなえ・帆風千春・宮瀬玲奈)の「タトゥー・ラブ」、そして“気の抜けたサイダー”(天城サリー・西條和・涼花萌)による「ソフトクリーム落としちゃった」が連続で披露され、ライブのスタートダッシュで6thシングルに収められた作品を網羅する。

 そしてここから、アニメで各エピソードのエンディングテーマを受け持ったキャラクターソングメドレーへと突入、同時にこのブロックは、無観客配信ライブならではの演出の妙が最も現れた時間になってゆく。

 バーチャルアイドルとしての名義で発表されてきた各楽曲をスムーズに繋いでいく同パートは、トップバッターを務める河野都(CV:倉岡水巴)「夢の船」で幕を開ける。次いで画面が切り替わると、戸田ジュン(CV:海乃るり)「人生はワルツ」では縦長の空間や単独カメラとの距離感を上手く用いたパフォーマンスが行なわれ、また佐藤麗華(CV:帆風千春)「優等生じゃつまらない」では、スタンドマイクとミラーボールでクラシカルな歌番組を模したような画作りを見せる。

 さらにラウンジスペースを活用した丸山あかね(CV:白沢かなえ)「感情無用論」から、バルコニーで披露される斎藤ニコル(CV:河瀬詩)「孤独は嫌いじゃない」へと、会場内の各所を独立したセットとして利用する展開が続く。一転して、滝川みう(CV:西條和)「One of them」と藤間桜(CV:天城サリー)「生きることに楽になりたい」は、同一フロア上を背中合わせに使うことでライブ感のある繋ぎを見せつける。観客と空間を共有できない環境だからこそ、縦横無尽に会場全体を活かしてむしろ強みに変える、グループの積極的な姿勢が示された。

 そして、楽屋スペースのようなセットで色濃い世界観をみせる立川絢香(CV:宮瀬玲奈)「Moonlight」を経て、神木みかみ(CV:涼花萌)・東条悠希(CV:高辻麗)・柊つぼみ(CV:武田愛奈)の三人による「神様に指を差された僕たち」へと集約してキャラソンメドレーは締めくくられる。

 メンバー各々の個性を引き立てるキャラソンパートのラストを、グループにおける後発キャラクターを担当する涼花・高辻・武田の三人楽曲で締めたことの意義は、ライブ後半で明確になる。MC明け、ライブの熱量をさらに高める「韋駄天娘」から始まった5曲は、いずれも11人楽曲として制作された作品である。今回のライブタイトルとして掲げられた「11」を強く意識させる展開で、ライブ完成へと走ってゆく。

 やがて、ライブリハーサル風景を収めた映像を挟んで迎えたクライマックスで披露されたのは、11人全員による「ムズイ」であった。TVアニメ主題歌であり、元は先行する8人のキャラクター担当メンバーに充てられた同曲。そこに涼花・高辻・武田の3人も肩を並べ、11人全員でパフォーマンスされたこのとき、22/7は一つの“完成”を迎え、新たな道程を歩き出したといえるだろう。

 同じくTVアニメに使用されている「空のエメラルド」も11人バージョンで披露されたのち、ライブ最終楽曲として歌われたのは「11人が集まった理由」。“11”という数字の意味をあらためて描きなおしたライブのラストを飾ることで、この曲にはこれまで以上の強い意味が宿された。

 ライブ中のMCでは、2021年2月24日に7thシングルリリースが決まったことも発表され、来年へ向けた活動も見えてきた22/7。新しいスタートを切った11人は、さらなる高みへ進んでゆく。

■香月孝史
1980年生まれ。アイドルカルチャーほかポピュラー文化を中心にライティング・批評を手がける。著書『乃木坂46のドラマトゥルギー 演じる身体/フィクション/静かな成熟』『「アイドル」の読み方 混乱する「語り」を問う』、共著『社会学用語図鑑』など。

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