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BABYMETAL“神バンド”Ledaが所属 DELUHI、限定復活発表までの軌跡を追う

リアルサウンド

18/11/1(木) 8:00

 DELUHIというバンドをご存知だろうか。活動自体は3年ほどだが、彼らがその3年間という短い期間でヴィジュアル系シーンに強烈なインパクトを残したという事実は、10月10日に届いた結成10周年を記念した限定復活の報せへの反応を見ても明らかだろう。

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 DELUHIは2008年にJuri(Vo)、Leda(Gt)、Aggy(Ba)、Sujk(Dr)の4人で結成されたヴィジュアル系バンドである。Ledaは前身バンドであるGRAVE SEED時代からDELUHI結成初期にかけてSYU率いるメタルバンド・GALNERYUSのベーシストをYU-TO名義で務めていたことでも知られており、結成当初より注目を集めていた。また、この時期のヴィジュアル系シーンは2000年代半ばから始まったネオ・ヴィジュアル系ブームが落ち着き、2011~2012年にゴールデンボンバーが「女々しくて」でメガヒットを記録(リリース自体は2009年)するまでの狭間の数年間。当時DELUHIは彗星のごとく現れ、凄まじい勢いで動員を伸ばし、ワンマンライブのキャパを倍々ゲームのように広げていき、結成2年で渋谷O-WEST(現TSUTAYA O-WEST)ワンマンを即完させた。今となっては珍しいことではないが、現在ほどSNSが発達していないこの頃では破竹の勢いだった。

 当時、ネオ・ヴィジュアル系ブームで生まれた同期を多用したポップなミクスチャーサウンドで、楽曲や見た目の華やかさから“キラキラ系”と呼ばれるバンドが流行っていた一方で、ラウドなサウンドを志向するバンドも多かった。その中でDELUHIのようにメタルをバックボーンに持つバンドは少なかったこともあり、その存在は際立っていた。そして前述したキラキラ系の中でもDELUHIと同時期に結成され、当時頭一つ抜けていたViViD、さらにエアーバンドという形態に賛否両論ある中ヴィジュアル系シーンだけでなく、のちに日本の音楽シーンを揺るがすエポックメイキングをもたらすゴールデンボンバーという3バンドの出現で、2010年代に新たなヴィジュアル系シーンの幕開けを予感させた。しかし、DELUHIの活動はわずか3年で幕を閉じることとなった。

 DELUHIの音楽の魅力はモダンヘヴィネスを軸にしたメタルサウンドと、そこに乗るJ-POPのようなわかりやすいキャッチーなメロディである。このメタルバンドにも引けを取らない本格的なサウンドはギターキッズたちを熱狂させ、キャッチーなメロディは幅広いリスナーに受け入れられる大きな要因となった。

 メタリックなサウンドメイクに注目が集まる彼らだが、メロディアスでポップな楽曲はもちろん、ミクスチャー要素のある曲や、メタル色が一切ない優しい歌モノ、スライドギターを使用したパワーバラード、さらには民族音楽のテイストを持ち込んだものまで楽曲は様々で、間口の広いバンドだった。

 “ヴィジュアル系”というと偏見の目で見られてしまいがちであるが、彼らはヴィジュアル系以外のファンからも多く支持されている。中でも2008年にリリースされた『MAHADEVA』収録曲「HYBRID TRUTH」の怒涛のイントロは衝撃的で、ジャンルを超えて音楽シーンが騒然としたことは今でも覚えている。当時、摩天楼オペラやNoGoD(メジャーデビューまでは新興宗教楽団NoGoD)とともに、メタリックな音を志向するバンド同士でツーマンイベントを開催するなど精力的に活動したDELUHIは、今日のヴィジュアル系シーンにおいてヴィジュアル系メタルの地位を確立させたバンドの代表格といえる。

 2011年に惜しまれながら解散したあと、LedaはSujkとともに始めたソロプロジェクト・UNDIVIDEでの活動を経て、BABYMETALのバックバンド・神バンドへ継続的に参加するようになり、彼の名前は一躍世間に広まった。さらにそこからはAcid Black CherryやSound Horizon、喜多村英梨、luzなどジャンルを超えた錚々たるアーティストのレコーディングやサポートに参加。2015年には盟友・SujkとFar East Dizainを結成し、メロディの良さはそのままにDELUHIの頃よりさらに複雑で難解でありながら、整然とされたジェントを軸にした大人のメタルサウンドを志向している。対するJuriとAggyもそれぞれの活動を経てbreakin’ holidayを結成。今なおともに活動している。

 今回の限定復活に関してLedaは「(DELUHIとしての活動がこのまま)続くものではない」と語っており、復活ライブのチケットは激戦が予想される。解散後7年経ったいまもなお、根強いファンが日本のみならず世界中にいるDELUHIの限定復活は多くのリスナーが待ち望んだ瞬間だろう。彼らは同窓会のような、昔を懐かしむライブを絶対にしないことだけは確信できる。DELUHI解散後もそれぞれが音楽を続け、この7年間で積み上げたものを最新の“DELUHIサウンド”として見せてくれることを、筆者も一ファンとして楽しみにしている。(オザキケイト)

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