Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

東葛スポーツ『71年生まれ、光浦靖子』

19/12/12(木)

彼らがやっていることを「ラップ✕演劇」と書くと、流行りに乗った軽薄な感じがしてしまうかもしれない。けれど全然違う。金山寿甲が主宰する東葛スポーツは、たしかにラップを使った演劇なのだけど、その内容は政治や社会状況をふんだんに織り込んだブラックなもの。キャストの自己紹介ラップでは、小劇場界のゴシップも盛り込まれていたりする。むしろそもそものヒップホップの出自に沿ったラップがそこにはある。 いまの日本の状況に、痛烈な皮肉をかます芝居。かといって、金山自身に大きなメッセージや主張があるというわけでもなさそうだ。個人的には、爆笑問題やナイツの時事漫才を観るときの感覚に近い。私はなにか大きな事件があると「東葛スポーツだったらどんな芝居にするのかな」と思うようになってしまった。 今年7月、『78年生まれ、宮部純子』という公演を行ったばかりの彼ら。言うまでもなく、『82年生まれ、キム・ジヨン』をモチーフにしたもので、宮部純子の(架空の)半生を追いながら女性がぶつかる苦境や差別を見せた。 今回は同モチーフで、2017年にも一度彼らの作品に出演したことのある光浦靖子を再び迎える。今年は芸人関係の不祥事がたくさんあったが、そのあたりも絡んでくるのだろうか。そんな期待もしながら12月の北千住に足を運ぶことになりそうだ。年末は1年の時事ネタの総括にふさわしい。

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む