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Ms.OOJA、コブクロ 小渕健太郎と届けた極上の一夜 ワンマンホールツアー東京公演を振り返る

リアルサウンド

19/11/8(金) 17:00

 Ms.OOJAが、最新アルバム『SHINE』を引っ提げた全国ワンマンホールツアー『Ms.OOJA LIVE TOUR 2019 「SHINE」』の東京公演を開催。聴く人を癒し、ヒーリング効果を与えると言われている“1/fゆらぎ”のシルキーボイスで、集まったファンに極上の一夜を届けた。

参考:Ms.OOJAのシルキーボイスが作り上げる幸せな空間 ライブで感じた“おじゃファミ”との温かい関係

 会場となった昭和女子大学 人見記念講堂は、暗転と共に静かな波の音が響きわたり、モニターにキラキラした水面の映像が映し出される。その演出で一気に非日常に引き込まれると、何層にもフリルが重なった水色のドレスに身を包んだMs.OOJAが登場。突き抜けるような瑞々しい歌声の1曲目「海を見てる」から、ライブは爽やかに幕を開けた。その後も夏らしいナンバーが続き、「東京、一緒に歌ってね!」と声を上げ、観客にクラップを促して一体感を作り上げた「My Song」と、生バンドの音でしなやかに体を揺らす姿は本当に気持ちよさそうだ。

 大人っぽいミドルチューン「星と半分の月」、雨をイメージした演出のもとメロウに歌い上げた「In the rain」など、ここからはさらに一歩踏み込んだ深みのある世界観を表現。そして、2020年2月7日に公開予定のホラー映画『犬鳴村』の主題歌「HIKARI」をパフォーマンス。シリアスで重厚なサウンドに切なくハスキーな歌声が乗り、床を照らすステンドグラス風のライティングも圧巻。映画のイメージを再現したエモーショナルな1曲を客席は固唾を飲んで見守っていた。『犬鳴村』は、ジャパニーズホラーの第一人者である清水崇監督の作品。彼女は実はホラー映画が得意ではないらしく、清水監督の『呪怨』を見てトラウマになってしまった経験があるそう。「そんな自分がホラー映画の主題歌を歌わせていただくとは夢にも思いませんでした(笑)」と、素直なコメントでも会場を和ませる。

 ライブ後半は、それまでとは異なるシチュエーションで彼女の歌に浸れるアコースティックコーナーへ突入。男女2人のコーラスメンバーを前方に誘い、3人でイスに座って「くもり ときどき 晴れ」を歌い上げる。まろやかな音とゆったりと全身に染み渡るような歌声に客席は終始ほっこり。救いのあるメッセージに心が震えた「紫陽花」も、Ms.OOJAらしいストレートな言葉たちに優しく心が包み込まれる思いがした。

 壮大な愛のバラード「Love Song」まで、幅広いセットリストでファンを魅了したMs.OOJA。終盤では「ライブは残り2曲です」と宣言し、「まだあの曲歌ってないよね? あの方も出てきておりません!」と、東京公演のみのスペシャルゲスト・小渕健太郎を紹介。盛大な拍手に迎えられた小渕は「おじゃまします! 一緒にライブができると思ってなかったので今日は本当に楽しみにしていました。よろしくお願いします!」と挨拶し、Ms.OOJAとガッチリ握手。かねてから親交のあった縁で小渕がフルプロデュースした「WAY YOU ARE with小渕健太郎」を、2人ともノリノリの笑顔溢れるパフォーマンスで届ける。Ms.OOJAの声はどこまでも伸びやかに響き、アコギを抱えて楽しそうに動き回る小渕とも時おりアイコンタクトを取りながら熱唱。会場の温かい拍手も演出の一部となり、最高に明るくハッピーな空間が作り上げられていった。

 1曲歌い終えると、小渕は「素晴らしいライブに呼んでもらっています。楽しい!」と興奮気味に語り、「WAY YOU ARE」の制作エピソードを披露。Ms.OOJAがヨーロッパ旅行中に感じた思いを送ったメールがヒントとなり、そこから“あなたはあなたらしく”という歌詞のメッセージに辿り着いたという話は客席も興味津々。「OOJAさんの歌詞って“人生”だから」と彼女の作品性を理解し、さらには「素晴らしい歌声を持つ、日本を代表する女性シンガーだと思います」と絶賛。その言葉を胸いっぱいの表情で聞いていたMs.OOJAも「『WAY YOU ARE』をずっと歌い続けていきたいと思います!」と返し、会場は大きな盛り上がりに包まれた。

 約2時間にわたって、唯一無二の表現力溢れる歌声で酔わせたホールライブ。11月からは、よりコンパクトな空間で彼女の世界観を堪能できる『Ms.OOJA Acoustic LIVE TOUR 2019 『SHINE』』が全国4カ所で開かれる。何度もでも聴きたくなる、浸るほどに心地良い天性の歌声――。それがまた、多くの人を魅了してやまないのだろう。(取材・文=川倉由起子)

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