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「ミナ ペルホネン」とデザイナー皆川明の“ものづくり”に迫る 過去最大規模の展覧会

ぴあ

19/11/19(火) 0:00

『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』

ファッションブランド「ミナ ペルホネン」と、そのデザイナーである皆川明のクリエイションに焦点を当てた展覧会『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』が、東京都現代美術館にて11月16日(土)に開幕。2020年2月16日(日)まで開催される。

デザイナーの皆川明が設立した「ミナ ペルホネン」。流行に左右されず、長年着用できる普遍的な価値を持つ「特別な日常服」をコンセプトとしたファッションブランドで、オリジナルの生地からプロダクトを生み出す独自のものづくりで知られている。

1995年に「せめて100年続くブランドに」との思いでファッションからスタートした活動は、その後、インテリアや食器など次第に生活全般へと広がり、デザインの領域を超えて幅広い展開を続け、2020年で25周年を迎える。

同展は、そんな「ミナ ペルホネン」と皆川明の創作を、「つづく」をキーワードに読み解こうとするもの。生地や衣服、インテリア、食器などのプロダクトに加えて、デザインの原画、映像、印刷物、皆川明の挿絵など創作の背景を浮き彫りにする作品群や資料をあわせて展示する。

展覧会の会場入り口。色とりどりのクッションが鑑賞者を迎える

「ミナ ペルホネン」がこれまでに手がけたテキスタイルを使ったクッションが壁一面に並べられている入り口から展覧会はスタート。会場内は8つのカテゴリーに分けられ、「ミナ ペルホネン」のものづくりの営みが、「実」「森」「風」など自然界にある漢字一文字の意味合いと重ねられて紹介されていく。

ひとつひとつ個性の異なる粒が連なり輪を描く図案「tambourine(タンバリン)」

最初の部屋「実」では、ブランドを代表する刺繍柄「tambourine(タンバリン)」に焦点を当て、ひとつのデザインが生まれてから、生地になり、洋服やインテリアなどさまざまなプロダクトに展開していく様子が展示される。

約25年分、400着以上の服を一堂に集めた洋服の森

次の部屋「森」では、設立当初から2020年春夏コレクションまでの約25年分の服、400着以上が一堂に集結。木々が生い茂る森のように、部屋の壁一面に個性豊かな洋服たちがずらりと並ぶ。

テキスタイルのためのデザイン画など
《carnival》2003-04 Autumn/Winter 刺繍のための図案

「芽」の部屋では、手描きの線や色の重なりが印象的な原画や織物用デザイン、刺繍用図案など、現在800種類を超えるテキスタイルから選りすぐりのデザイン画を紹介。

「種」と題された部屋では、「ミナ ペルホネン」のものづくりの哲学やアイデアを、過去・現在・未来の試みを通して展示。発想のプロセスを描いたスケッチから、制作現場との指示書、素材を最後まで使い切るアイデアまで、さらに皆川が未来に向けて構想している「簡素で心地よい宿」のプロトタイプ「shell house(シェルハウス)」などを見ることができる。

「種」の部屋でのさまざまなアイデアや試み
建築家、中村好文氏とのコラボレーションで生まれた「shell house(シェルハウス)」

また、「土」の部屋では、「ミナ ペルホネン」の洋服とその持ち主との関係に焦点を当て、個人所有の服をそのエピソードと共に紹介。洋服を素材や形としての物質というだけではなく、持ち主と過ごした時間や記憶がその洋服の価値を育てていくことを伝えている。

個人が所有する愛用品15点をそのエピソードとともに紹介

開幕前日に行われたプレス内覧会に出席した皆川は、「“せめて100年は”と思った年月の4分の1が経ったところ。多くの方の助けをいただいてこの展覧会に辿りついたかと思うととても感慨深い」と、生地づくりから始まったブランドの25年を振り返る。

「この展覧会のタイトルである『つづく』は、多くの意味を含んでいます。ひとつのものを作り続けるということ。ひとつのアイデアが生地となり、洋服となり、それを纏う人へと続いていくこと。ものづくりを通して、たくさんの人々、未来とつながり、思いが続いていくこと。そんなさまざまな『つづく』を8つの部屋で見ていただきたいと思います」(皆川氏)。

デザイナー、皆川明氏

会期中はファッションショーや、さまざまなゲストを招いたクロストークも開催。過去25年分、そして未来へと続くものづくりの思いが詰まった「ミナ ペルホネン/皆川明」の世界を堪能してほしい。

『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』 2020年2月16日(日)まで東京都現代美術館にて開催

【関連リンク】『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』

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