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玉三郎が歌舞伎で『白雪姫』に挑む、十二月大歌舞伎開幕

ぴあ

19/12/2(月) 0:00

歌舞伎座十二月大歌舞伎『本朝白雪姫譚話』

本日12月2日に初日を迎える東京・歌舞伎座の十二月大歌舞伎。昼の部ではトリプルキャストの『阿古屋』が話題だ。

『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)』のハイライト「阿古屋」は遊君阿古屋が恋人・景清の居所を知っていて隠しているかを確かめるため、尋問の場で琴・三味線・胡弓の3曲を弾かされるという場面。阿古屋を演じるということは、おのずと舞台の上で実際に3つの楽器を自在に操れなければならない。そのため「女方屈指の大役」と言われ、20年以上、坂東玉三郎だけがこの役を担ってきた。

昨年玉三郎が若手の中村梅枝と中村児太郎に稽古をつけ、舞台にも上げてから一年。今回もBプロは梅枝と児太郎が8日ずつ阿古屋を勤める。Aプロは初日と千穐楽を含む9日間で、阿古屋は玉三郎。Aプロでは梅枝と児太郎は『村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)』、Bプロでは玉三郎が『保名』を踊る。玉三郎が『保名』に出演するのは1993年の歌舞伎座以来、26年ぶりとなる。

A・B共通の『たぬき』は市川中車主演。死んだと思ったが焼き場で息を吹き返した商家の婿養子・金兵衛は、家に帰らず妾と第二の人生を送ろうとするが、待っていたのは描いた青写真と違う未来。可笑しくもほろ苦い人情喜劇だ。

夜の部の『本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)』は、グリム童話『白雪姫』を翻案したもの。玉三郎が白雪姫で、鏡の精が梅枝、野分の前(継母)が児太郎という配役だ。2007年5月に歌舞伎座で行われた俳優祭でも『白雪姫』を上演しており、その時も玉三郎は白雪姫役で出演したことがあるが、今回は本格的な歌舞伎として作り直すという。

夜の部もう1作品は、『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)』。江戸時代に多分野で活躍した才人、平賀源内が「福内鬼外」のペンネームで描いた浄瑠璃の傑作で、渡し守頓兵衛の娘お舟の悲恋を描く。お舟を梅枝、お舟が一目惚れする義岑に坂東亀蔵、義岑の命を狙うお舟の父親・頓兵衛を尾上松緑が勤める。

12月26日(木)まで。

文:仲野マリ

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