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田中みな実の登場を欲してしまったら思う壺 『M 愛すべき人がいて』礼香劇場の集大成!

リアルサウンド

20/6/28(日) 12:00

 『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日×ABEMA)第6話が6月27日に放送された。

参考:『M 愛すべき人がいて』登場人物のモデルとなった人物は? 90年代の音楽シーンとともに解説

 セミファイナルとなる第6話は、アユ(安斉かれん)とマサ(三浦翔平)がスターダムを駆け上がっていく物語。「レコ大」「紅白」の出場、記憶に残るヒット曲として「Boys & Girls」を大ヒットさせ、アユは名実共にスターとなる。天才音楽プロデューサー・輝楽(新納慎也)も認める時代を変えるスターだとマサに声をかける。「スターになれる人なんてほんの一部。だけど、スターで居続けられる人はさらに少ない。登ってからがしんどいんだよ、山は」と輝楽。しかし、そんな言葉もはねのけるほどに、夢を見続けていた。

 2人は、アーティストとプロデューサーの関係性を超え、アユとマサとして着実に愛を育んでいく。マサは、自宅をリフォームしアユと同棲。ドレスルーム、レコーディングルームを完備し、満ち足りた生活を送っていた。仕事は寝る暇もない分刻みのスケジュール。デビュー当初とは大違いの嬉しい悲鳴の一方で、アユはファンの求める理想像と自身のギャップに戸惑っていた。そんなアユをマサは海に連れていく。夜景の見える船の上、「マサはみんなの真ん中にいるんだよ。マサが真ん中にいて世の中が回ってるの。アユは横にいる」というアユの言葉に、マサは夜空を指差し「違うよ。お前はあそこだ。お前は虹を渡ってみんなの上で輝く星になるんだ。もっともっと輝いてみんなを照らせ」と彼女を励まし、指輪を渡す。夜空にかける2つの流れ星。絵に描いたような幸せの絶頂だ。

 そんな2人の愛の巣で待ち伏せていたのが礼香(田中みな実)。ケーキのろうそくに火をつけ、「ハッピバースデー TO ME」と自分の誕生日を祝っているのだ。マサが人生の責任を取ってくれる、つまり礼香はマサのマンションに居てもいいと、アユが選んだ食器をゴミ箱に投げ捨て、「さぁ、お祝いしましょう!」とテーブルには彼女が作った豪勢な料理が並ぶ。

 常軌を逸した礼香の行動にマサは「アユになんかしたら俺はお前を許さない」とアユをかばう。とっくの昔に礼香もマサのことを許してはいない。ちょうどよくリビングにセットされているドラムセット。ドラムスティックを握り、ペダルを踏んでハイハットをリズミカルに鳴らす礼香は、「許さない VS 許さない。どっちの許さないが勝つのかなーーーーーー!」と両手をクロスさせシンバルを激しく叩く。天馬(水野美紀)も「EXCELLENT!!!」と賞賛してくれそうな「ヴァーサス」の巻き舌。左右に目玉をぎょろつかせる細かな演技。轟く雷鳴、「オオオオーン!」という恒例のサイレンのような効果音。「許さなーーーーーーい!」から端を発した礼香劇場の集大成である。

 第6話の構成もいい。スピンオフドラマ『L 礼香の真実』(ABEMA)の配信直前ということもあってか、これまでと比べ第6話は礼香の登場シーンが少ない。冒頭、マサと礼香の“マサ急便の発送”シーンから、「許さない VS 許さない」までは30分以上(ABEMA上で確認。地上波だとCM含めさらに開く)も礼香は姿を見せないのだ。「何かがおかしいな……」と思い始めたら、このドラマの思う壺。知らず知らずのうちに彼女を欲してしまう。礼香という、もはや劇薬だ。

 次週、『M』完結。アユとマサの恋の行方。最後のラブレターにつけられたタイトル「M」。神に選ばれし歌姫アユの運命は。(渡辺彰浩)

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