ジュディ 虹の彼方に
20/3/6(金)
ジュディ 虹の彼方に (C)Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019
17歳で『オズの魔法使』の少女ドロシーに扮し、一世を風靡したジュディ・ガーランド。子役時代からハリウッドで酷使され、生涯クスリ浸けで47歳にして早死にした彼女の、最後のロンドン公演を描いたのが本作だ。
レネー・ゼルウィガーは似ているという以上に、ガーランドのエッセンスを掬いとり、その苦悩を浮き彫りにし、舞台シーンでは自ら歌って驚愕のパフォーマンスを披露する。今にも倒れそうなのに気力で歌いきるガーランドの女優魂、あれほどの名声を得ながら、子供と暮らす家もなかった、搾取され続けたスターの光と影を照らし出す。
また、ゲイの人々にも支持されたガーランドと彼らの絆を描くことで、リベラルな彼女の一面を伝えると共に、映画に現代的、社会的視野をもたらしている。本作を観た後では、もはや以前と同じように『虹の彼方に』を聴くことはできないはず。
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