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大橋裕之のマンガを原作とするアニメ映画「音楽」クラウドファンディング開始

ナタリー

18/7/18(水) 11:00

「音楽」

大橋裕之の同名マンガを原作とする自主制作アニメ映画「音楽」のクラウドファンディングが、Makuakeにて開始された。

「音楽」は、大橋が2005年に自費出版で発表した作品。楽器を触ったこともない不良学生たちが思いつきでバンドを組むところから始まる“ロック奇譚”だ。2009年に太田出版から発売された単行本「音楽と漫画」に収録されている。2012年に、監督の岩井澤健治がプロデューサーの松江哲明らとともに映画化を発表しており、6月で制作7年目に突入した。

2019年春完成を目指す「音楽」のクラウドファンディングでは、目標金額をまず350万円に設定。作画、美術、仕上げ、編集、撮影の残り作業に費やす。目標金額に達成した場合は、目標金額を500万円に増額。劇場公開作品として必要なキャスト、音楽、音響、宣伝等の費用にあてる。リターンとして、「音楽」制作の裏側について岩井澤が描き下ろしたマンガ、同じく岩井澤が大橋のマンガをアニメ化した「山」のDVDなどが用意された。

松江の監督作「フラッシュバックメモリーズ 3D」や小田学の監督作「サイモン&タダタカシ」のアニメーション、松江が演出を担当したドラマ「その『おこだわり』、私にもくれよ!!」のロゴアニメーションなどを手がけてきた岩井澤。現在、1人で「音楽」の制作を行っている彼は「あともう少しなのですが、ここからもう一山あると思います。素手で登ろうとしましたが、ちょっと待てと止められました」「この6年間で精根尽き果て気味ですが、作品の完成を皆様と一緒に見届けられたらと思っております」と述べている。

また、大橋は「岩井澤監督が狂いそうになりながら作った作品を早く観たいし観せたいです。どうぞよろしくお願いいたします!」とコメント。松江は「僕が知る、まだ世に出ていない最後の天才が岩井澤健治監督です。『音楽』が彼の才能の全てが注ぎ込まれた作品であることは間違いないです」と岩井澤の才能に太鼓判を押している。

岩井澤健治 コメント

6年間を振り返ってみると自分でも引くぐらい、相当長かったですが、ようやく完成が見えかけてきました。あともう少しなのですが、ここからもう一山あると思います。素手で登ろうとしましたが、ちょっと待てと止められました。ここまで意地になって頑張ってきましたが、最後は皆様のお力を借りて完成まで確実なルートを辿って行こうと決めました。この6年間で精根尽き果て気味ですが、作品の完成を皆様と一緒に見届けられたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

大橋裕之 コメント

「音楽」はどうなってるのか?と聞かれる度に、もうちょっとで完成が見える……と説明してきましたが、本当にもうちょっとになりました。岩井澤監督が狂いそうになりながら作った作品を早く観たいし観せたいです。
どうぞよろしくお願いいたします!

松江哲明 コメント

まずはお詫びをさせてください。
こんなにも長く発表まで時間がかかってしまったことと、クラウンドファンディングはやらないと決めていたにもかかわらず支援をお願いしていることを。

2012年、「フラッシュバックメモリーズ 3D」のアニメーション部分を制作中、岩井澤監督と「『音楽』ってアニメーションできますかね?」と話してて、その場で大橋さんに電話をし、当時は「『山(岩井澤監督が制作した大橋さん原作の短編)』のような動く紙芝居みたいなアニメーションになったらいいな」と考えていたのが、まさかの6年。そして、きっと完成まではもう1年。こんな状況になると分かっていたら……「無茶だね」と笑って終わっていたでしょう。
僕のアニメーションに対する知識のなさが、現状を招いてしまい、岩井澤監督と大橋さんにただただ申し訳ないのですが、やっと、やっと完成が見えました。
なのでもう一息のラストスパートだけはクラウドファンディングという形でご協力を願おうと、決意しました。
ここで今までのペースで進めていくのは、制作体制的にも難しいだろう、という判断です。

制作開始時は単館レイトで1、2カ月上映してトントンになればなと、それまでの僕の上映経験が生かせればと考えていましたが、今は映画館の状況だけでなく上映形態自体が変わってしまいました。
例えば「音楽」が完成したら上映して欲しいな、と考えていた映画館のひとつである吉祥寺バウスシアターは閉館しています。
もしかしたら当時、僕がやっていた映画館自体と密に関わり、上映を展開させていたようなことは難しいかもしれません。
それでもいくつか考えている案はあります。
岩井澤監督が制作に費やした6年(現時点で)をどうにか爆発させたいのです。

この6年、岩井澤監督が描いた「音楽」をちょびっとづつ観てきましたが、「こんな映像は観たことない」と毎回、驚かされてきました。
この「びっくり」が、僕の「音楽」のプロデューサーとしての原動力です。
「いつかスクリーンでたくさんの人と共有したい」と。

僕が知る、まだ世に出ていない最後の天才が岩井澤健治監督です。
「音楽」が彼の才能の全てが注ぎ込まれた作品であることは間違いないです。
それが最上の形で、世界に、そして観客に届くことを願っています。

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