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大原優乃、なぜグラビアクイーンになった? 名作『吐息』に見る、少女から大人への成長

リアルサウンド

20/8/30(日) 11:00

 今、もっとも人々を振り向かせる魅力を持ったグラビアアイドルといえば、大原優乃を思い浮かべる諸兄が多いだろう。甘酸っぱい青春を思い出させる爽やかな黒髪、思わず吸い寄せられてしまいそうなぽってりとした唇、そして優しさと愛に満ちた大きな瞳ーーコンビニでふと視線を感じて、振り返ったら雑誌の表紙を飾る大原優乃と目が合った、という体験に心をかき乱されているのは、きっと貴方だけではない。彼女の笑顔は、誰も彼をもを一瞬で魅了してしまう、ものすごいパワーがあるのだ。

 大原優乃がそのパワーを発揮したのは、実は最近のことではない。この記事をすかさずクリックした諸兄にとっては釈迦に説法かもしれないが、彼女がデビューしたのは2009年。『天才てれびくんMAX』発のダンス&ボーカルユニット・Dream5の一員として、わずか10歳で芸能界入りしている。その後、Dream5は2014年にテレビアニメ『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマ第1弾「ようかい体操第一」を担当し、そのユニークな振り付けは多くの子どもたちを夢中にさせた。YouTubeにアップされたMVでは、元気にダンスする大原の姿が今も確認できる。

 当時から大原を推していたというアイドルファンは、先見の明があると言えるだろう。大原はDream5の活動終了以降、ティーン雑誌『ラブベリー』などでモデルとして活躍していたが、雑誌不況の波に揉まれて休刊が相次ぎ、仕事は減少。しかし、2017年7月に『週刊プレイボーイ』で初の水着グラビアを披露すると、その圧倒的な健康優良ぶりで人気が爆発。「ついこの前まで『ようかい体操第一』を踊っていた子が、こんなにも成長していたとは!」と、今度は大人たちをも夢中にさせた。そして一気に、彼女はグラビアクイーンとしてあらゆる雑誌に引っ張りだこの存在になったのだ。

 さて、前置きが長くなったが、そんな大原優乃の2nd写真集『吐息』は、昨年度の女性写真集の中でも傑出した一冊である。彼女の地元・鹿児島を中心に、約1年をかけて10代最後の姿を記録した作品で、その温かく湿ったタイトルが表すように、全編を通して大原優乃の息遣いが感じられる仕上がりだ。

 撮影は桑島智輝氏。妻である安達祐実を毎日撮り続けていることでも知られる写真家で、被写体の魅力を多面的に写し出す豊かな表現力が持ち味だ。本作でも、桑島智輝氏の手腕は冴え渡るばかりで、19歳の大原優乃が放つ生命力や人間性、ふとした瞬間に見せる叙情的な色気までもを写し出すことに成功している。

 両手をあげた無防備な姿勢で、頬をほんのりと上気させながら微笑を浮かべる大原優乃の表情に生唾を飲み込み、意を決して表紙をめくると、そこには真っ青な空と海の間で弾けるような笑顔を見せる彼女がいる。ビキニ姿で腰に手を当て、読者に向けて「早くおいでよ!」と誘っているかのようだ。さらにページをめくると、太陽の下、ビーチではしゃぐ大原の姿が次々と現れる。残念ながら筆者には、こんな青春の1ページはなかった。だが、このグラビアを見ていると、たしかに大原優乃と海で戯れた思い出があったかのように感じるから不思議だ。

 冬の雪山、温泉、桜の樹の下、民家、秋の紅葉など、四季折々の風景の中で、大原優乃は時にいたずらっぽく、時に無邪気に笑う。温泉で汗を流したあと、頭に桶を被っておどける彼女の笑顔を見たときには、思わず目を細めてしまった。なんでもない日常も、大原優乃とともに過ごすと、美しくかけがえのない思い出として輝くのである。同じ時代に生まれたことに感謝したい。

 いくつか、特に筆者の心に響いたカットも紹介していきたい。まず、桜の樹の下、薄いピンクのビキニ姿でジャンプをするカット。柔らかな逆光を活用したファンタジックな一枚で、大原優乃は妖精かなにかではないかと錯覚した。丸みを帯びたプロポーションが、アイコニックに表現されているのが楽しい。

 紺色のダボっとしたワンピースにべっ甲柄のメガネ、髪をお団子にまとめたラフなファッションでの上目遣い。もしも自分にこんな姪っ子がいたら、思う存分にわがままを聞いてあげたいところだ。どこか子どもっぽさが残る表情に、父性が沸き起こる一枚である。

 そして、和室で照れ隠しの笑顔を浮かべ、ブラジャーを今、まさに外さんとしているカット……皆までは言うまい。

 さて、そんな大原は現在、FODとYOUKUで日中同時配信中のドラマ『時をかけるバンド』にて、ガールズバンドのドラマー・村上瞳子を演じている。グラビア界を席巻した彼女は、女優としても飛躍の時を迎えつつあるのだ。ひたむきにドラムを叩く彼女の姿に、Dream5時代の天真爛漫な姿と、写真集『吐息』で見せた艶っぽい表情を重ねて見ることをオススメしたい。「昔から知っているあの子が成長して、今は女優として頑張っているんだな」「俺はテレビでは見せない姿も知っているぞ!」と、ライバルに差をつけて楽しめることうけあいだ。

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