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7年の集大成とメジャーデビューの発表 M!LKが約束した「もっといい景色を一緒に」

ぴあ

『M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for you smaile~』Zepp Tokyo公演より

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8月20日、ボーカルダンスユニットM!LKがライブツアー『M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for you smaile~』の最終公演をZepp Tokyoにて行った。 5大都市を巡ったツアーの締めくくりとなった本公演。M!LKにとっても、み!るきーず(M!LKファンの総称)にとっても忘れられないライブとなった公演の模様をレポートする。

Zepp Tokyo、最終公演独特の緊張感と期待感があふれる客席。EB!DAN NEXTのメンバーがオープニングアクトで盛り上げたあと、暗転した会場に5色のペンライトが煌めく。

制服を模した衣装に身を包んだ5人が登場。かぶっていた王冠をそっと外し、始まった1曲目は1stシングル「コーヒーが飲めません」。「ペンライト高くあげていこうぜ!」という佐野勇斗の声に会場が応える。

『BEST L!VE TOUR』というツアータイトルにふさわしく、シングル曲が次々と披露された。「反抗期アバンチュール」と続き、「新学期アラカルト」ではメンバーそれぞれが自己紹介していくが、ひとりひとりの存在感が以前よりもさらに大きく感じられるのは気のせいではないはず。「サマーガンバ」では夏アイテムを手にしたEB!DAN NEXTが登場し、M!LKのメンバーは手にしたタオルを回し、み!るきーずはそれにペンライトで応える。夏全開の「夏味ランデブー」までノンストップで6曲を歌い切り、それぞれの額には汗が光った。

暗転後、ステージ中央に腰かけているのは、佐野、山中柔太朗、吉田仁人の3人。7月28日に配信されたばかりの「月明りの透明」を歌い上げる。先ほどまでポップな青春ソングでみんなをのせていたのに、急に真剣な表情で恋を切なく歌うのはズルい。

色彩豊かな魅力をみせてくれるのがM!LKだ。続くステージでは塩﨑大智がEB!DAN NEXTをバックにダンスでクールな空気を作り上げていく。そのまま、メドレーで「上昇志向クライマー」「MAGIC CARPET」「energy」「May」「Over The Storm」を激しいダンスと共に力強い歌声で披露。ライブ冒頭のポップさから一転、色っぽさがあるステージを展開した。M!LKのメンバー自身も多彩であるが、前半部分だけでもその曲の多彩さを改めて認識させられる。

怒涛の前半のあと、MCでは吉田が「ついにファイナルです! 完走できそうで嬉しい!」というと、それぞれが少し和らいだ表情を見せた。『M!LK SPRING TOUR 2021“energy”』では残念ながら大阪公演を行うことができず、悔しい思いをしていたM!LK。だからこそ、この日を迎えられたことは感激もひとしおだったはずだ。

改めてみ!るきーずに自己紹介をしたあと、今日の公演について「最終日ってこんなに緊張するものだっけ」とつぶやく吉田。オープニングも緊張していたのがメンバーに伝わっていたらしく、塩﨑は「落ち着いて、でも(気持ちは)上げよ!」とジェスチャーで励ましていたことを明かした。でも同時に、彼らがこのステージを楽しんでいるということは十二分に伝わってくる。それはみ!るきーずも一緒かもしれない。

このツアーは7年の集大成

明るい雰囲気そのままに、ライブ後半戦へ突入。EB!DAN NEXTのメンバーも紹介しつつ「SAY YEAY」を披露、曽野舜太のダンスから始まった「白黒Brand New world」「恋がはじまる」ではメンバー同士が目を合わせて笑顔を交わし、見ている側の気持ちも温めていく。1stシングル『コーヒーが飲めません』のカップリング曲「イチニノサン」では、ステージ中央に集まったメンバーが目を合わせ、アカペラでスタート。5人の歌声が重なる瞬間に聴く人の心を掴んでいく。

幕間の映像では、これまでのM!LKの全シングルを今の5人と共にお届け。7年のグループの歴史にはさまざまな道のりがあったが、それを思い返すと同時に、これからのスタートを感じさせてくれるものになっていた。

『My treasure』から始まったメドレーでは「疾走ペンデュラム」、佐野が塩﨑を肩車してはしゃいだ様子を見せた「テルネロファイター」「ボクラなりレボリューション」「ERA」を。これまでのシングルを全曲披露してくれるのはグッと来るが、曲順にも彼らの想いが込められている気がする。

「かすかに、君だった」を歌い終えたあとは、5人がステージ中央へ。揃って深々とお辞儀をすると、吉田が「かれこれ活動してきて7年になります。姿形を変えながら、と言えばそうなんですけどそれでもたくさん多くの方に応援されながらここまで進んでくることができました。このツアーはその7年の集大成だと思っています」と挨拶。そして、「でも、ゴールじゃなくて、僕たちの夢であるドームツアーを僕の大好きなメンバーと僕たちの愛するみ!るきーずのメンバーとこれからもがんばっていきたいと思っています。僕はM!LKがこの5人で本当に幸せだなあ、ってライブをしていて思いました」と言い、涙ぐんだ。思わず、後ろにいた佐野と山中が手を伸ばす場面も。

涙で声をにじませながらも「みんなでもっといい景色観に行きたいな、と思っているので、これからも応援よろしくお願いします!」と言い、「これまでの僕たちがこれからの僕たちの背中を押してくれることを祈りながら、最後にこの曲を歌います」と本編を締めくくったのは「まっしろサンライズ」。

吉田の涙につられたように、佐野が涙ぐみ、マイクを下ろす場面も。一緒に歌っていた山中の瞳にも涙があふれる。涙は伝染し、曽野も頬を濡らした。その中で笑顔を絶やさない塩﨑の姿も印象的だった。感情の表わし方はメンバーそれぞれだったが、共通するのは「このステージに立てて幸せ」だということだったのかもしれない。

しかし、涙で締めくくらないのがM!LK。アンコールでは「愛と合図」をBGMに恋愛シチュエーションゲームを曽野プロデュースで吉田と佐野が繰り広げ、会場を笑わせた。おなじみのツアーグッズ紹介、それぞれの活動のお知らせのあとは、山中の紹介で始まった「Special Thanx」。5人そろってステージの端から端まで移動し、会場のみ!るきーずにお礼を伝え、「最後にみんなでひとつになりましょう!」という塩﨑の言葉で最後の曲「Around The World」を。一緒に手を振り、手拍子をして会場との絆を確かめ合った。

5都市をめぐるツアーを終えたことに、「ツアー完走できてよかったです!」と吉田が言ったあと「そして、ここでみなさんにひとつ見ていきたい映像があります」と流れたVTRは……。結成7周年記念日となる2021年11月24日にビクターエンタテインメントからメジャーデビューが決定した旨を報告するものだった。サプライズ報告に、会場からは抑えきれない歓声が。更に、2022年2月13日にパシフィコ横浜国立大ホールにてワンマンライブ開催も発表された。ビクターのマスコットキャラクター「ニッパー」くんも登場。M!LK初の客席からの撮影も15秒という短い時間ながらOKとなり、お祝いムードに。

僕たちのことを好きでいてくれてありがとう

重大発表に、メンバーからは改めてメッセージが送られた。「夢に向かって走っていく仲間が増えたということで、これからももっともっとみ!るきーずのみなさんを元気にしていけたらな、と思います! そしてまたみなさんにパシフィコで会えることを楽しみにしています!」と最後まで笑顔で走り切った塩﨑。山中は「より一層パワーアップした僕らを見せられると思いますので、ぜひとも応援よろしくお願いします。パシフィコは俺と舜太にとっては初めての場所です。すごく憧れの場所ですし、夢のひとつでもあったので成功させられるように、みなさんといい景色が見られるように、2月13日にお待ちしています」と決意を込めて語った。

「最後なので真面目な話をしようかな、と思うんですけど」と切り出したのは佐野。「まずは本当にこの日まで、僕たちのことを好きでいてくれてみなさん本当にありがとうございます」と客席に向けて感謝を伝え、「こうしてステージ上で踊っているとやっぱりすごいいい景色だな、って。お客さんとこうしてコミュニケーションがとれるのはすごいいい場所だな、と思いますし、いろんな活動をさせてもらっている中でしんどいこととか、悲しいこととかいろいろあるんですけど、やっぱりこのステージに立ってみんなの顔を見るとがんばんなきゃな、と」

更には、「ガラでもないんですけど、メンバーにも言いたいな、と思うことがあるんですけど」と再び少し泣きそうになりながら、メンバーに視線を向けた。「こうやってM!LKでいてくれてありがとう、って。柔太朗と舜太は特に新しく入ってきてくれて」と言うと、こらえきれないように山中と曽野の目からは涙があふれた。ふたりがM!LKに加入してからの悩みや不安を抱えていたであろうことに触れながら「それをみじんも見せないで、ここまで俺たち年上3人に必死でついてきてくれて本当に感謝しているし、2人がいてくれて本当によかったな、と心から思います」と伝えると、会場からは暖かい拍手が。

吉田と塩﨑に対しては「いうことない」としつつも「ここまで俺と仲良くしてくれてありがとう!」と笑顔。「親より一緒にいる。ここまで仲良いって奇跡だと思う。M!LKをあけることも多いなかでM!LKを支えてくれているのは2人だな、って。いつも我が道いっちゃう俺の手綱を引いてくれるのが2人。M!LKが好きだな、このメンバーと、み!るきーずと、スタッフさんが大好きだな、と心から思っております」

もっといい景色をみんなに見せたい

曽野は涙が止まらず、客席を見て「み!るきーずも泣いちゃってる」と言い、更に涙をこぼした。「本当にここまで応援してくださって、ありがとうございます。この5人で楽しくできたらな、って思います。僕がここまでこれたのも柔太朗がすごく支えてくれて……」と涙で言葉をにじませながら、山中に向かって「これからもよろしくね」と言い、しっかりと抱き合った。最後は「これから、僕たちにすこし仲間が増えます。でも、そのおかげでみなさんにもっといい景色を見せられるかもしれません。なので、僕たちのことをみなさんは変わらず、たくさんの愛情で応援してくれたらな、と思います。これからもこの5人も応援よろしくお願いします!」と吉田が締めくくった。

涙とたくさんの愛で包まれた最終公演。しかし、ここで終わらないのがM!LK!? 最後、スクリーンに映し出されたのは、メンバーも知らないサプライズ! 「4泊5日の夏の強化合宿」が決定、しかも、出発はライブ終了後すぐ、とのこと。「だからスケジュール空いてたのか!」「休ませてくれ!」とそれぞれが絶叫しつつ、「いってきまーす!」と会場に手を振り、合宿?へと旅立っていった5人。

「メジャーデビューするからといって変わるわけではない」と5人が口をそろえて言っていた言葉。ひとつの節目を越えて、新たなスタートを切った彼らが、次にどのような景色を見せてくれるのか、楽しみだ。

撮影:笹森健一
取材・文:ふくだりょうこ

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