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武田玲奈はグラビアを通して大人になっていくーー『タビレナtrip3』で見せたアンニュイな表情

リアルサウンド

20/9/8(火) 8:00

 武田玲奈のフォトブックシリーズ『タビレナtrip』『タビレナtrip2』『タビレナtrip3』(東京ニュース通信社)が電子版として配信を開始している。

 2015年、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)に初登場にして初表紙を、初の水着グラビアで飾った武田。表紙に「事件な17歳」「ショートカットの後継者現る!」とキャッチコピーが書かれた当時の衝撃はすさまじいものだった。その透明感と愛らしくも美しい姿、スレンダーボディで瞬く間にあらゆるグラビア誌の表紙を席巻。本業を女優、モデルとする一方で、そのアイドル的人気からグラビアアイドルと呼ばれることもしばしばであった。

 そんな武田が、女優活動に専念するため、2019年いっぱいで水着グラビア卒業を宣言。惜しまれつつも、トータル18回登場している『ヤングジャンプ』をはじめ、『週刊プレイボーイ』(集英社)、『週刊少年マガジン』(講談社)など、多くの雑誌でラスト水着を飾った。2020年に入り、ボートレースのCMやココ役として物語のキーマンとなったドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)への出演と女優として更なる歩みを進める武田だが、今も数少ないグラビアを披露しているのが、『blt graph.』(東京ニュース通信社)にて連載中の「タビレナ」だ。

 2016年10月からスタートしたこの連載(〜2019年2月までは『B.L.T.』にて、それ以降は『blt graph.』)は、もうすぐ丸4年を迎える人気企画。シリーズ連載を1冊にまとめた『タビレナtrip』の帯に書いてある「好奇心旺盛でちょっとだけアクティブな武田玲奈と、絶景・美景・珍景を求めて一緒に旅するフォトブック。」が、この連載を簡潔に説明する言葉だ。

 今年4月、約1年5カ月ぶりに発売された『trip3』の前作との大きな違いは、水着グラビア卒業以降の作品ということ。彼女の1st写真集『short』、2nd写真集『rena』(どちらも集英社)とは別の、コンセプトフォトブックと捉えることのできる『タビレナ』シリーズは、水着こそないものの、『trip1』のその大胆な表紙のショットが示す通りに、先述した彼女のアイドル的人気を象徴する側面も持ち合わせていた。全編イギリスで撮影された『trip2』にもその要素は色濃く残るが徐々に露出は少なくなっており、『trip3』では女優としての武田を映し出した作品に変化している。

 武田と同じく水着グラビアに区切りをつけ、女優に専念する人物は多くいる。最近であれば今田美桜、(謳ってはいないものの)吉岡里帆がその流れに当たるが、吉岡が11月に2年ぶりとなる写真集『里帆採取 by Asami Kiyokawa』(集英社)を発売するように、誰もグラビアという作品を作ることからは目を背けてはいない。そういった視点で改めて『trip3』を開いてみると、そこには2015年に鮮烈なデビューを飾った武田から、大人びて成長した彼女の姿がある。

 舞台となったのは、宮崎、沖縄、三重・伊勢志摩、韓国の4箇所。宮崎の名所である高千穂峡では武田を目の前に一緒のボートに乗った気分になり、沖縄の無人島・ウカビ島では彼女が着る赤のブラトップがターコイズブルーの海と砂浜の上で映える。英虞湾を望む武田の背中が艶やかな伊勢志摩から、チマチョゴリを着た姿が優美な韓国まで。『タビレナ』の魅力は、その景観に合わせた衣装とまさに“トリップ”した感覚になれるその視点、構成だろう。随所で愛らしい笑顔を見せる武田が、ラストの韓国では自然豊かな春川で、アンニュイな表情を浮かべる。その佇まいを見て、23歳の今の武田の思いまで透けて見えたような気がした。

 『blt graph.』連載の方では初の東北に進出し、初夏の青森・八甲田山、さくらんぼ狩りを体験している。『タビレナ』は武田とともに旅する感覚になれるフォトブックであると同時に、彼女の成長を記録する貴重なアーカイブでもある。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■書籍情報
武田玲奈3rdフォトブック『タビレナtrip3』
価格:2,200円(税込)
出版社:東京ニュース通信社
公式サイト

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