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乃木坂46が新センター堀未央奈で快進撃 持ち味の”演劇性”はAKB48の“リアル性”を超える?

リアルサウンド

13/12/3(火) 11:16

 乃木坂46の7枚目のシングル『バレッタ』が発売初日、11月27日に34.7万枚を売り上げ、今週のオリコン週間ランキングで1位が確実視されている。前週発売のSKE48『賛成カワイイ!』の初日売上に迫る勢いを見せる乃木坂46。以前、本連載でも書いた通り、加入直後であった乃木坂二期生である堀未央奈をセンターに据えるという、『大声ダイヤモンド』AKB48に松井珠理奈を起用した時のような劇薬投入を行った本作(参考:乃木坂46の新曲センターに堀未央奈を大抜擢 劇薬的人事は“妄想の女子高”をどう変える?)。この試みは結果的に成功したといえるだろう。

 前作『ガールズルール』では、センターのポジションが、デビュー時より担当していた生駒里奈から、『Ray』のモデルやフジテレビ系の『うまズキッ!』などに出演している白石麻衣へとチェンジ。明るく快活な少女たちのキラキラした最後の夏の思い出を、AKBフォーマットに近いアップテンポなサウンドで歌った。少女から大人へ。ちょっと浮ついた世界の楽曲には、白石の存在が適任であった。

 そして、本作『バレッタ』では、蝶を比喩的に使い昭和歌謡のようなメロディアスで幻想的な世界を描いている。この幻想的な世界をさらに奥深くしているのが、本作でセンターを務めた堀の存在である。黒髪ストレートのロングヘアーに色白の肌、一点をじっと見つめるような眼差しが印象的だ。他の乃木坂メンバーと違い、ファンがキャラクターを把握出来ていないこともあり、とにかくミステリアスな存在感を放っている。この『バレッタ』の世界を摩訶不思議に仕上げる主人公としてはうってつけの人材だった。

 乃木坂46の作品は映像的で、一つ一つの楽曲を一本のショートムービーのように捉えて制作しているように感じられることがある。そして、乃木坂メンバーからも、アイドルであると同時に“演者”としてのマインドを感じることが多い。乃木坂46には結成後、グループ特有のイベントとして“お見立て会”というものがあった。メンバーは集まった観客を前にステージ上の何もない場所で自己表現をし、それを観てファンたちが握手をする相手を決める、という趣旨のイベントだ。ミュージカル公演『16人のプリンシパル』では、たくさんの人の前で演技のエチュード(台本を使わずその場の受け答えを基に役者が動作や台詞を創造していく芝居)を行い、それぞれ役を獲得していった。これはもう、完全に演劇のオーディションである。

 近年、新生東京パフォーマンスドールがデビューより定期公演で演劇をおこない、SUPER☆GiRLSを中心としたiDOL Streetが演劇公演を行ったりしているが、自覚的に演じるという意識に関しては、乃木坂46のメンバーに一日の長を感じる。

 楽曲を作品と捉え、一作ごとに主演を立てる。少女漫画の主人公のように真っ直ぐな生駒里奈。青年漫画のヒロインのように、快活でちょっと大人な雰囲気をもった白石麻衣。角川映画のSF作品の主人公のようにミステリアスな堀未央奈。まだセンターには立っていないが、天才的才女の生田絵梨花や、コメディリリーフなら誰からも愛されるおバカキャラの松村沙友理だっている。乃木坂46という女子校的モラトリアムの中であれば、様々な展開と作品が生まれる可能性が見いだせるだろう。

 乃木坂46が、SKE48を追随するグループにまで成長できたのは、現在主流となっているAKB48やももいろクローバーZなどのように、リアルなドキュメントを追体験させるのではなく、創作された物語世界に身をまかせて楽しむことができるという、新しい基軸の体験を提示できているからではないだろうか。

■エドボル
放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

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