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「月刊 ACTORS☆LEAGUE」 Vol.3 黒羽麻璃央が「ACTORS☆LEAGUE 2021」を振り返る

ナタリー

「ACTORS☆LEAGUE 2021」に参加したキャスト一同。(撮影:小境勝巳)

黒羽麻璃央が企画プロデュースした「ACTORS☆LEAGUE 2021」が、去る7月20日に東京・東京ドームで熱狂の中、幕を閉じた。野球をこよなく愛する37名以上の俳優たちが、黒羽率いるBLACK WINGSと、和田琢磨がキャプテンを務めるDIAMOND BEARSの2チームに分かれ、“野球×エンタテインメント”を繰り広げた一夜。ステージナタリーではコラム「月刊 ACTORS☆LEAGUE」を通して、さまざまな角度から「ACTORS☆LEAGUE 2021」を紹介してきた。

そんな「ACTORS☆LEAGUE 2021」を紐解くコラムの最終回では、黒羽がドリームマッチを振り返る。あの日、東京ドームで黒羽の胸に去来した思いとは。試合の興奮が冷めやらぬ7月末、話を聞いた。

取材・文 / 大滝知里

白熱した東京ドームでの野球を振り返って

試合当日は1万5000もの観客に見守られながら、俳優たちが童心に帰って白球を追った。先制点を勝ち取ったBLACK WINGSの雄叫び、DIAMOND BEARSの華麗な逆転劇、監督対決に試合裏でのキャストのトーク、選手たちの緊張の糸をほぐすかのような掛け合いが印象的だったゲスト解説、“珍”獣&“珍”助っ人の乱入など……試合開始前に黒羽が「日本の中心は俺たち『ACTORS☆LEAGUE』だー!」と宣言した気持ちの高ぶりはそのままに、“野球×エンタテインメント”の全方向へ、「ACTORS☆LEAGUE 2021」メンバーの熱が放たれた。黒羽はその経験をどのように受け止めたのだろうか。

黒羽麻璃央が語る、「ACTORS☆LEAGUE 2021」を終えて

前日の高揚感は、半端なかったですね(笑)。遠足を楽しみにしている小学生のようにソワソワして、夜眠るために、仕事帰りの新幹線の中でもがんばって寝ないようにしていましたが、それでもやっぱり寝つけませんでした。

「ACTORS☆LEAGUE 2021」を終えて、“もぬけの殻”感があります。BLACK WINGSが試合に負けてしまったことは個人的には残念ですが、一から携わった企画で、しかもこのような状況であるにもかかわらず無事に開催できたこと、また、皆さんに喜んでもらえたことに、「やり切れた」という思いでいっぱいです。知り合いの俳優たちと野球をしたいという大きな目標も達成することもできました。この気持ちはなかなか言葉にできませんが、舞台で千秋楽を迎えたときとはまた違うものがあります。

夢がかなった瞬間は…

東京ドームで野球をすることが昔からの夢でしたが、それが「かなうんだ」と最初に感じたのは、東京ドームに入って場当たりであの芝を踏んだ瞬間。いざプレイボールしてから「本当に夢がかなっている」という感覚になりました。試合中は純粋に野球を楽しんでいましたが、休憩中や閉会式中のふとした瞬間に我にかえって「ああ、夢がかなってる」という喜びが湧き上がるんです。帰り道も、夢のような時間を思い出しながら帰りました。

東京ドームのマウンドに立って

プロ野球選手は、僕にとってずっと憧れの職業です。野球でもご飯が食べられるようになれたらっていうのが、うそのない気持ち。だからお客様も入っている東京ドームのマウンドに立ったときは、プロ野球選手と同じ景色が見られて幸せでした。一方で、ベンチではチームメンバーに声援を送りながらも、野球を楽しむ頭と、選手交代のタイミングやバッターボックスに立ってない人はいないか?などと統括する頭、半分ずつ使っていたように思います。僕としては当然、試合に勝ちたかったので、逆転されたときは一番、動揺しましたね。「ヤバい!」って(笑)。まあ、相手が上手だったということなのですが。

“野球×エンタメ”として試合を観てくださったお客様から「野球に興味を持てた」とか「毎年やってほしいな」というお言葉を聞いて、野球を知らなくても楽しんでいただけていたことを実感しました。不思議なんですけど、「皆さんが楽しんでくれたらそれでいい。勝ち負けじゃないよね」と思っている自分と、「うわ、負けたくない」と本気になっている自分がいて、試合を楽しみながらも情緒不安定でした(笑)。

俳優たちからの言葉

試合は6回で終了となってしまいましたが、このご時世のため、もともと7回までの試合だったこと、一生懸命稽古してくださっていたJr.の皆さんの出演が今回は見送られてしまったことに、残念だなとか申し訳ないなという気持ちはあります。でも、皆さんが本当に楽しそうにしてくれていたんですよ。「ACTORS☆LEAGUE」は感謝してもらうために企画したわけではないのですが、俳優たちから試合後に、「こういう機会を作ってくれて、ありがとう」とか、後日個人的に連絡をくれたり、Twitterでつぶやいているのを見たりして、やって良かったなと素直に思いました。終わってみたら、僕にとってはそれがすべてだった。彼らに感謝されたことが、僕は一番うれしかったです。

得られた実感

この1年半、俳優たちも相当なダメージを背負いながら生きてきました。今回、僕は企画やプロデュースもさせていただきましたが、やはり俳優として彼らの気持ちを思うと「ああ、しんどかっただろうな」と。稽古してきた舞台が中止になってしまったり、目標としていた仕事がなくなったり、実際にコロナに感染してダメージを受けたり。だからこそ、あの日だけは「『ACTORS☆LEAGUE』楽しかったよね」と笑顔になってくれたら、きっと僕はそれで良かったんです。配信アーカイブを見返してくれた方もいたみたいですし、そういう僕もアーカイブをずっと観ていました。試合中ではわからなかった俳優たちのキラキラした表情とか、自分の球の癖を新たに発見できましたし、何よりプロ野球中継を見ているようで楽しかったですね。

この企画がずっと続いていけばいいなとは思う反面、今は楽しかったなあっていう虚無感もすごくあって、次のことは正直、考えられません。だって、全部楽しすぎて(笑)。しばらくはこの充実感に浸っていたい。ただ、東京ドームで野球をするという夢がかなって、改めて少年時代の僕に言えることがあるとすれば……「週2くらいで素振りしとけ」かな(笑)。

プロフィール

黒羽麻璃央(クロバマリオ)

1993年、宮城県生まれ。俳優。みやぎ絆大使。第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞。舞台では「ミュージカル『テニスの王子様』」「ミュージカル『刀剣乱舞』」などに出演。東北楽天ゴールデンイーグルスのファンとしても知られ、始球式に登板したほか、球団のオリジナルブランド“T.R.G.E.”ではモデルを務める。近作にミュージカル「ロミオ&ジュリエット」Paraviオリジナルストーリー「リコハイ!!」など。8月から9月にかけて舞台「もしも命が描けたら」に出演。12月31日に、出演作であるテレビドラマ「テレビ演劇 サクセス荘」の映画版「映画演劇 サクセス荘」が公開される。

「ACTORS☆LEAGUE 2021」

2021年7月20日(火)17:00~ ※終了
東京都 東京ドーム

コミッショナー:城田優
監督:山崎育三郎(BLACK WINGS)、尾上松也(DIAMOND BEARS)
ゲスト解説:荒牧慶彦、佐藤流司
キャプテン:黒羽麻璃央(BLACK WINGS)、和田琢磨(DIAMOND BEARS)
選手会長:和田雅成(DIAMOND BEARS)

オープニング演出:城田優
総合演出:川尻恵太

ACTORS☆LEAGUE テーマソング「L・A・S・T」
作詞:城田優
作曲:城田優、UTA

BLACK WINGS チームソング「- B.W. Anthem -」
作詞・作曲:井手コウジ

DIAMOND BEARS チームソング「- D.B. Go For It -」
作詞・作曲:井手コウジ

BLACK WINGSチームメンバー(五十音順):阿部顕嵐、有澤樟太郎、井阪郁巳、岡宮来夢、小西詠斗、近藤頌利、笹森裕貴、章平、田中涼星、西川俊介、橋本祥平、平野宏周、廣野凌大、松田凌、八木将康
DIAMOND BEARSチームメンバー(五十音順):石橋弘毅、岩瀬恒輝、上田堪大、上田悠介、大見拓土、北川尚弥、北園涼、小南光司、椎名鯛造、高野洸、鳥越裕貴、松井勇歩、結城伽寿也、横山真史

(c)ACTORS☆LEAGUE 2021

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