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川島夕空から戸田恵梨香にバトンタッチ! 『スカーレット』に魅せられそうな予感でいっぱい

リアルサウンド

19/10/10(木) 12:00

 喜美子(川島夕空)の級友である照子(横溝菜帆)に、怪しげな影が忍び寄る……。のどかな信楽の町で、照子が行方不明になってしまうのだ。

 連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)第10話では、照子の行方を喜美子らが案ずる。信楽では地元の人々総出で捜索が行われることとなるのだが……。そして物語の終盤では、本作の正ヒロインである戸田恵梨香が登場。物語は早くも大きな転換を迎えた。

【写真】15歳の戸田恵梨香

 このところ草津の方では“人さらい”の存在が話題となっていたようで、喜美子をはじめ、子どもたちの間には不安が広がり、その表情は曇る。照子のことが心配だ。“知らない人に声をかけられても、絶対についていってはいけない”というのは、私たちの暮らすこのご時世でも流布している教えだが、本作で描かれる時代でももちろん同様なのである。しかし彼らは、「『お菓子をあげる』と言われればついていく」というのだからしょうがない。現代では「Nintendo Switch」くらいは用意しないと、10歳の子どもの気を引くことなんて難しそうだ。当時はお菓子で子どもを誘惑できたというのだから、彼らがいかにつつましい生活を送っていたかもここから分かるだろう。

 こんな軽口をたたいてしまえるのも、照子が行方不明となったのが、たんなる家出だったからである。照子が山奥に連れて行かれて何かひどいことをされたり、見世物小屋に売られてしまったりと、恐ろしい想像力をたくましくしていた喜美子なだけに、これにはほっと胸をなでおろしたことだろう。だが観ているこちらとしては、照子の手を引く大男(ただ家出を止めにきただけの男)に一人で立ち向かおうとした喜美子の勇気を讃えたいところであるし、家出の理由さえも明かされないのだから、喜美子には照子の前で派手にすっ転んで見せるなり、大げさなツッコミを入れるなりして欲しかったものだ。

 さて、そんな10歳の喜美子も15歳になり、まもなく中学を卒業するお姉さんへと成長。ここで、喜美子を演じるのが川島夕空から戸田恵梨香へとバトンタッチしたのだ。川島のくるくる変わる表情と芸達者ぶりには毎度思わず感嘆の声をあげ、ほれぼれしてしまっていただけに物寂しいが、高らかな笑い声を上げて自転車を走らせる戸田の姿には、“これからが物語の本番”だと思わせるような快活さがあった。前々期の朝ドラ『まんぷく』のヒロインを安藤サクラが演じた時もそうだったが、すでにキャリアのある俳優がヒロインを務めることはどのように違うのか。戸田にも大いに魅せられそうな予感でいっぱいである。

(折田侑駿)

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