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竜星涼がキーパーソンに? 『メゾン・ド・ポリス』随所に散りばめられた“深い意味”

リアルサウンド

19/2/23(土) 6:00

 “世田谷のジゴロ”の異名を持つ資産家の家で起きた金庫破り事件と、被害者の内縁の妻と愛人、そして家政婦。何やら芳しい雰囲気が漂うプロットに、昨年起きたある未解決事件を想起してしまう人も少なくはないだろう。2月22日に放送されたTBS系列金曜ドラマ『メゾン・ド・ポリス』第7話は、見るからに怪しい関係者たちによるミスリードで生み出されるヒューマンドラマ、とりわけ愛を知らずに生きてきた男が手にしたラブストーリー、とでもいうべきだろうか。“事件”よりも“人間”にフォーカスを当てた、このドラマらしいエピソードであった。

参考:可笑しくも切ない小日向文世の哀愁 『メゾン・ド・ポリス』新たな展開も?

 それにしても、今回の物語のキーとなった伝説の金庫破り“アゲハ”の手口は実にお見事。前クールで放送されていた日本テレビ系列の『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』でも金庫破りをはじめとした様々な“盗み”のテクニックが描き出されていたが、それとは比較できないほど圧倒的な速さ。しかも、コレクションしている蝶の鱗粉を使って、その微妙な動きを見ながらあたかも金庫と会話をするかのように開けるというアイデアの豊かさと合理性には脱帽する。

 しかも、30年前の事件だから窃盗の公訴時効(7年)を過ぎているから追及できないというクライマックスのロジカルさは、決してドラマ的な帰結点ではないにしろ、前述した“らしさ”があふれている。とはいえ、ここにきて登場したこの“時効”というキーワードが、何となくこのドラマのクライマックスの一端を担いそうな匂いがしてならないというのは、深読みしすぎだろうか。物語の最大のキーであるひよりの父の死は20年前。殺人事件であれば公訴時効が撤廃されているが、仮に傷害致死であれば20年で時効が成立するわけだ。こうした時間の流れというものも、ひとつ注目しておきたいところだ。

 ほかにも終盤へとつながる重要なポイントがいくつか散見していた。まずは前回のクライマックスで突然ひより(高畑充希)の家を管理官が訪れるシーンでリビングに仕掛けられていた盗聴器。同じものがメゾンにも仕掛けられており、それを聞いている人物が発覚する。それはメゾンに頻繁に出入りする買い物コーディネーターの草介(竜星涼)。必然的に、今回のエピソードで明らかになった夏目(西島秀俊)の過去や、ひよりの父の死の真相と結びつく意図があると考えて間違いないだろう。

 そして、同じくひよりの父の事件を知っていることが度々におわされてきた伊達(近藤正臣)の存在が、さらに突き詰められること。しかも今回の中盤で、管理官から告げられた言葉を夏目に話すひよりが言う「いつの間にかこの場所(メゾン)が大事になっちゃってたんだって。私は警察の人間です。でも、ここの人間でもあります」の言葉と「信頼」と言う言葉に夏目も著しく反応する。改めて考えてみると、メゾンのおじさまたちのつながりや、ひよりがメゾンを訪れたことにも何か深い意味があるのかもしれない。(久保田和馬)

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