このコラムが公開されるのは2月7日ですけど、ここから1ヶ月前の1月7日に2度目の緊急事態宣言が出されました。当初の予定では、1ヶ月で解除されるという話だったけど、どうなっているんでしょうね。これを喋っている時点（1月中旬）では、本当に先が見えない状況。最近は、変異種も出てきているし、病院への待機人数が多くてすぐに入院できないみたいだし、独り暮らしの身としては本当に怖いです。

ただ、前回の緊急事態宣言で外出自粛を経験しているせいか、そこまで不安はないですかね。仕事的にも、対策の仕方が分かってきたので、前回ほど減っていない感じです。今後、仮に仕事がなくなってしまったとしても、なんか乗りきれそうな気がしています。一度経験しているって強いです。「Netflixで何を観ようかな？」とか「kindleで漫画何を読もうかな？」とか、収入が減ってしまうという現実を考えなかったら、楽しめそうです。

ただ、私のように愛犬パコ美がいるにしても、1ヶ月ずっと一人きりでご飯を食べるっていうのは、超絶しんどいです。無言のご飯タイムなんて10分足らずで終わってしまいますから。ちょいちょいパコ美に向かって一方的に話かけはしますが、そこはやはり犬ですから。犬相手に喋るのも限界があります。私がテンション高めに話しかけると、パコ美、そそくさと逃げるときもありますから。

だから、もちろん外食をしにお店へ行ったりはしないですけど、親友いとうあさこさんと近所に住んでいるスタイリストのHちゃんは、勝手に「家族」という括りにさせてもらい、10日に一度くらいは、誰かの家で一緒にご飯を食べるようにしていましたし、今回もするつもりです。

あさこさんは50歳、Hちゃんはアラフォーなんですけど、これくらいの年齢で独身、かつバリバリ働いている女性って、かなり神経質に感染防止対策しているように思います。万一感染した場合、一緒に仕事をしているタレントさんへモロ影響してしまうので、そこはかなり慎重になるんだろうなと。私も、ガサツな性格のわりに結構気をつけているつもりですけど、それよりもあさこさんやHちゃんは注意しているので、一緒に時間を過ごすのも安心できます。

ただ、そうやって気をつけていても、感染するときは感染してしまうのが新型コロナウイルスの怖いところ。さらに今は、医療体制がひっ迫している問題もあり、仮に熱が出ていたとしても、場合によってはすぐ検査ができない事もあるみたいで。難しいですよね。

自分に置き換えて考えてみると、仮に「うわ、今日熱っぽい」と思って、体温を測って37度くらいだったら、正直ちょっと様子見をしてしまいそうな。想像しますもん。「今、PCR検査を受けて感染していたことがわかったら、あの人とあの人に迷惑をかけてしまう。この仕事に迷惑をかけてしまう」って。37度くらいなら、素知らぬふりして過ごしてしまうかも。

いや、ダメですよ。少しでも不安に思うことがあれば、速やかにPCR検査を受け、正直に行動履歴を説明して感染拡大を止めないといけないんです。でも、いまのところ、もし感染したとして、濃厚接触者はあさこさんとHちゃんのみの可能性が大。2人とは事前に話し合っていますから。「もし、この中の誰かが感染したら、ご飯をするために集まったと正直に話していいからね。恨まないから」と。素敵な家族ですよ。

構成・文：松田義人（deco）

プロフィール

大久保佳代子おおくぼ・かよこ

1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
http://www.p-jinriki.com/talent/oasiz/