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「モリのいる場所」山崎努がヨコハマ映画祭で特別賞に、樹木希林の不在を惜しむ

ナタリー

19/2/3(日) 18:29

第40回ヨコハマ映画祭表彰式の参加者たち。左から松坂桃李、東出昌大、山崎努、役所広司。

第40回ヨコハマ映画祭の表彰式が、本日2月3日に神奈川・関内ホールにて開催された。

ヨコハマ映画祭は、1980年にスタートした映画ファンのための祭典。審査員特別賞の表彰を受けた「カメラを止めるな!」の監督・上田慎一郎は、“同作公開に関わるすべてのムーブメント・関係者”が評価対象となったことから「過去にこういった(評価の)記載をされた映画はなかった。映画自体はキャストとスタッフで作ることができますが、本作が起こしてきたムーブメントはファンの方がいなければできなかったと思う」と感謝を述べる。「カメラを止めるな!」と同様にワークショップから作り上げる新作を準備中だという上田は「つい先日、ワークショップに来てもらうキャストたちを選別しました。これから脚本も当て書きで書いていく予定です」と構想を明かした。

新人監督賞に輝いた「鈴木家の嘘」の野尻克己は、賞の名前に“森田芳光メモリアル”と付いていることに触れ「森田芳光さんは敬愛する映画監督の1人。子供のときはあまり邦画を観なかったのですが、テレビで『家族ゲーム』をやっていたから、日本映画って面白いと気付くことができた」と述懐。「鈴木家の嘘」の撮影前にも「家族ゲーム」を見直したそうで「突飛なことをやっているようで“ど真ん中”を描いていて、すごく勉強になった」と改めて尊敬の念を込めた。

監督作「モリのいる場所」で脚本賞に選ばれた沖田修一は、スピーチにて「この映画を最初にやりたいと言ったのは、僕自身。山崎努さんを撮りたいという気持ちから生まれたものでした。ラブレターのような気持ちで脚本を書きました」と制作過程を語る。

また同作で実在の画家・熊谷守一を演じ、特別大賞に輝いた山崎努は、観客やほかの受賞者からスタンディングオベーションで迎えられた。「素晴らしい人物を演じることができて、こんな立派な賞までいただいて、もう言うことはありません。ただひとつ、妻役を演じた樹木希林さんがいてくれたらきっと喜んでくれただろうと思うと、(亡くなったことが)残念です」と心境を明かす。俳優としての功労を評価されるも、山崎は「芸能とかは苦手で、ほかに面白いことがないかなあと思いながらやってきました。今でもなかなか見つからないので仕方なく俳優をやっています」とあっさり話して笑いを起こした。

「菊とギロチン」「友罪」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」で監督賞を受賞した瀬々敬久は、各作品への思い入れを語る。中でも自主制作として手がけた「菊とギロチン」については「“どうしても作りたい映画”というのは、やっぱりあるんだなと思いました」とコメント。同作の現場を振り返る中で、表彰式に参加していたキャストの木竜麻生は「(瀬々が)すごくやつれていたんですが、一緒に戦ってくれているんだなと思えた」と、東出は「別の方に演出で『自己を解放しろ! そんなに自分がかわいいのか!』と肉迫していて、すごい熱量だなとドン引きしました(笑)。でも“映画愛の渦”のような場にいられたので、素敵な現場でした」と証言した。

そのほか表彰式では、作品賞を含む6冠を達成した「寝ても覚めても」より、撮影賞に選ばれた佐々木靖之がスピーチ。同作のメガホンを取った濱口竜介は、瀬々との監督賞同時受賞を受け、手紙で「(俳優たち)1人ひとりの輝きがどんどん増していくのを実感しながら、佐々木さんとともにカメラの後ろにいた夏は、今もとても幸せな記憶として(自分の中に)あります」とメッセージを寄せた。

※山崎努の崎は立つたつさきが正式表記

第40回ヨコハマ映画祭 日本映画個人賞

作品賞

「寝ても覚めても」

監督賞

濱口竜介「寝ても覚めても」
瀬々敬久「菊とギロチン」「友罪」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」

森田芳光メモリアル新人監督賞

野尻克己「鈴木家の嘘」

脚本賞

沖田修一「モリのいる場所」

撮影賞

佐々木靖之「寝ても覚めても」「体操しようよ」

主演男優賞

東出昌大「寝ても覚めても」「菊とギロチン」「OVER DRIVE」
役所広司「孤狼の血」

主演女優賞

安藤サクラ「万引き家族」

助演男優賞

松坂桃李「孤狼の血」

助演女優賞

松岡茉優「万引き家族」「blank13」「ちはやふる -結び-」
伊藤沙莉「寝ても覚めても」「榎田貿易堂」

最優秀新人賞

唐田えりか「寝ても覚めても」
吉沢亮「リバーズ・エッジ」「銀魂2 掟は破るためにこそある」「ママレード・ボーイ」
木竜麻生「菊とギロチン」「鈴木家の嘘」

審査員特別賞

「カメラを止めるな!」公開に係る全てのムーブメント、関係者

特別大賞

山崎努

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