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海老蔵企画の南座公演「いぶき、」に児太郎・廣松が意気込み、九團次は「いぶきますよ!」

ナタリー

左から大谷廣松、中村児太郎、市川九團次。(提供:松竹)

市川海老蔵企画公演「いぶき、」の取材会が昨日5月14日に東京都内で行われた。

海老蔵が企画する「いぶき、」では、義太夫狂言の名作「妹背山女庭訓」より道行「願絲縁苧環」と「三笠山御殿」、常磐津の舞踊「乗合船恵方万歳」を京都・南座で上演する。出演者には中村児太郎、市川九團次、大谷廣松ら若手がそろい、彼らが大役を勤めることでも注目を集めている。

取材会には児太郎、九團次、廣松が出席。「妹背山婦女庭訓」で杉酒屋娘お三輪を演じる児太郎は「女方を志すうえでやりたいと思っていた役。岡本町のおじ様(六世歌右衛門)や父もお三輪という役を大事にしておりましたし、一人の男性を一途に思い、その思いであたり優しさ、娘の風情を出していければいいなと思っております」と語る。

漁師鱶七実は金輪五郎今国を演じる九團次は「実直な武士として後半一番大事な部分で登場します。ファンタジーなこの物語の最後を締める、立役としても憧れの大役でございますので、しっかり勉強させていただきます」とコメント。また、舞踊「乗合船恵方万歳」で演じる萬歳については「鱶七とはまったく違う楽しい役。ほわっと幸せになっていただけるよう、ことほいで勤めさせていただきます」とほほ笑んだ。廣松は「妹背山婦女庭訓」で烏帽子折求女実は藤原淡海、「乗合船恵方万歳」で才造を勤める。「求女の役回りは、二枚目なのですが芯があり、内に秘める思いを表現できたらいいなと思います。才造は国立(劇場)の勉強会で一度勤めさせていただきました。またやれることがうれしいです」と感慨を述べる。

若手俳優の成長の機会を作ることを目的とした本公演は、歌舞伎界に続く公演になるように「いぶき、」と名付けられた。タイトルにある「、」の意味を問われると、児太郎は「海老蔵のお兄さんが字画的にも『、』があった方がいいのではないかということで、このようなタイトルになりました。若いからこそ挑戦していくという姿勢を忘れずに、一生懸命勤めたい」と背筋が伸びた様子。一方、九團次は「若手にまじって、全力でいぶきたいと思っております! いぶきますよ! いぶきます!」と高らかに宣言した。

本公演に対する思いを聞かれると、「海老蔵のお兄さんのお名前に恥じないように、お客様がどこまで観てくださるかわからないが、完売御礼をめざしてがんばりたいと思います」と児太郎。九團次は「普段、海老蔵さんの公演は大体大入り満員が当たり前の景色になっているが、それは当たり前ではない。学ぶこと、お客様に来ていただくこと、勉強会はすべて大変です。でもそれ以上に学ぶこと感じることがたくさんありますので、がんばって参りたいと思います」と答え、廣松は「諸先輩に教えていただく機会が少なくなってきておりますが、海老蔵のお兄さんのお名前まで貸していただいて、みんなで舞台に立てる。たくさんのお客様に観ていただいて、次の『いぶき、』につなげられるようにがんばります」とそれぞれに意気込みを見せた。

公演は6月17日から20日まで。チケットは本日5月15日に発売された。

市川海老蔵企画公演「いぶき、」

2021年6月17日(木)~20日(日)
京都府 南座

一、妹背山婦女庭訓

願絲縁苧環

杉酒屋娘お三輪:中村児太郎
入鹿妹橘姫:中村芝のぶ
烏帽子折求女実は藤原淡海:大谷廣松

三笠山御殿

杉酒屋娘お三輪:中村児太郎
烏帽子折求女実は藤原淡海:大谷廣松
豆腐買おむら:市川新蔵
入鹿妹橘姫:中村芝のぶ
漁師鱶七実は金輪五郎今国:市川九團次

二、乗合船恵方万歳

萬歳:市川九團次
才造:大谷廣松
田舎侍:市川新蔵
通人:市川新十郎
大工:市川升三郎
子守:市川福太郎
白酒売:市川右若
芸者:中村芝のぶ
女船頭:中村児太郎

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