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NEWSとファンに届けられた仲間からのエール 『FNS歌謡祭』など通してジャニーズメンバーが体現した“思い合う”精神

リアルサウンド

20/12/4(金) 6:00

 毎年恒例の『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)。12月2日放送の第1夜、ジャニーズアーティストからは嵐(松任谷由実とのコラボ)、KAT-TUN、KinKi Kids、King & Prince、SixTONESが出演した。

 本来ならばNEWSも出演を予定していたのだが、11月29日にメンバーの小山慶一郎、加藤シゲアキが新型コロナウイルスに感染したことを発表。やむなく、今回は出演を見送った。

 言わずもがな、誰のせいでもない。誰の身にも起こり得ることだ。このことは、2020年現在、誰もが承知していてほしいことである。

 しかし11月25日放送の『ベストアーティスト2020』(日本テレビ系)では、多数のアーティストが一堂に会した。小山、加藤の身を案ずる声はもちろん、ネット上では演者間の濃厚接触を不安視する声があがった。

 そんななか、多くのファンを安心させたのが関ジャニ∞・村上信五の言葉。11月28日放送の自身のラジオ番組『村上信五くんと経済クン』(ラジオ関西)の冒頭で、同番組の舞台裏でとられた厳戒な感染対策について、詳細に触れていた。

 さらに11月30日には嵐・松本潤が、ジャニーズ公式有料サイトにおける自身の連載にて、不安の渦中にいるファンの声に応えた。

 松本は、嵐のメンバー、嵐に関わるスタッフが自主的にPCR検査を受けたこと、全員陰性であったことを報告。そして「仲間」へとエールを贈った。

 タレントもファンも、今はみな見えない恐怖とたたかう同士。互いを気にかけ、情報を共有し、励まし合っていると感じる。

NEWSとファンへ届けられたエール

 番組開始当日、放送を直前に控えた『FNS歌謡祭』公式Twitterが、突如タイムテーブル変更の情報を伝えた。そこには、22時台〜「#FNS緊急コラボ」【相葉雅紀×KAT-TUN×King & Prince×SixTONESでNEWSに贈る応援歌「weeeek」】との文字。

 驚いたのはもちろんのこと、NEWSの出演をただなかったことにしない番組のはからいは、沈んでいたファンの心を温めた。

 この「NEWSに贈る応援歌」の文言はすぐにハッシュタグとなり拡散されたほか、一部のteamSixTONES(SixTONESファンの通称)は「#心は元気にNEWSへ希望yellを」と追加し、NEWSとNEWSのファンへエールを贈った。

 前述した『ベストアーティスト2020』内のシャッフルメドレー。SixTONESのデビュー曲「Imitation Rain」のカバーを担当したグループこそNEWSだった。

 オリジナル曲を先輩がカバーするという経験は、SixTONESが長年、諦めずに追いかけてきた「デビュー」の実感をより確かなものにさせただろう。翌日にはメンバーのジェシーが、ブログで喜びの声を綴っていた。

 後輩の大切なデビュー曲と真摯に向き合いカバーした先輩の姿、そして「もしも自分の大切な人が」と想像し、渦中にいる相手を思いやる心が、ファン同士を優しく繋いだ。

「シンデレラガール」代打をつとめあげたKAT-TUN 中丸雄一

 目玉企画であるジャニーズコラボステージは、3組で構成された。1曲目は、KAT-TUNとSixTONESによる「keep the faith」。

 クールな衣装で決めた9人。上田竜也と田中樹によるラップパートのコラボには、エモーショナルな感情を抱いたファンも多いだろう。亀梨和也と京本大我が落ちサビで聴かせた、美しいハーモニーも印象的だった。

 相葉が「2組のいいところしか出ていなかった」と感想を述べたように、互いの魅力と強みをぶつけ合いながらも溶け合う、迫力のコラボを魅せた。

 続く「シンデレラガール」。亀梨いわく“ジャニーズみんな歌いたいあるある”の歌い出しを、今回は中丸雄一が担当。ジェシー、田中が、甘い歌声で歌い繋ぐ。サプライズの連続だ。

 中丸と向き合って歌う岸優太は、その後ろ姿からも嬉しさが溢れている。また、それぞれ歴は違えど、同じ時代を切磋琢磨してきたKing & PrinceとSixTONES。かつて、ドラマ『スプラウト』(日本テレビ系)で兄弟役を演じた神宮寺勇太とジェシーが、並んで歌う姿も微笑ましい。

 ステージ後のトークにて、本来「シンデレラガール」はNEWSとKing & Princeによるコラボであったことが明かされた。代打をつとめると聞かされたのは2日前だという。

 「死ぬ気で覚えた」と中丸。NEWS・増田貴久とメールを交わしたエピソードを笑いをまじえて語り、増田が元気であることをそれとなくアピールした。

 しかし「シンデレラガール」のカバーは相変わらずの争奪戦。先輩たちのカバーを、いつも嬉しそうに見つめるKing & Princeの姿にも好感がもてる。番組終了前のトークでは永瀬廉が「いつか亀梨くん、上田くんも」とお願い。次回はどのメンバーがカバーを勝ち取るだろうか。

NEWSへの愛にあふれた時間に

 生放送の大トリ。その大役を務めるはずだったNEWSに、音楽を通して仲間が贈ったエール「weeeek」。NEWSを代表する1曲だ。

 自身の曲やコラボステージではクールな表情を見せていたSixTONES・松村北斗は優しい微笑みをたたえながら、森本慎太郎は軽快かつおちゃめにリズムを刻みながら、弾むような歌を届けた。トレードマークの笑顔を絶やさぬリーダー・髙地優吾は、尊敬する相葉の頼もしい背中に何を思っただろうか。

 平野紫耀のカウントでサビへ突入すると、ボルテージは一気に上昇。相葉のソロパートでは、隣からKing & Princeが不思議な動きで盛り上げる。増田に憧れを抱く髙橋海人の笑顔を見ながら、いつかまた、コラボが叶う日を願った。

 そして迎えたエンディングトーク。同曲について上田が「やっぱり、NEWSのみんなが歌って一番輝く曲。小山と加藤には早く戻ってきてほしいですね」と優しい表情で語ると、相葉が「3人揃っているところ見たいね」と返す。

 仲間の身に何かあれば助け合い、思い合う“あたりまえ”を、今日もジャニーズメンバーは体現している。

 終始NEWSへの愛にあふれた時間が、どこか閉塞したこの時代に、離れていても繋がるぬくもりを思い出させてくれた。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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