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小島みなみ&紗倉まなが語る、サザンオールスターズ歌詞の力「心の芯を強くもちたい時に聴きます」

リアルサウンド

18/8/17(金) 18:00

 MTVが上質なオトナの時間をお届けする番組『オトナの青春名曲BAR』にて、8月は特別編としてサザンオールスターズの40周年を記念した特集を放送する。サザンオールスターズの40年の栄光の歴史の中から、著名人が厳選した名曲を毎週90分、4週にわたって放送する内容だが、その第3回目に登場するのが”おとといフライデー”の小島みなみと紗倉まなだ(初回放送日:8月18日24時~25時30分)。

 今回、リアルサウンドではMTVとコラボレーションし、番組の特別編として二人にインタビュー。放送された選曲をもとに、サザンオールスターズの魅力と自身との思い出を語ってもらった。(編集部)

・大人の世界を少し勉強できたのかもしれない

ーーサザンオールスターズとの出会いを教えてください。

小島みなみ(以下、小島):きっかけは父がすごく好きで、気がつけば車の中のBGMでずっとサザンオールスターズさんが流れていて。幼稚園ぐらいの時からずっと聴かせていただいています。

ーーその当時はどんな曲を聴いていましたか?

小島:「栞(しおり)のテーマ」や「Oh! クラウディア」とか、しっとりしたバラード曲が印象に残っています。

紗倉まな(以下、紗倉):私も両親が、サザンオールスターズさんが大好きで、でもそれだけでなく学校でもみんな聴いていました。あとはエロティックな歌詞が幼い心ながら、刺激的で。すごく新鮮な切り口でメロディが刻まれていく印象を持っていました。「わ! すごい! こんな曲あるんだ! 大人の曲!」と思っていたんです。それで中学に上がった頃に放送されていたドラマ『大奥 ~第一章~』(フジテレビ系)の主題歌だった「愛と欲望の日々」も、歌詞が素敵だなと思った記憶があります。だから、ずっと日常の中にいつもあったな、という印象ですね。

ーー紗倉さんは、サザンオールスターズの歌詞に惹かれていたんですね。

紗倉:そうですね。口ずさむと両親が笑ったりするんですよ。「ちょっと、おませね」みたいな感じで。そういうのを見て「あ。これは大人の歌詞なのね」って思っていたりもしたんですけど、それで大人の世界を少し勉強できたのかもしれないですね。

小島:“大人の世界”で言うと……私、「マンピー」ってピーマンのことだと思ってました。

紗倉:あははは(笑)。

小島:本当!(笑)。二十歳くらいになってから「あ!……G★SPOTって……あ!!!」って(笑)。

紗倉:「ザギンでシースー」みたいな感じで「ザギンが銀座だから、マンピーはピーマン」って。

小島:そうそう!! ちっちゃい時は。

紗倉:あはははは!(笑)。でもそうだよね。まさかって思うよね。

小島:そんな大人の曲だなんて知らなかったんです。曲のノリもいいから、そんないやらしい気持ちじゃなく口から出ちゃう、言いたくなっちゃうみたいなところがありますよね。

ーーそれでは、それぞれ選曲いただいた中から思い入れのある楽曲と、そのエピソードを教えてください。

小島:よく車の中で聴いていた曲なんですけど、「LOVE AFFAIR ~秘密のデート~」とか「HOTEL PACIFIC」のようなノリノリの曲が好きで選びましたね。「海行くぞー!」みたいな。確かお父さんのドライブの定番のセットリストだったと思います。

紗倉:私は結構エロい選曲で……「マイ フェラ レディ」とか「マンピーのG ★SPOT」はもう、さっきの話でも言っていたエロの免疫として強烈に残っている曲でもあるんですが、「TSUNAMI」は、私が学生の頃に付き合っていた男の子と大網白里ってめちゃくちゃ汚い海があるんですけど、そこでイヤホンを分け合って聴いた思い出があって、「これがもっと綺麗な海だったらいいね」「いつか綺麗な海に行けたらいいね」って言っていたり……その一カ月後に別れたんですけど(笑)、それもあって「TSUNAMI」を聴くと、すごくセンシティブな気持ちになるというか、「あの時楽しかったなー」とか「大網汚かったなー」「いい曲だったなー」と色んなことが連鎖して思い出されて。あの頃ずっと聴いていた曲でもあったので、好きな曲で挙げると絶対出てくる曲という感じですかね。

小島:私も思い出したんですけど、「TSUNAMI」を音楽の授業のテストで一人一人歌うことになって、めちゃめちゃ歌いました。結構難しい歌じゃないですか。だからいっぱい練習したし。

紗倉:どこのパートだったの?

小島:ソプラノ。一人ずつ歌うテストで、男子が結構苦戦していました。

紗倉:えー。いいね。私の行っていた高校なんか渋い曲ばっかだったから、私も「TSUNAMI」を歌いたかったな。

小島:「TSUNAMI」を歌うってなったらテンション上がるよね。

・「もっとがむしゃらじゃなきゃダメだぞ」と言われてる気がした

ーー今回発売された『海のOh, Yeah!!』の一曲目は「TSUNAMI」なんですよね。「TSUNAMI」はイントロがなく、アルバムの一曲目が桑田さんの声から始まるというのもいいですよね。

小島・紗倉:素敵ですー。

ーーこのアルバムには新曲も収録されています。まず「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」はいかがでしたか?

紗倉:私、桑田さんの歌詞のルビ振りが好きで。例えばこの曲だと〈生存競争(いきていくの)は〉とか、曲を聴くのと歌詞を見て感じる印象が違うじゃないですか。そのイメージをすり合わせるのがいつも好きです。あと、桑田さんって音を聴いて歌詞を選んでいくって聞いたことがあるんですが、それを聞いた時もすごいなって思いました。そう感じないじゃないですか。何て言うか、歌詞が先にあってからの曲なのかなって。でも、この曲は本当に、歌舞伎町を思い出しました。

小島:夜の街感ありますよね。

紗倉:「愛と欲望の日々」がすごく好きで、その夜の匂いのするような感じもあるんですけれど、今回MVではビジネスマンのような人たちが出てきて、山から突き落としたり蹴落としたりするというシーンもあって、世間に淘汰されていく人々の苦しみを感じて「うおおおお」となりました。

小島:自分のお仕事と何となく照らし合わせちゃったところもあるんですけれど、「もっとがむしゃらじゃなきゃダメだぞ」と言われてる気がしました。「もっと頑張れるんだろ?」みたいな。〈弊社を「ブラック」とメディアが言った〉っていう歌詞があって、最近ニュースになったりするこのネタにも〈違う違う〉って否定してたりして、なんか……「頑張れよ」って言われてる気がする。

紗倉:現代ワードが散りばめられている感じがしましたね。MVでオフィスで仕事しているフリしてアダルトサイトを見てて、それを誰かがLINEで撮って炎上しているシーンがあって、今までのサザンさんのイメージとはちょっと違う部分があって新鮮でした。

小島:力強いけど、なんか切ないよね。

紗倉:でも、最後突き放す感じではなく、「しんどいのわかるよ。そうやって生きていかなきゃいけない時代だもんね」っていう。最後に〈愛を込めて〉って歌詞で終わることも含めて、出勤前に聴きたくなりますよね、特に。

小島:大事な仕事の前、気合いを入れたい朝に聴きたい、みたいな。

紗倉:そうだね。女の子たちがめっちゃ集まる仕事の場とか、あたし絶対これ聴くもん(笑)。

小島:あー。そうだね。そんなにギスギスはしてなくても、確かに何となく戦い感はあるもんね(笑)。

・「この集団行動に絶対負けないぞ」と背中を押されながら聴いている

ーー「壮年JUMP」はいかがでした?

小島:三ツ矢サイダーのCMで聴いた時は爽やかな歌だなって思っていたんですけど、今回ちゃんと歌詞を見ながら聴くと、私たちも“おとといフライデー”というアイドルユニットとして活動しているのですが、それに照らし合わせちゃったりして。おとといフライデーは「輝けるのも今だけ」というのがコンセプトなんですが、ファンの人に「こうやって思ってもらえてたらいいなぁ」って。でも、歌詞に〈グッバイ〉ってあるのはなんでだろう。

ーー推測ですけど、桑田さんにも当時好きなアイドルがいて、そのアイドルと別れなきゃいけない瞬間があって、その気持ちが入ってるんじゃないでしょうか。

小島:なるほど。それを聞くとなおさらこういう気持ちで応援してほしいなって思いました。やっぱり輝ける時ってその一瞬だけですから。

紗倉:しゅわしゅわって気泡の弾ける感じのサウンドがアイドルを見ている時の胸の高まりにすごく被って聞こえました。めちゃくちゃ爽やかな曲で、夏の時期には絶対聴きたくなりますね。

ーー原由子さんがボーカルの「北鎌倉の思い出」に関してはどうでしょうか。

小島:私この曲めっちゃ好きです。癒されるし、壮大な感じ。

紗倉:わかるー。

小島:「もののけ姫」の草めっちゃ生えた時みたいな!

紗倉:デイダラボッチが踏み潰した後ね。「共に生きよう」のところでしょう。

小島:そうそうそう。

紗倉:確かにこの〈100年前に消えた〉って歌詞も含めて、『もののけ姫』の世界に通じるところは感じるよね。

小島:最後の歌詞もめっちゃ気になりますね。〈歴史の闇に埋もれて〉〈時に弄ばれて〉って、「こんなに爽やかだったのに、意味深!? 気になるー!」って。でも最後には〈闇は晴れてゆく〉で「よかったー」って(笑)。映画の主題歌ということで、映画もすごく気になりました。

ーーお二人がサザンを聴きたくなる時ってどんな時ですか?

紗倉:夏ですね。湘南や南房総に行ってる時は絶対。季節ごとに聴きたいアーティストが私の中ではあるんですけれど、サザンさんは初夏から夏の終わりまでのイメージが強くて。

小島:あとは、優しい気持ちになりたい時。私、すごくバラードが好きなので。でもめっちゃ切ないっていうよりも、程よい優しさが入ってる、ほっこりまったりしたものがいいです。

ーー先ほどお話にもありましたが、仕事の現場で聞くこともありますか。

紗倉:めっちゃあります! 自分を強く持ちたいとか、勇気をもらいたいとか、心の芯を強くもちたい時にもやっぱり聴きます。さっきお話しした「愛と欲望の日々」もそうなんですけど、女性がいっぱいいる中で生き抜いていくというイメージというか……歌詞の力もあるんですが「この集団行動に絶対負けないぞ。ピシッ!」みたいな感じで背中を押されながら聴いてるなぁと、思いました。

・同じような布団の上の出来事を表すにしても異なる“言葉”

ーーサザンオールスターズの桑田さんの歌詞で好きな歌詞はありますか?

紗倉:〈五臓六腑を駆けてゆく〉とか〈惚れたはれたの真ん中で〉って……やっぱり「エロティカ・セブン(EROTICA SEVEN)」が好きですね。桑田さんって、お会いしたこともないし、本当はどういう方なのか存じ上げないのにこういうことを言うのもどうかと思うんですけど……「(もしかしたら)さまざまな女性と辻斬りのごとくセックスをしてきたのかな?」と思わせられる歌詞が好きなんです。「なんかエロいわぁー」って想像するじゃないですか。それがすごく好きで。

小島:わかるわかる!

紗倉:でも「TSUNAMI」や「いとしのエリー」のように、本当に好きな人はちゃんと想うっていう。そういう振り幅に引き込まれてる部分もあるかもしれない。

ーーエロでもいやらしくない言葉のセンスもすごいですよね。

紗倉:同じような布団の上の出来事を表すにしても、違う言葉を使われているから「ほほー。学ばせていただきます」という気持ちになります。

ーーサザンオールスターズのライブは観たことはありますか?

紗倉:映像でしかないんですが、エネルギッシュで画面で見ている気がしないですね。しぶきが飛んで来そうな勢いというか。「やっぱり生で観たいな」と思ったりしながら見てますね。

小島:CDで聴くよりも、ライブの時だとノリに身を任せて歌ってる感じがします。

紗倉:遊び心が沢山あってファンサービスがすごいですよね。来た人を楽しませるという気持ちが沢山あって、愛があるなって感じますね。生で観たら泣いちゃうと思います。

ーー最後にデビュー40周年に対してお祝いのコメントやメッセージを。

紗倉:世代を超えてずっと受け継がれていく名曲を沢山作られていることもすごいなと思っているのですが、それをずっと楽しませていただいていることにも本当に幸せなことだなと同時に思っていて。桑田さんがさらに歳をどんどん重ねた時にどんな曲を書くのか、今後も楽しみにされている方も沢山いらっしゃるし、私もそのひとりです。ただただ「神」だと思っているので、本当に簡単な言葉ですが、応援しています。

小島:生まれた時からサザンさんの曲を聴いて育ってきたと言っても過言ではないので、このまま私がおばあちゃんになるくらいまで、素敵な曲を出してほしいです。40年ってすごいじゃないですか。私はまだ25歳なので、まだまだなんです。初期から中期の曲が特に好きなんですけど、どの曲もすごくて。最近の曲もそれとはまたちょっと違う感じで、時代を感じ取っているようなところもあって、新しい曲が出る度に楽しくて聴かせていただいてます。大好きです。サザンさんの曲はどんな曲でも今聴きたい喜怒哀楽に合わせて聴くことができる。このまま私がおばあちゃんになるまで作っていただきたいと思います。本当に40周年おめでとうございます。(リアルサウンド編集部)

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