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若手世代きっての実力派! 中川大志、“いくえみ男子”を体現する芝居力

リアルサウンド

19/11/12(火) 6:00

 現在放送中のドラマ『G線上のあなたと私』(TBS系)で、主人公・也映子(波瑠)が大人のバイオリン教室で出会う、恋愛に不器用なイケメン大学生・加瀬理人を演じている中川大志の、こじらせツンデレキャラが話題を呼んでいる。

 中川は、9月末まで記念すべき第100回目の朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)で、主人公・なつ(広瀬すず)の夫・坂場一久という重要な役を演じていた。強い熱意をもったキャラクターであり、アニメに向き合い続けたいなつを支える夫として視聴者に愛された。

 そんな中川は、2009年に子役として俳優デビュー。一世を風靡した2011年のドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)では一家の長男役として注目を集めていた。その後もNHK大河ドラマ『真田丸』など、幅広い作品に出演してきた中川。爽やかイケメンなイメージもさることながら、その豊かな演技力も評判が高い。

【写真】中川大志の撮り下ろしショット

 ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)では、主人公・音(杉咲花)の婚約者である馳天馬を演じ、最後まで一途に音を想い続けた王子様のような存在を演じていた。クサすぎて引いてしまいそうな台詞も、中川演じる天馬が発することで素直に受け止められた視聴者も多かったことだろう。一方、『監獄学園-プリズンスクール-』(MBS・TBS系)では、女子風呂を覗こうとした罪で謹慎生活を強いられる高校生・キヨシを演じていた。過激な下ネタも盛り込まれた本作で、中川が見せたバカバカしくも熱い演技は“王子様”とは正反対のものだった。

 またauのCMシリーズ「意識高すぎ!高杉くん」で細杉君を演じているのも中川である。長髪にメガネ、独特の話し方で、かなりクセの強いキャラクターだが、その異様な存在感がクセになる視聴者も多い。

 物語に溶け込み、自身の雰囲気をガラリと変えてしまう中川の演技力。『G線上のあなたと私』では、原作者・いくえみ綾が数多くの作品で描く、爽やかなのにどこか不器用で憎めない“いくえみ男子”を体現する。

 中川演じる理人は少々無愛想。也映子や幸恵(松下由樹)にツンとした態度をとるが、第3話では、3人で「G線上のアリア」を弾くために手作りの教本を用意し、2人に手渡した。さりげない言葉や描写から優しさが滲み出る理人。中川はそんな憎めないキャラクターを自然体で演じている。

 また中川の繊細な演技が光るのは、想いを寄せる兄の元婚約者・眞於(桜井ユキ)を前にしたときのシーン。練習を重ねるうちに距離が縮まったのか、也映子と幸恵に時折穏やかな表情を見せるようになった理人。しかし眞於を前にした途端、その表情は固くなる。15歳で出会ったときから眞於を一途に想い続ける理人が、眞於への想いと複雑な関係に悩む姿は、見ていて心が苦しくなる。理人は発表会を終えた後、いてもたってもいられず「好きです」と眞於に告白した。タイミングを見計らうこともなく告白した姿は清々しく、理人の目は眞於への想いでいっぱいだった。

 フラれ、やけ酒するシーンでは、20歳になったばかりの理人が幼い部分を見せる。酔っ払った理人はどこか幼く、その純粋さが、也映子の心をかき乱していく。ドラマ終盤、酔っ払った理人は也映子に“壁ドン”。困惑する也映子の目をじっと見つめると「だって今日可愛いから」と言い放つ。普段の理人からは考えられない姿だったが、酔っている状態でも、理人らしいまっすぐな言動がブレない姿だったとも言えよう。

 SNS上では、居酒屋のシーンと“壁ドン”に関して「かわいい」「悶え死にそう」と大きな反響が寄せられていた。「こんな顔もできるのか」と中川の演技に感心する声もあがっていた。

 中川は『なつぞら』出演時にインタビュー(https://realsound.jp/movie/2019/08/post-409805_2.html)で「見る人の力をなめてはいけない、何かを作って届ける側の人間として真剣勝負で向き合っていかなくはならない」と答えていた。『G線上のあなたと私』の取材時(参考:https://realsound.jp/movie/2019/10/post-429561.html)には、いくえみ作品から「視聴者のみなさんに想像してもらう余白」を感じ、「原作を意識して計算して……というよりは、素直に演じていきたいなと思っています」と答えている。一つの作品を作り上げる制作側の思いと視聴者の思いを両方感じながら真摯に演じているからこそ、作品ごとに全く違う形の“中川大志”が生まれているのかもしれない。

(片山香帆)

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