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30代前半遅咲きブレイクがトレンドに? 中村倫也、田中圭、高橋一生に共通するキャリア

リアルサウンド

18/7/6(金) 6:00

 『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が最終回を迎えてから約1カ月。いまだ人気が衰えることなく、放送終了後にオフィシャルブックの発売や、田中圭演じる“はるたん”の日めくりカレンダーの発売も決定したというから驚きだ。そして、このドラマをきっかけに本格ブレイクを果たした田中がかつて出した2冊の写真集も重版となったというから、『おっさんずラブ』ブームは本物だといえるだろう。

【画像】田中圭、高橋一生の活躍ぶり

 現在33歳の田中。16歳のときにCMでデビューして以来、コンスタントにドラマ出演を続け、最近では大島優子と恋に落ちる不倫男を演じた『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)でのだめんずぶりや、篠原涼子の夫を演じた『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)での理解ある理想の夫像を体現して注目を集めつつはあった。しかし、『おっさんずラブ』で演じた心優しき鈍感男・春田創一役で見せたポンコツダメ男ぶりは、彼のベビーフェイスと“かわいい”という表現しか見当たらない顔芸&ジタバタぶりによって、女性の母性にも似た“放っておけない”心を大いに掻き立て、それによってデビュー17年にしてブレイクを勝ち取ったのだ。

 もちろん、それまでも田中圭という名前を知っていた人も多いだろう。しかし、彼の俳優としての代表作を聞かれると、これといった作品がなかったのも事実。それが30代に入ってから突然のブレイク。“はるたん”というはまり役を得たこともあるが(そこには吉田鋼太郎演じる武蔵、林遣都演じる牧の相乗効果もあるとはいえ)、田中がこれまでの俳優人生で地道に実力を磨き、自分の個性やアピールポイントを自分でしっかり認識、役としての立ち位置や自分のやるべきことを学んできたことの結果ではないかと思う。そして、それらは30代という年齢でブレイクしたほかの俳優たちにも共通して言えることだ。

 その代表格といえるのが、『民王』(テレビ朝日系)や『カルテット』(TBS系)でブレイクした高橋一生と、NHK朝ドラの『半分、青い。』で“マアくん”ロスを起こしている中村倫也、『セカンドバージン』(NHK)で人気を博した長谷川博己。高橋は子役出身ではあるが、3人とも舞台で実力を培ってきたツワモノだ。高橋は劇作家の横内謙介率いる劇団扉座、中村は蜷川幸雄にしごかれ、長谷川は名門の文学座出身。それぞれ映像という分野での知名度はなかったが、舞台での経験が役者としての実力を高め、それが30代という年齢になって花開いた。いまや3人とも映像の世界でも引く手あまたの人気者となっている。そして、それは田中と同様に、これまで得てきた俳優としての経験値や実力をここぞとばかりに発揮した結果であり、若くしてブレイクしたイケメン俳優たちとの違いだといえるだろう。

 ちなみに、綾野剛が現在再放送されている『カーネーション』(NHK)に出演したのも30歳のとき。さらに、逆輸入俳優のディーン・フジオカが『あさが来た』(NHK)で“五代さま”ロスを起こしたのも35歳だった。

 若いうちは“カッコいい”、“カワイイ”だけでいいかもしれない。しかし、実力がない者は生き残れないのが、芸能界という弱肉強食の世界。年齢を重ね、酸いも甘いも知った彼らの活躍は今度も続くだろう。そして、ブレイク前夜の三十路俳優はまだまだいるに違いない。

(馬場英美)

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