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若尾文子映画祭

20/2/25(火)

『浮草』(2/29、3/1、3/9、3/10、3/12) 角川シネマ有楽町 「若尾文子映画祭」(2/28〜4/2)で上映。 歌舞伎役者の中村鴈治郎と、大映のトップ女優だった京マチ子が落ちぶれた旅役者の哀愁を見事に演じている『浮草』も、4K修復版での上映だ。 旅回りの駒十郎(中村)一座が夏の港町にやってくる。この地には、駒十郎がかつてお芳(杉村春子)に生ませた清(川口浩)の母子が住んでいる。今は駒十郎と連れ添っているすみ子(京)は駒十郎とお芳、清の関係に疑いを抱き、一座の若い娘・加代(若尾文子)に清を誘惑するように仕向ける。 小津安二郎監督が、「喜八もの」と呼ばれる自作『浮草物語』(1934)をリメイクした『浮草』。義理人情と親子の絆を縦糸に、男女の機微を横糸に織り込んで、日本映画ならではの味わい深さを出している傑作だ。 蝉しぐれ、蚊取り線香、夕立ち、浴衣、提灯など季節の道具立てと、遠近感が完璧に計算された構図の中から日本の夏の情緒が匂い立つ。 郵便ポスト、傘、鯉のぼりなど、赤をアクセントにした小津独特の色彩設計も見逃せない。 もちろん、可憐で華やかな若尾文子、小津のミューズである杉村春子の演技も必見の素晴らしさだ。

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