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ポップしなないで、自主企画のステージで繰り広げた変幻自在な音楽 

リアルサウンド

19/8/1(木) 10:00

 ポップしなないでが、6月29日に新宿LOFTにて自主企画『ポップしなないでpresents.「そそげ!ドンペリ」』を開催した。

参考:ポップしなないで、ライブで魅せた“非日常の世界” キーボード&ドラムによる独創性を紐解く

 8月7日には3rdミニアルバム『禁じられてはいない遊び』の発売が決定しており、それに先立って新曲を配信リリース、さらに9月からはレコ発ツアーも開催されるなど話題が絶えない中、着々と“ポしな中毒者”を増やしつつある彼ら。今回のライブが行われた新宿LOFTは、ポップしなないでの自主企画としては最大規模の会場となり、対バンには東京カランコロン、挫・人間、ラブリーサマーちゃんが集結。どれも独自の個性や音楽性を確立しているバンドばかりだが、ポップしなないでもまたこの2人にしか出せないカラーや独特な世界観を持っている。そしてその色合いはますます濃く、深いものになってきた。そんなバンドの変化も感じられたこの日のライブの模様をレポートしたい。

 会場が暗転しステージの幕が開くと、かめがい(Key/Vo)がハイテンションで飛び出してきたのに続き、いつも通りクールにかわむら(Dr/Cho)が登場。待ってましたと言わんばかりの熱っぽい拍手に迎えられ、1曲目はキラーチューン「魔法使いのマキちゃん」でライブがスタートした。跳ね返る水のようなピアノの音色と、渇いたスネアの音が絶妙なバランスで混ざり合い、一瞬にしてフロアの空気感を変えていく。2曲目「救われ升」では無機質にリフレインされるサビと対を為すようにだんだん演奏が激しくなっていき、それに合わせて力強い手拍子が響き渡った。12月に行われたワンマンに比べると、オーディエンスの反応が明らかに違う。観客たちはこの時点ですでに、ポップしなないでの世界に入り込んでいるように見えた。

 「こんばんは、ポップしなないでです。今日はありがとうございます!」そんな挨拶から始まったMCを経て、音源とはまた違うアレンジが加えられた「言うとおり、神様」、言葉遊びのような歌詞がユニークな「オシマイノリティ」を畳み掛ける。一糸乱れぬタイトなドラムプレイを見せるかわむらと、大きく上半身を揺らし、時には感情的に声を張り上げて歌うかめがい。この2人の凸凹感が、ポップしなないでならではの持ち味でもある。そんな風に一見違うタイプなのに、これ以上ないほどピッタリとハマる関係性が描かれた楽曲「フルーツサンドとポテサラ」も披露された。

 ライブ中盤のMCでは、企画についてのトークに。対バン企画では知り合いのバンドが招かれるパターンも多いが、今回はどの共演者とも面識がなく、ポップしなないでが素直に「観たい」と思う人たちを呼んだそうだ。かわむらが涼しい顔でさらっと辛辣な言葉を挟むたび、かめがいが慌てて突っ込むテンポの良い掛け合いに、フロアからは笑い声が絶えない。YouTubeで公開しているネットラジオ『オールナイトニッポし』を聴いていてもわかるように、2人の不思議なコンビネーションは音楽だけでなくトークでもその魅力を発揮する。

 その後は、先日MVも公開された新曲「Creation」をプレイ。捲し立てるような歌と迫力ある演奏で観客を圧倒させ、続く「UFO surf」では手拍子とかけ声で盛り上がり、ラストは「みんなノリノリで踊る曲で終わりましょうかね」という呼びかけから「丑三キャットウォーク」へなだれ込む。フロアには沢山の手が挙がり、中には飛び跳ねて踊る観客の姿もあった。シリアスでドキッとさせるフレーズが多い「Creation」、ポップしなないで流のロックチューン「UFO surf」、アダルティな雰囲気漂うダンサンブルナンバー「丑三キャットウォーク」と、最近は今までとは少し違ったタイプの新曲が多い。アニメやゲーム、漫画に影響を受けている独特な世界観はそのままに、ドラムと鍵盤だけのシンプルな編成で自由自在に曲の雰囲気を変えていく。これはもともとバンドが持っている器用さにプラスして、歌や演奏の表現力が研ぎすまされてきた今だからこそ目立ってきた変化なのかもしれない。そう思うと、ポップしなないでの隠された引き出しはまだまだありそうだ。

 こうして本編は終演したが、すぐにフロアからアンコールを求める手拍子が起こり、2人は再びステージに登場。ここでレコ発ツアー『ヨルネコアルク』の対バンが発表された。愛知公演にはめ組と新しい学校のリーダーズ、大阪公演にはコレサワ、宮城公演にはONIGAWARAと集団行動の出演が決定、そして9月22日に渋谷WWWで行われるツアーファイナルはワンマンであることが明かされると、大きな歓声が飛び交った。嬉しい発表にフロアが温まったところで、アンコールは「ノストラ」と「エレ樫」を披露。今後の活動への期待も鮮やかに残しつつ、イベントの成功を決定付ける盛大な拍手に包まれながらこの日のライブは幕を閉じた。(渡邉満理奈)

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