Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ジェジュン、各曲へのリスペクト感じたカバーライブ Mattも迎えたパフォーマンスを振り返る

リアルサウンド

19/11/26(火) 7:00

 11月17日、幕張メッセイベントホールで、ジェジュンのコンサート『J-JUN LIVE 2019 ~Love Covers~』が開催された。

(関連:ジェジュン、BIGBANG D-LITE……K-POPアーティストによる個性豊かなJ-POPカバー

 今回は、発売以降好評を得ているJ-POPのカバーアルバム『Love Covers』の楽曲をメインとしたスペシャルライブ。会場は立ち見が出るほどの満席で、2階席の天井まで観客で埋まっていた。いつもと違う特別なコンサートということで、ファンたちの気持ちも高まっている様子だった。

 開演時間になり会場が暗転し、ピアノ演奏によるオープニングSEが流れると、ファンたちが持つ赤いペンライトが会場を包む。ステージの大きなスクリーンには今までのライブ映像が。そして「愛してる」の文字がステージ前方のスクリーンに映し出されると、大きな歓声が上がった。

ジェジュン色に染め上げたカバー曲によるコンサート
 ステージの奥からスポットライトで照らされたジェジュンが現れると、〈愛してる愛してる…〉と静かに歌い出した。ステージを飾る最初の曲は、中島美嘉「愛してる」のカバーだ。流れる景色の写真に溶け込むように感情的に歌い上げると、大きな拍手に包まれた。

 続いて聞き覚えのあるピアノのイントロが流れる。DREAMS COME TRUEの「未来予想図II」だ。『ミュージックステーション』でも披露されて話題になったこのカバーは、ドリカムのメンバーである中村正人も認めたほどだ。

 前方のスクリーンが上がってステージが明るくなり、ジェジュンがはっきりと現れると、会場からさらに大きな歓声が上がった。赤いじゅうたんが敷かれた階段、宮殿のようなセットに立つ、キラキラとした装飾の赤いジャケットを着たジェジュンは、まるで“王子様”のよう。ステージには左側後方にバンド、右側にストリングスが構えていた。ジェジュンの声にストリングスの音が重なると、「未来予想図II」はさらに重厚な仕上がりに。最後までしっとりと聞かせてくれた。

 曲が終わると、「みなさん、どうもジェジュンです!」と挨拶。ファンからの大きな歓声に「わ! 嬉しい!」と会場を見回して、素直に喜びの声を上げた。今回はスカパー!の生中継があるとのことで、カメラの先にいるファンにも声をかける。「僕も新しい気持ちで今日最後まで一生懸命皆さんとコミュニケーションとりたいと思います。一番後ろのお客さんも、たくさん声を出してくれると嬉しい」と遠い席のファンやテレビの前のファンにまで気遣う姿を見せた。

 最初のMCを終えると、「メロディー」(玉置浩二)のストリングスによるイントロが流れ出す。後ろのスクリーンには海の景色と歌詞が流れ、曲に合わせたぴったりな演出だ。

 日本語で歌うことで、ステージの前にいる私たちに伝わることは大きい。次に披露された「僕が死のうと思ったのは」(中島美嘉)では、その言葉の重さを強く感じた。〈僕が死のうと思ったのは〉という歌詞から始まるこの曲は、ジェジュンの込める感情と相成り、ぎゅっと胸を締め付けられるような気持ちになる。最後、愛する人に出会ったことで歌の中の主人公の感情は変わるのだが、その歌詞に込めたジェジュンの心を強く感じられる曲だった。

 真っ暗になったステージに差すスポットライトの中でアカペラで始まったのはレミオロメンの「粉雪」だ。雪が降る景色をバックにジェジュンが歌いだす。最後は頭上から粉雪が降り出した。

 今回のコンサートではそれぞれの曲に合わせた演出が用意されていた。前述した「粉雪」では雪が降ったが、「最後の雨」(中西保志)では雨音から曲に入り、そのまま同じ雨がテーマの「レイニー ブルー」(徳永英明)へと流れていった。そして、同じ徳永英明の「壊れかけのRadio」へ。とてもよく考えられたセットリストだった。

■ファンとのコミュニケーションを大切にする姿
 小田和正の「言葉にできない」では、ファンによるサビの大合唱にジェジュンは「みんな歌ってくれてありがとう。一緒に歌うと気持ちいいですね」 と、満足げな表情を浮かべていた。

 2回目のMCの際、『第61回 輝く!日本レコード大賞』で『Love Covers』が企画賞を受賞したこと、新曲「Ray of Light」が1月スタートのアニメ『ランウェイで笑って』(MBS・TBSほか)のエンディングテーマに選ばれたこと、11月27日放送の『ベストアーティスト2019』(日本テレビ系)に出演することが立て続けに発表。「昔から日本で曲を聴いてくださった皆さんのおかげ」とファンたちを見回すと、「歌を聞いてくれる人がいないと出せない。みなさんが1位にしてくれたから。またアルバムを、シングルを出せるようになりました」と言うと、「嬉しい知らせがいっぱいあるのは、みんなのおかげだ!」と大きな声で感謝の言葉を述べた。

 MCの最後に、SMAPの「らいおんハート」のコーラスの練習をし、サビを会場全体で歌うことに。生中継を見ているテレビの前のファンにも「一緒に歌いましょう」と促し、全員で合唱したあと、そのまま本編の曲へと入っていった。

 今回のコンサートでは最初のMCでジェジュンが語ったとおり、“ファンとのコミュニケーション”を取る場面が多く見られた。流暢な日本語で話す姿は、数々のバラエティでも披露してきたが、今回のMCでもしっかりと自分の言葉で話していた。ジェジュンはMCで「ファンの方の近くに行きたい」と話していたが、時には2階席と同じくらいの目線まで届きそうな高い場所で歌い、トロッコで途中止まりながらゆっくり会場を回り、どの距離のファン(たとえ、テレビの前でも)へも届くようにコミュニケーションを取る姿からは、彼の“ファンと繋がりたい”という強い思いを感じた。

 バンド紹介を経て始まった自身の楽曲「Good Morning Night」では今までのしっとりしたジェジュンを封印し、ロックな姿を見せた。トロッコで回りながらバズーカ砲でボールやタオルを放ち、飛び跳ねながらファンを煽っていく。ロックなジェジュンも魅力的だ。メインステージに戻ると、「GLAMOROUS SKY」(中島美嘉)を歌い上げた。

 「楽しいですね」とジェジュンの口から素直な思いが漏れる。「楽しいですか?」と聞くと、「楽しい!」というファンからの声に笑顔を浮かべた。MCで無邪気な姿を見せるジェジュンの姿も支持されているのだろう。MCが終わりそうになるたびに、客席から「えーー!」と残念そうな声が漏れるのだ。

「皆さんとは友達みたいな存在です。歳を取っても」

 この言葉にファンに対する思いが込められているような気がした。積極的にコミュニケーションを取ることで、ジェジュンとファンとの間を濃く結びつけているのかもしれない。「一回だけかっこよくさせて。みなさん、今日はほんとにありがとうございました!」と言うと、本編最後の2曲へ突入。「奏」(スキマスイッチ)と「チキンライス」(浜田雅功と槇原敬之)を歌うと、風船が雪のように舞い落ち「チキンライスも好きだけどオムライスすきだー!」というジェジュンの叫びで本編は終了した。

■各曲に対して感じるリスペクト
 アンコールではピアノのイントロが流れると、ステージにグランドピアノが。そして演奏する男性にスポットが当たると、そこにはタレントのMattの姿があった。Mattの奏でる美しいピアノ演奏の中、中島みゆきの「化粧」が始まった。

 この日のMCでも度々触れていた“スペシャルゲスト”はMattだった。ピアノを独学で勉強していたというMattの才能に、ジェジュンも驚いたようだ。Mattは「自分に『化粧』という曲でオファーがあった時、このコラボは絶対ない」と思ったという。挨拶をMattに促すと、照れながらも「自分のライブみたい!」と喜ぶ姿に会場の笑いを誘った。「また一緒にやりたい」と約束し、2人は記念撮影の後、ハグをしてMattはステージを去っていった。

 ひとしきり盛り上がったところで次の曲へ。「次の曲は悲しい歌なのに歌えるかな?」とジェジュンが歌い出したのは、度々ステージやテレビで披露をしている尾崎豊の「Forget-me-not」だ。この曲が始まると、ステージの雰囲気は一気に変わる。感情を込めて歌い込む姿は、まさに“入魂”だ。ジェジュンの魂の叫びのようなパフォーマンスが終わると、会場からは大きな拍手に包まれた。

 「カバーのコンサートは一度で終わってしまうのが寂しい」とジェジュン。「ツアーをして」という声に「カバー曲中心のライブはまたやる」と約束した。そして10年間ファンと一緒に歌ってきたという「守ってあげる」を歌いだす。途中、ファン、バンド、そしてストリングスとともに歌う。サビはファンのアカペラで大合唱に。ジェジュンは歌声に包まれる会場を愛おしそうに見つめていた。「みんな今日本当にありがとうね」「今日も気をつけて帰ってね、またね」と、深々とお辞儀するとステージから去った。

 今回のコンサートはカバー曲が中心の特別なステージで、ジェジュンの各曲に対するリスペクトが感じられるパフォーマンスだった。それぞれの歌詞の意味をしっかり理解し、その日本語の一つ一つを大切にしていることが伝わった。ジェジュンのハイトーンボイスに加え、中低音の魅力も十分に感じられた。男性が音域の高い女性歌手の曲を歌うのは難しいはずなのだが、彼はどの曲もしっかり自分のものにしていた。カバー曲の難しさは、原曲の良さを生かしながら自分らしさをだすこと。しかし、ジェジュンはそれをしっかり体現していた。ジェジュンの新たな魅力を感じられるコンサートだった。(西門香央里)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む