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「キネマの神様」菅田将暉、沢田研二の感想がとても気になる

ナタリー

「キネマの神様」公開記念舞台挨拶の様子。左から野田洋次郎、北川景子、菅田将暉、宮本信子、山田洋次。

「キネマの神様」の公開記念舞台挨拶が本日8月5日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの菅田将暉、野田洋次郎(RADWIMPS)、北川景子、宮本信子、監督を務めた山田洋次が登壇した。

本作は原田マハの同名小説を原作に、かつて撮影所で映画の夢を追い求めるも、今ではギャンブル漬けで借金まみれの生活を送る男ゴウの姿を描いた松竹映画100周年記念作品。沢田研二が現在の落ちぶれたゴウ、菅田が若き日のゴウを演じたほか、妻・淑子に宮本と永野芽郁、テアトル銀幕の館主を務める元映写技師テラシンに小林稔侍と野田、昭和の銀幕スター・桂園子に北川が扮している。

菅田は観客を前に「50%ですけれど、お客さんがいる状態での舞台挨拶は本当に貴重。とてもありがたいです」と挨拶。この日、観客と一緒に映画を鑑賞してから舞台挨拶に立った山田は「映画ができあがったばかりの頃は後悔ばかり。なんであんな撮り方や芝居をさせてしまったのか、と。でも完成してから月日が経ってるので、今日は面白く観てました。それがいいことなの悪いことなのか。少しボケてきてしまったのかもしれません」と話し、笑いを誘う。

劇中では小津安二郎が松竹で監督した「東京物語」にオマージュが捧げられた。山田は「北川景子さんが着る服もキャメラポジションもエキストラの配置も再現して。小津安二郎の映画をそっくりまねして作ろうとしまして」と述懐。カメラをのぞいた瞬間を振り返り「なんだか不思議な感じ、ゾクゾクっとしましたね。『あ、小津安二郎が近くにいる』と言うのかな。僕は話もしたことないけど、小津さんに会えた気がしましたね」と明かした。

かつての銀幕スターを演じるにあたり当時の女優たちを研究したという北川は「いろんな作品を観たり、ヘアメイクの写真集を拝見したり。でも、なんだか雲をつかむような思い。一番役作りで助けていただいたのは、監督が撮影所時代の話をしてくださったこと。お話を聞きながら、1つずつピースを集めていきました」と回想する。「東京物語」をオマージュしたシーンには「冷や汗(笑)」と一言。「世界中にファンがいる映画の有名なシーン。原節子さんを超えることは絶対にできないけど、なるべくお芝居を近付けたかった。またまねするだけではなく、自分らしい部分もどこかに残せたらと思っていました。頭で考えはするんですけど、どうしたらいいかはわからなくて。パニックになりながら終わりました」と笑って振り返る。

主演を務めるはずだった志村けんの遺志を継ぎ、ゴウの代役を務めた沢田。イベントでは沢田演じるゴウが志村がアレンジしたことで有名な「東村山音頭」を歌うシーンが存在することも明かされた。山田曰く、もともと脚本段階でゴウが酔っ払いながら歌を歌うことは決まっていたそう。「何を歌うかはいろいろ考えました。沢田研二さんとも相談しました。沢田さんのヒットソングを歌う案もあったけどちょっと違和感がある。それから志村けんの『東村山音頭』というアイデアが浮かんできました。あそこで今は亡き志村けんのことを思い出す。彼に捧げる気持ち。沢田さんに歌ってもらうとぴったりハマっていましたね」と引用の経緯を明かした。

この日、沢田が公開にあたり綴ったコメントが代読された。パンフレットにも掲載されているという文章で、沢田は「志村さんのお気持ちを抱きしめ、やり遂げる覚悟です。あの日から新型コロナとともに歩んだ72歳、精一杯の姿です。せんないですが、志村さんのゴウが観たかった。私はこの作品を封切り館で初めて観ようと思っています」と述べている。ゴウが「東村山音頭」を歌うシーンの撮影を見学していたという菅田は「ものすごく集中されていて誰も近付けない空気がありました。その姿からも、この作品に臨む沢田さんの思いがあふれ出ていた。ご本人が映画を観てどう思うか、とても気になります。そして同じ人物を演じられて、すごく光栄です」と語った。

「キネマの神様」は明日8月6日より全国ロードショー。

(c)2021「キネマの神様」製作委員会

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